アメリカでは飛行機事故によって命を落とす例が多い。そんな事故を振り返ってみます。
グレン・ミラーはアイオワ州出身でジャズ史に名を残すトロンボーン奏者、バンドリーダー。
「ムーンライト・セレナード」「イン・ザ・ムード」など多くのヒット曲を生み出し人気ビッグ・バンドの一角をなした。第二次世界大戦の際、陸軍航空隊に従軍、楽団を率いて慰問に飛び回った。1944年12月、イギリスからフランスへ演奏のために飛び立ったミラーはイギリス海峡で消息を絶った。戦争中であり詳細な捜索は行われなかった。その後の考察でキャブレターの凍結が墜落の原因ではないかという説がある。
1959年2月3日はポップス史上、悲劇の日として記憶されている。「ペギー・スー」「オー・ボーイ！」のヒットで知られるバディ・ホリー。「ドナ」「ラ・バンバ」のヒットで知られるリッチー・ヴァレンス。”ビッグ・ボッパー”J.P.リチャードソンの３人が飛行機事故によって命を落としたのだ。1月23日からスタートしたツアーは24都市を回る過酷なものだった。ツアーバスの暖房は故障しドラマーは凍傷に、ビッグ・ボッパーはインフルエンザに罹った。バスの長距離移動（彼らのケアをするスタッフはおらず服の洗濯もままならなかった）を嫌ったホリーは飛行機をチャーターし、残りの２人はコイントスで同乗することになった。
雪の降り始めたアイオワ州クリアレイクを飛び立ちミネソタ州へ向かった飛行機は吹雪で視界を失いトウモロコシ畑に墜落した。
バディ・ホリー22歳、リッチー・ヴァレンス17歳、ビッグ・ボッパー28歳であった。
（この事故を題材にしてドン・マクリーンが「アメリカン・パイ」を発表した。また、リッチー・ヴァレンスの半生を映画化した「ラ・バンバ」が1987年に公開されている）
オーティス・レディングはジョージア州出身、「リスペクト」「アイ・キャント・ターン・ユー・ルース」のヒットで知られるソウルシンガー。ヨーロッパ・ツアーやモンタレー・ポップ・フェスティバルの出演で注目を浴びた。1967年12月、ツアーのためウィスコンシン州マディソンに向かった飛行機は濃霧のため湖に墜落した（バーケイズのメンバーも同乗）。オーティス26歳であった。
