岐阜大学医学部跡地再開発コンペについて | 岐阜を拠点に活動する工務店のブログ

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昨日、じゅうろくプラザで行われた「岐阜大学医学部跡地再開発コンペ」の公開プレゼンテーションに行ってきました。
著名な建築家3氏によるプレゼンということで、会場には定員をはるかにオーバーするたくさんの人々が集まり、このコンペに対する関心の高さが伺えました。
3氏によるそれぞれの提案内容については昨日Twitterにて簡単に書いたので、ここでは最優秀案に選ばれた、伊東豊雄氏の提案について少し書いてみようかと思います。
 
今回コンペの対象となったのは、現在更地となっている岐阜大学医学部跡地の北側のスぺース。
そこに図書館を核とした複合施設をつくるというもの。

最優秀案となった伊東氏の提案は、スクエアなガラスの箱に湾曲する大屋根が覆いかぶさっているというデザインで、建物内部は2階がメインの図書館スペースとなり、全体を見渡せるワンフロアの無柱空間に、グローブと呼ばれる大小様々な大きさの半円ドームが天井からぶらさがっているというもの。
このグローブ、空間のアクセントとなるだけでなく、採光や温熱環境のコントロールといった環境装置としても考えられており、こうしたグローブが点在することで空間に濃淡が生まれ、ワンフロアでありながら多様な場が生みだされるのではないでしょうか。

ガラス越しに周囲の緑を取り込みながら、老若男女がおのおの好きな場所を見つけ、そこで本を読んだりくつろぐことのできる、自由度の高いとても気持ちの良い空間となりそうです。

また外観上の大きな特徴となっているのは、木組によるくねくねとうねる大屋根。

同氏設計による各務原市にある火葬場「瞑想の森 市営斎場 」ではコンクリートによるうねる屋根(とても美しい!)を実現していましたが、それをさらに規模を大きくして木造で実現したイメージです。
短尺材を格子状に組んで積層させながら3次曲面をつくりだすことで、集成材の利用や曲げ加工等による高度な技術を必要とせず、市井の大工さんでも作ることができるのが特徴。
使用する木材は岐阜県産のぎふ証明材(長良杉、東濃檜)を積極的に活用していくということで、県産材の利用促進に取り組んでいる岐阜県や林業関係者にとっても朗報なのかもしれません。

この新しい図書館、今年度中に実施設計が行われ、来年度には工事着工とのこと。どんな新しい図書館ができあがるのか今から完成が待ち遠しいです。

暗闇の中に浮かび上がる湾曲する大屋根や点在するグローブもまた、とても新しい都市景観をつくりだすように思います。
岐阜市にまた一つ新しい名所ができることに一市民としてとても誇らしく思います。