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今年のお正月は歌舞伎座、演舞場、浅草と大変でしたね。

 

まずは、歌舞伎座の初春大歌舞伎

何といっても中村屋さんが兄弟がそろって歌舞伎座の舞台に立っているのが、何ともめでたい気分になります。

 

昼の部

「醍醐の花見」 華やかなお正月にぴったりな演目。

中村屋兄弟を筆頭に、芝翫、福助、梅玉、魁春、種之介、鷹之助、それぞれのお家のお弟子さんたちも賑やかに、兄弟親せき集まっての競演、おめでたい気分にさせてくれます。

勘九郎さんの姿の美しい、キレのよい踊りを久々に目にして清々しい気分でした。

踊りの名手だった富十郎さんの息子さんの鷹之助さん、吉右衛門さんに大切にされ力をつけて行っておられる。早くにお父さんを亡くされただけに今月はこの演目で中村屋や成駒屋さんなど頼りになる先輩に囲まれ頑張って踊っている姿が嬉しくて、幸せでした。これから中村屋と共演することが増えたらいいのになと思いました。

 

「袖萩祭文」 アンサンブルの力。

直方の東蔵、浜夕の笑三郎の味の情、そして、芝翫さんの貞任の荒々しさ、それに七之助の義家、勘九郎の宗任の古典的な美しさ。贅沢で濃密な芝居でした。雀右衛門さんのお芝居は涙を誘うほど素晴らしいのですが、三味線を自分で弾かない演出でもいいのではないかと思いました。

 

「素襖落」 老壮青が共演の末広がりのめでたさ

吉右衛門さんを筆頭に劇団のかなめの又五郎さんとナウシカの道化で芸の達者に関心した種之介、鷹之助に雀右衛門さんの赤姫と、老壮青が共演しているだけでおめでたい気分に包まれます。

 

「河内山」 

悪者なんだが、理知的で、爽やかな河内山宗俊は白鷗さんのはまり役。吉右衛門さんの河内山の悪さとはまた違う味の、体の大きさと顔、声と凄み増して、「馬鹿めが」がゾクッとする感じなんです。芝翫さんの松江出雲守もちょうどお似合い。歌六さんの忠臣ぶりも芝翫さんとの相性がちょうどよくて、お家を思う気持ちが伝わりました。

 

寿初春大歌舞伎 昼の部です!という演目が続く、めでたく充実した昼の部でした。

 

贅沢な昼の部に夜の部もさらに贅沢。夜の部はまた別に書きます。