感動する心 | Sumiko's Playground

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知りたくない方は見ないでね。

 絵を描いてて思うんですが、やはり根っこに感動がなければ良い絵って描けないですね。 何かを見て「これはすごいビックリマーク」って感動してはじめて絵が描けるのです。 だから感動する心ってのを磨かないといかんなって。 感動できなくなると絵も描けなくなるので、感動する心ドキドキは大事なんですよ~。

 でもね、わたしの場合、どーも感動するポイントが人とズレてることに気がつきました。 たとえば、美しい星空を見て「なんて綺麗なんだ。」ってウットリするのが普通ですが、わたしの場合、星空に感動したのは幼い頃 "光年" という距離の単位を知った時でした。 今見ている星の光が、実は何億年も前に放たれたもので、ひょっとするとその星は今ないかもしれない。 光が1年かけて進む距離=1光年とは「なんてロマンティックな単位なんだろー」と幼心に無茶苦茶感動したのを覚えています。 七夕にはひこ星さまと織り姫様が・・・なんて話には一向に興味がなく「光年」に感動する幼稚園児っていうのは、かなり変な子どもだったと思います。 その感性はいまだかわらず(三つ子の魂百まで)今でも星空を見れば遥か何億年前に思いを馳せます。 

 わたしの絵をご覧になるとおわかりかと思いますが、植物の絵が多いです。 でも植物といたって綺麗なバラやお花畑なんていう当たり前の絵は描きません。 普通、女性が美しい花を見れば「わー、綺麗!!」って感動するらしいのですが、わたしの場合、ただ綺麗に咲き誇った花々を見ても絵を描けるほどの感動は生まれません。 特に人の目を楽しませるために品種改良を重ねたような花は、どんなに綺麗でも絵に描きたいとは思いません。 完全に感動するポイントがずれてますね。

 最近良く描いているのは芥子の花ですが、これはふだん花壇で見かけるかわいらしいポピー合格をイメージしたものではありません。 ご存知のとおりある種の芥子の実からは阿片がとれます。 もちろん阿片原料となる芥子の花は写真でしかお目にかかれませんが(薬学部の植物園にはあったかも・・・)こんな綺麗な花から人類を破滅に導く麻薬が取れるという事にみょうに感動したわけです。(それって薬剤師として間違ってない?)
 愚かな人間は悪い事と知りながらせっせと芥子を栽培するわけです。 わたしにはそれがあたかも芥子が、意図的にその実にアヘンアルカロイドを仕込むことによって、人間を良いように利用してるように見えて「いや~~、コイツ綺麗な顔しててなかなかやりおるわい。」得意げって。 そう思ってみるとほんと悪女っぽくて魅力的なのです。 花もさることながら、つぼみの形もなかなか表情豊かでおもしろいです。 もちろん芥子坊主もおもしろいのですが、残念ながら普通に栽培されている芥子の実は、阿片が採れるものよりずっと小さいのでいまひとつ面白くないです。
 あ、いくら絵に描きたいからといって栽培禁止種を植えたりなんかしてませんよ。 それやったら薬剤師免許とりあげられちゃいますから。(笑) 写真でガマン。 そこからイメージふくらませます。

 今回の主役は・・・ さらに感動するポイントがずれてきてるようで、な、なんと・・・

ウツボカズラ


 もともと食虫植物って興味あったのですが、ウツボカズラの場合その形がむ~~っちゃ奇妙でと~~っても不気味で・・・感動的なのデス。ぽけ~
 本来、花と虫って花が蜜を提供するかわり虫が遠くの花まで花粉を運ぶっちゅう共生関係にあるもんでしょ。 なのに食虫植物ときたらその虫を捕まえて食べてしまうんですよ。 なんて掟破りな悪党どもなんでしょ!! 見た目もいかにも悪役っぽいですよね。 そのヒールぶりにホレました。(笑) 悪役っぽいけどどこかユーモラスで憎めないあたりがツボですね~。