【901】日本列島誕生
 
ちょっと古い話題になりますが、昨年夏に放映されたNHK特集「ジオジャパン 日本列島誕生」が大変面白かったです。年末にもBSで再放送されていました。だいぶ古いですが記事にしました。
 
現在の日本列島ができるには、4つの大きな出来事があったそうです。


1.大陸から日本列島が引きはがされた。
昔ユーラシア大陸に太平洋プレートがぶつかり、もぐりこんだ時、その反動で大陸の端では逆に動く反転流が生じ、端が大陸からもぎ取られた。その時、西日本は大きな島になったが、東日本は海に隠れていた。当時、島は殆ど真っ平らであった。
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この時、大きくは2つの部分が折れ曲がるような形で離れていったようです。

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2.火山島列が次々に中部、関東地方にぶつかってきた。
太平洋プレートの東西の移動の向きが変わり、フィリピンプレートが日本南からもぐりこむようになった。このため、海にあった火山島が関東に次々にぶつかって東日本の陸地を形成した。
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衝突で島の周りの珊瑚礁が盛り上がった。
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埼玉県にある、武甲山は珊瑚礁でできた石灰岩の塊で、秩父セメントの原料が採掘された。島の周りの珊瑚礁が衝突で盛り上がって山となったものである。

武甲山 全山石灰岩でできており、セメント用に山が削られている。
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近年では伊豆半島もぶつかったものです。このように伊豆半島から、丹沢、秩父にかけての山岳地帯は南の島が次々にぶつかってできたものです。一方、私の記事にしたように、その東の関東平野は、プレートが運んできた軽い堆積物が溜まった海盆が海上に姿を現したものです。
 
3.西日本で大きなカルデラ噴火が相次いだ
西日本では真っ平らな地面から巨大なカルデラ噴火が各地で起こり、西日本の山岳の骨格ができた。例えば、紀伊半島の新宮の当たりでは、火山がないのに温泉が円周状に並んでいるのはカルデラの痕跡。
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古座川の巨大な一枚岩はカルデラ壁の痕跡である。紀伊半島が西日本一の山岳地帯になっているのはこの噴火のせい。

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嶽の森山もカルデラ壁の名残

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那智の滝もカルデラ壁。
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この噴火の後、地下で冷え固まったマグマは巨大な花崗岩の塊になったが、周りの岩石よりも「軽い」ため地上に向かって浮き上がり、地表を押し上げた。このため、紀伊半島は険しい山岳地帯になった。同様な現象が四国、九州南部でも起き、西日本の山岳地帯は形成された。
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4.中部ー東北で東西の圧縮が働き、山脈が盛り上がった。

大陸からできあがった日本列島は極めてフラットであったが、太平洋プレートの東西の圧迫で列島中央部が盛り上がり、中部山岳地帯、東北の山岳地帯ができた。

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「日本列島の皺」と題して、私も記事を書いています。
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このように、世界でも希な多数のプレートの動きで引きちぎられ、押されてできあがったのが日本なのです。
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伊豆半島についても、私は記事にしています。
その中に、飛行機から見た日本列島の皺の3アルプスの写真を載せました。
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