テレビでしか見れませんでしたが、最近、もう一度見たくて見たくてたまらない、昔の舞台のことを。
ほんの数年前のつもりでしたが、平成22年はもう10年前。
NHKで放送していたのが、勘九郎さんと七之助さんの吉原雀。
家のHDDの自動録画で取られていた、この演目を見て、うわ~!と興奮し、見とれたことを思い出します。勘三郎さんがまだご存命でしたが、あの二人のお子さんがこんなにすてきになって!とそれぞれの素晴らしさに虜になったきっかけといってもいいかもしれません。
まず何と言っても美しい。衣装の光沢のある鮮やかな浅黄色が若者の肌に映える映える(当時、そんな言葉なかったでしょうが)。
また体の線がスッキリ若々しくて。
さらに踊りがスッキリしていて、姿が常に美しい。手の先、足の先まで完璧に気を抜かない几帳面さというか、美意識。芸に魅了される。
当時、勘九郎さん28歳、七之助さん27歳ということになりますでしょうか。
おまけに、おおおお!なんか今までと違って、大人の色気が内から出てきたっ!てかんじでした。なんと色気たっぷりな素敵な役者さんになられたんだ~と、目を見開くようでした。
勘九郎さんもヒョロヒョロしている青年の感じから、お!腰が据わったよい男になりましたね、という印象を受けました。七之助さんも若いながらも成熟した女性の色気がでてきて。
もちろん、見た目もですが、踊りにも自信が出てきているというのか、安定感と余裕が。
それが色気につながるのでしょうか。
また、お二人の兄弟の呼吸もぴったり、二人の仲よさが、そのまま微笑ましい仲睦まじい若い夫婦に重なって。兄弟で色気があっても全然変じゃない。
この二人が一緒に踊った時は一人で踊るより、何倍もよくなるんだ~と本当に感心したことを覚えています。
勘三郎さんもそういう方でしたもんね。相手の良さをもっと引き出すというか。
本当に素晴らしい、魔法の粉にかけられたようになった演目です。
でもきっとこの二人のこの時の吉原雀はもういま踊っても同じにはならない。
これが舞台芸術の醍醐味といいますか、儚さというか。
先日、歌舞伎配信のお祭りのお二人もよかったですが、この時、30歳を目前にした「吉原雀」は、これはもう大切な宝石のような思い出です。
この演目、確か録画してあったはずなのですが、なぜか見つからないのです(T∩T)
どうにかしてもう一度見たいものです。
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