4月から待ちにまった、「桜姫東文章」の後半です。

仁左衛門さんの権助素敵すぎる!

ひとつひとつの姿、足のライン、つま先の先まで、いきる役者絵のようです。悪い奴なのに。

墓掘る姿まで美しい!

清玄は確かにそんな役なんだけど、病み呆けた仁左衛門さんは見たくないの~! てなるぐらい、二つのお役を完全に演じ分けておられます。

 

歌六さんの残月と吉弥さんの長浦の関係性が面白い。残月が面倒くさそうで、長浦さんも腐れ縁でさね、って感じなのに、なんか運命共同体で息はあってるという。さらに歌六さん演じる残月からにじみ出る人間の下衆さが素晴らしかった。

対照的に、孝太郎のお十さんの清潔感がキワだつ。暗く汚い舞台に清涼感と緊張感で、舞台が立体的になりました。

 

そして玉三郎様登場!真っ赤なおべべですが、落ちた感じを漂わせます。でも、権助に再開するとまあぁ♡と目が輝き、一方権助の方は、お、こりゃ都合がいいわっという計算のハラが感じられ、またそのお顔もかっこいい!

 

全部はお話しませんが、清玄は死に、権助と桜姫は夫婦となりますが、権助は早々に桜姫を場末の小塚っ原の遊女屋に売ってしまいます。

 

さて、権助住居の場です。

打って変わって、すっきりした白塗り権助様が光輝いています。いい男。

そこに、玉三郎様風鈴お姫が戻ってきます。独特の女郎とお姫様の間を行ったり来たりするセリフと姿に感心です。はすっぱを真似しても、姫のまっすぐさと世間知らずが残ったまま。

返ってくるそうそう、権助さそって、昼間から寝よ、寝よっ、て二人に横になるだけで、キャー!ドキドキです。

 

そこからいろいろあり、権助が桜姫の仇であったことがわかり、二人の間にできた子供を殺し、権助も殺す立ち回りシーン。投げられた教本の描く弧と決まりの姿の美しさ。

あれだけ無条件で惚れてた男を、一転自ら殺すその心の変化。

玉三郎様、すごい迫力、そして美しい。

 

玉三郎さん、仁左衛門さんの至高の芸を堪能させていただきました。