阿古屋(児太郎さん)
児太郎さん、阿古屋になりきっておられました、一途に景清をおもいつつ、いわれた三曲を素直、一生懸命にとは言えプロとして弾く健気な姿。十分、説得力のある阿古屋でした。
玉三郎さんの場合はやっぱり華があって、強い感じですが、児太郎さんのは情のある阿古屋でした。
阿古屋のセリフのなかで、「ついポーンといってのけようが」のは玉三郎様のセリフの言いようがいちばんかわいいので、児太郎さんは、そこの「ぽーん、と」のところもっと「ぽぉ~ん」感がでたらいいのですが。
阿古屋はなんといっても最初の出のところがすてき、
「容は派手に、気は萎れ、筒にいけたる牡丹花、水揚げかぬる風情なり」
三曲に関しては、お琴も安心して見れたし、胡弓はとてもすてきでした。お三味がちょっとドキドキしました。そりゃ玉三郎さんに比べられるとかわいそうですが、稽古あるのみですよね。
保名(玉三郎さん)
無心に見いってしまって、保名の狂気の夢を一緒にみているようでした。
これが見たくて今回いきました。夢のようで、正直ぼーっとしてあまり覚えていませんが、残像のようなものが脳に残っています。
らくだ(中車さん)
中車さんにぴったりの演目。ただ、ほかに登場人物がいてもなんとなく一人芝居のような雰囲気。これはそういう脚本なのでしょうか。私がいったのは幕が開いてすぐでしたので、今後相当進化していく予感でした。