夏休みを利用して近場の建築探訪に出掛けました。
一番のお目当ては、岐阜県各務原市に新しくできた火葬場、
「瞑想の森 市営斎場」(設計:伊東豊雄 )。
見所は何といってもその屋根。
緑豊かな里山の自然を背景に、大きく波打つ真っ白な屋根が、空にたゆたう柔らかな布のように施設全体を包み込み、池畔に静謐な佇まいを生み出していました。
その軽やかでおおらかな空間は、参列者の故人への思いをやさしく受け止めているような、これまでの火葬場のイメージとは対極にある、とても清らかで美しい建築でした。
火葬場を含む墓地公園は今後も整備が進められていくといいます。
願わくは、E.G.アスプルンド設計によるスウェーデンの「森の墓地 」(1994年ユネスコの世界遺産に登録)のように、訪れた人々が周囲の森を散策しながら、故人をしのび静かに死と向き合う、そんな瞑想の場になってくれればと思います。