
今日はとってもいい天気ですね

2月11日に、区内の「生涯学習センターユートリア」で「お医者さんがわかりやすく話す放射線と子どもの健康」という講演会がありました。(主催:墨田革新懇)
講演会には91人が参加し、被曝者の会のかたのオカリナ演奏のあと、児嶋徹医師(反核医師の会代表世話人、府中診療所所長)がスライドを使って講演しました。
参加されたママからレポートがありましたので、ご紹介します

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放射線と子どもの健康
「被曝のリスクにしきい値はなく、最小限の被曝であっても人類に対して危険を及ぼす可能性がある。」
「福島県内に留まった子供30数万のうち、むこう10年間で120件の小児白血病が発生する可能性があることが報告されている。」
「1歳以下の乳児は大人に比べ癌のリスクが3~4倍高くなり女児は男児よりも2倍影響を受けやすい。」
また、内部被曝において胎児は0~1歳の10倍の影響を受けやすいというお話しもあり、やはり子供に対しての被曝は出来る限り避けた方がいいと改めて思う内容でした。
「日常生活では、雨に濡れない、ほこりまみれにならない、肌をなるべく露出しない。砂埃になったらすぐシャワーを浴びる。玄関でコートを脱ぐ。鼻うがいも含めたうがいを帰宅後必ずする習慣をつける。窓やドアーを開けっぱなしにせず閉めておく(特に北風、北北東の風が吹く時)」
等、具体的な注意事項もあり参考になりました。特に鼻うがいについてはこれからの花粉シーズンは子供にも習慣づけた方がいいというお話しがありました。また大人であれば目の洗浄も有効だそうです。
また、品川区、北区、板橋区などのお母さんから子供の異常についての相談が増えている
そうで、今まで鼻血を出さなかった子が鼻血を出す、結膜炎、口内炎、排便時の出血など今迄なかった事が起こる。偶然が重なるところにはなんらかの法則性があるとおっしゃていました。子供の病状日誌をつけたり、抜けた乳歯をとっておくことで、政府が内部被曝を認めない時の証拠になるというお話しもされていました。
運動会の時に排水溝の側でレジャーシートを敷いて応援していて、具合が悪くなった子どもがいるという話も何件か聞いているそうです。
そして、一番怖いなと思ったのは、「福島原発事故の放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食をとうしての内部被曝です。被曝影響の評価を政府や政府に助言する「専門家」は測定しやすいガンマー線量で行っています。だが、内部被曝では、ベータ線やアルファ線の方が大きな影響を与えます。政府・東電はベータ線を放出するストロンチウム90やアルファ線を放出するプルトニウム239などの測定を殆ど行っていないし、公表もしません。」というお話しです。実際にはデータは持っているのにあえて公表していないのだろうというお話しがありました。
質問タイムもあり、「子供の低線量被曝について不安になった時に甲状腺の検査をしてもらいたいと思った時に、残念ながら現状近隣の小児科では相手にしてもらえないと思うのですが、どこで検査してもらえばいいのですか?」と聞いたところ、まず触診をしてもらいそれで異常が認められるようだったら、エコーの検査(保険適用になるため)をしてもらえる医者を探して下さいということでした。たしかに、現状では検査してもらえる場所が少ないと思うので、今後児嶋先生がネットワークをつくる予定でいるので、児嶋先生の活動をフォローしていて下さいとおっしゃっていました。
また、東北、関東甲信越の子ども達に関しては検査や医療費は無料でフォローするべきだとも話していました。
安定ヨウ素剤についても触れていて、東京都でも備蓄しているはずだが、児嶋先生が非公式に把握しているのは都内では世田谷保健所だけだそうです。
チェルノブイリ原発事故の時にはポーランドだけ安定ヨウ素剤(1錠6円50銭しかしないそうです)を配り子どもの甲状腺癌の発症率が1/10に減ったそうです。
日本では政府が公式に配った所はなく、講演会に参加されていた方の話では「みはる町」は自己責任で飲んで下さいということで50歳以下の方に非公式に配ったところ副作用の報告は0だったということです。
この話からも日本政府の危機管理能力のなさを痛切に感じました。
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講演のなかでは、外部被ばくと内部被ばくの恐ろしさや、厳しい基準を設けている諸外国にくらべて日本がいかに場当たり的な対応をしているか、そして放射性物質の種類や集まりやすい場所、ガン発生のメカニズムなども説明してくれたそうです。
内部被ばくに理解のあるお医者さんなので、低線量被ばくのことなど相談されたいかたは是非。