公明党のちの委員と、
地域連合すみだの絆の田中委員の質問です。
公明党——ちの美智子委員
私は子どもを四人育ててまいりまして、子どもを健全に育てたいという親御さんの気持ちはわかっているつもりです。児童喫煙から避けたいとか、添加物から避けたいとか、いろんな工夫をやってまいりました。その前提から、気持ちはわかります。ですけれども、公明としてもいろいろと議論をしてきました。結論を申し上げる前に、要旨で要望されている中身で、放射線量について希望している点、4カ所については公表していると考えていいと思います。
食材についての放射線量、河川の放射線量、薪の放射線量、キャンプファイヤーの時の放射線量についてこれは公表していると考えます。それ以外については陳情をうけるのは難しいと公明党は考えます。
2つ程視点があります。
一つは放射線量については(鹿沼市、日光市について)安全が確保されていると考えるべきだと。
先ほどの説明にもありましたように、鹿沼市がすでに放射線対策室でもって調べている。それに輪をかけて墨田区が強化した放射線量で規制をかけるのはいかがなものかと。
現時点で安全が確保されているのは大前提です。
公明党は当初から放射線については「正しく怖がろう」と主張してきました。放射能について「正しくしろう」というセミナーも提案させていただきましたし、きめ細やかな放射線量の測定、公表も推進してきた。正しい認識の中で判断していこうとしてきました。
今回はそういうことで、一点目、安全性は確保されている。
二点目について。伊豆高原荘への変更を提案されている。お気持ちはわかります。安全かもしれないけど心配だから遠くへ行こうと。そうなるには、どうなんだろうか考える必要がある。
鹿沼市から伊豆高原荘に変更する大きい変更理由について明確にしないといけない。友好都市宣言を昨年したばかりだという部分もありますけれども、友好都市宣言でなかったとしても、子ども達がそこで遊んでらっしゃるし、住民の方々が安全を確保されている地域で生活している。そういった所に墨田区がいくことをやめる正当な理由を述べる必要がある。
それから2つめには、伊豆高原荘にうつすと、自然体験プログラムを0からつくりあげなければならないんだろうと思うんです。粟野の場合は、木の樹医さんが豊富な話しをしていただける。木の鼓動を聞いたり「そば打ち」体験ができたりといろいろと整備されている。安全確保のために伊豆高原荘にいって他の所に変更する場合、行程の場合の安全確保も検討しなければならない。急にはできない。
3つ目には新たな費用がかかるのではないか。いま伊豆高原荘は指定管理者にまかせて、全館三日間借りるとなると新たな費用が発生したり、引率の計画もまた必要なのかなと思っています。
こういう点で、方針上おうけするのは非常に難しいかなと思います。
それから私は個人的にはこうした粟野に対して危険があるという認識を、子ども達に少しでもうえつけてはならないと、配慮しなければならないと思っております。
それを付け加えて意見とさせていただきます。
すみだの絆——田中さとし委員
私たち地域の絆として見解を申し上げたい。
福島第一原発事故に年が立ちましたが、汚染水の流出など、事故収束にはほど遠い現状があります。しかしこの間、墨田区においては、保育所等の給食検査、健康対策についてそれなりの対応をつとめてきたと考えます。
移動教室の周辺と地汚染について、当該自治体の監視状況を常に確認しているということ、ならびにハイキングが行なわれる地域については、区職員が事前に測定器をもって調べ確認している。移動教室の期間中の食事については、ご指摘点をふまえ9月時点から測定を実施すると共に今後は定期的に測定をおこなうこと。キャンプファイヤーの薪についても測定をおこない基準値以下であることを確認していること。ますつかみの鱒についても、鱒そのものの他、餌、調理法についても確認をとっていることをふまえ、今回の陳情については不採択の態度表明をしたいと思います。
しかしながら、親御さん方の子どもに対する心配は充分に考えなければならないことだと思います、あらためて区に要望したいのは、放射能関連で、移動教室に限らず子ども達の健康に影響をおよぼす事態を確認したときにはただちに的確な対応をとるように教育委員会に求めるものです。
文教委員会には、当会から6人が参加しましたが、ちの委員の「粟野に対して(放射能汚染の)危険があるという認識を、子ども達に少しでもうえつけてはならい、配慮しなければならない」という発言には、参加した会員全員が驚きました。
タバコや食品添加物の話しを冒頭でされていますが、小中学校では、タバコなど人体になにかしら影響を与えるものについて、危険があることは教えているのではないでしょうか。
鹿沼市や日光市が放射能汚染の状況を調査する地域として指定されているのは、まぎれもない事実です。事実は事実として伝えることが必要ではないでしょうか。
大人や政治家の判断によって、これは危険ではないから教えないでは、教育ではありません。
当会の陳情の4項目目、移動教室に参加する児童および保護者に情報を伝えることと盛り込んだのも、そういった視点からです。親に判断を委ねるだけではなく、今後放射能汚染の影響を一番うけるであろう子ども達に、いまの日本、放射能汚染の深刻さや、被ばくの構造についてしっかりと伝えていく、それがいまを生きる大人の責任だと考えます。
今議会では、残念ながら陳情は不採択になりましたが、今後も活動をつづけていきます。
これからも宜しくお願いします。
