放射能より怖いもの | Sumiko's Playground

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基本ネタバレなのでゲーム、ライブ、ドラマなど結果を
知りたくない方は見ないでね。

最近、なんか違和感を感じる。

わたしたち医療従事者は、常日頃から喫煙、薬物乱用、生活習慣病などの「今はどうってことなくても後々命に関わる病気を発症してしまう危険性」について一般の方々に伝える努力をしてきた。
でもなかなか伝わらないのが現状。
禁煙するとストレス貯まってかえって体に悪いとか、血圧が少々高くても自覚症状もないしなんの不便もないとか、果ては薬の副作用が怖いなんて訳のわからん事を言って治療を止めてしまう患者さんも・・・

ところが!!
ここ数週間「今はどうってことなくても後々命に関わる病気を発症してしまう危険性」が大きく取り沙汰されている。
放射能被害である。
なんで、これに関してはみんなこんなに敏感なんだ!!

はっきり言って、チェルノブイリで被ばくした人よりもタバコを吸ってる人のほうがはるかに癌のリスクは高いです。
魚が汚染されてないか心配とか言ってる前に禁煙しろ~~、血圧の薬のめ~~、って言いたくなる事もしばしば。

チェルノブイリの原発事故の後、多くの人々が後々癌で死亡すると予測されていました。
ところが実際、事故から25年たった今、癌の発生率が上がったのは子供の甲状腺がんだけでした。
これだけで放射能の影響はないとは言えないのですが(詳細はまたのちほど時間があれば)、肺がんの発生率が数倍にあがってしまう喫煙のほうがよほど危険って事です。

高血圧や高コレステロール血症(今は脂質代謝異常症といいます)だって、心筋梗塞、脳梗塞、脳溢血といった命にかかわる病気の発生率を上げるというちゃんとしたデータがあります。

そう考えると喫煙やメタボは、放射能に匹敵・・・いや上回るほど危険なのです。

とくに40過ぎの中高年の方々は放射線の影響はほとんど受けないのだから、それより禁煙したり食事に気をつけてメタボにならないようにする事にもっと関心を示してほしい。

「チェルノブイリの原発事故で被ばくするより危険」をキーワードに服薬指導しようか。