海老蔵さんがしばらくぶりの歌舞伎座です。襲名近しか!と思っていたら実際そうでした。
いかねばなるまい。オリンピックぶりの~というセリフもありましたが、オリンピックの演出はひどかったなぁ、ジャズピアノと暫の見得って、なんか互いのよさ消しあっちゃってる、って感じでした。いま暫やっちゃうってことは襲名の時には暫はないのかな、歌舞伎座では。
やっぱり海老蔵、まず顔がいい。成田屋!っていう顔立ち、鼻がとおって素晴らしい。
浮世絵だ。姿も素晴らしく。
ただ、やっぱりどうしても声の出し方が気になって仕方ない。どうしてあんなにくぐもらせた声を多用するのか。ちゃんと張れば張った声がでるのに、とおる声もでるのになぜあざとらしく声を抑えたり、張ったりするのかしら。抑えたとしてもくぐもらせるのはちがうような。
声を出すまではでっけぇ感じがするのに話始めたら、あれ?ってなるのです。
でも、成田屋さんは成田屋さん、暫のような明解な荒事は歌舞伎座では久しぶりでしたので、歌舞伎座にエネルギーが注入されたようでした。
不満を言いつつも宗家ですから応援してるんですよ~、世の中の数寄者はあーだこーだいうのが大きな楽しみ。
團十郎襲名公演も全部いくつもりですよ~
菊之助さんの土蜘はビンビンに怪しかったです。
最初気配も足音もなくす~~と花道に現れ、下手したらきゃあ!っていいそうでしたよ。
そして菊五郎さんの頼光がほんと素敵です。座っているだけでほんと素敵
品があって、華があって、色気があって、聡明そうで、なんだかしらね。
ほんと素敵なお姿でした
丑之助君、顔大きくて役者向き。精一杯がんばっててよかったわよ。
親子三代っていうほっこり感もあってもよさそうですが、それぞれがお役になっていて、すぐに親子、祖父だなんて忘れてた、と思わせられました。さすが皆さん生粋の役者でいらっしゃる。
又五郎さんはじめ四天王の歌昇、種之介、男虎さんが忠義感にあふれて、若々しくてよかったです。
「市原野のだんまり」は予備知識がないと??でしょうが、なんだかそんなに強くなさそうな上品なお三方でした。美しかったです。前の土蜘蛛と平井保昌でつながっているのも一興です。
さて、どんじりにひけえしは、ってかんじですが、右近さんの弁天娘。
すごい腕白な弁天娘でした
右近さんのまっすぐで明るくて天然なところがすかーんと表れていて。
かわいくて笑っちゃいました
まったく過去のあれやこれやのことなんてなんとも思ってやいませんよ。
弁天小僧菊之助、おかげさまで楽しく騙りをやって、機嫌よく生きております。という感じ。
菊五郎さんの菊之助も明るいですが、右近さんのはあかるくて腕白、若い男の子の元気一杯さがでてて、あはは、こんなの初めて。小気味が好い。
そういえば三人吉三のお嬢吉三もこんなかんじだったな。右近さんて嘘つけなさそう。なのに役者だし、おまけに女の振りして人をだます盗賊なんて。までも、あのきれいな指先でだまされる人はいるだろうね。
巳之助さんの南郷力丸、彦三郎さんの日本駄右衛門
そして、久しぶりに拝見する五人男の名乗り、
米吉さんの赤星十三郎、隼人さんの忠信利平が加わり眼福です。
まあすっかり世代が変わって。
なんかむず痒いかんじもしますが、若いみなさんの活躍を眩しく拝見いたしました。