お久しぶりでございます。
火曜の夜。

ようやくそういう気分になってきた・・・中村皇月です。





あれから6年。



何がって。



夕霧と雲居の雁ですよ。

もう年頃なのです。




そう。

今回は引き裂かれたあの二人の。



めでたい復縁のお話なのです。


源氏物語の作中、略奪愛を描いた鬚黒大将と玉鬘の物語が好きですが。

復縁を描いた夕霧と雲居の雁の物語も好きです。
引っ張るも引っ張ること6年の歳月。

人知れず一途に二人は想いが変わらなかったのですから。

あっぱれかつ、政治的な臭いのしない相思相愛の復縁開運の結婚話ですから。
これほどめでたい復縁は無いです。

二人とも19前後になっているようで・・・




小さい頃・・・

若かりし光源氏の最初の妻である葵の子として生まれた夕霧は、葵の死によって母親の愛情を知らず、祖母の大宮の元で暮らします。

同じく若かりし頃の頭の中将の子として生まれた雲居の雁ですが、両親は離婚しましたので、夕霧と同じように祖母の大宮の元で暮らすようになります。


いとこ同士ですから、縁は深いといえば深いですが・・・
なんて運命的な二人なのか。




しかし結ばれるのが早すぎて大人の事情により離れ離れに暮らさなくてはならなかったあの二人。



いよいよ夕霧も大人ですから立派になって、亡き大宮の・・・いわゆる今で言えば七回忌でしょうか。
法事の場所で美しく成長した夕霧を・・・内大臣が少し気に入ってしまうのです。

もちろん何より親と違う意味で評判が良い。

真面目でしっかりとした学があり、一途で浮いた噂がない立派な貴人ですから。
それに加えて美しいわけです。




思わず内大臣、夕霧に擦り寄って袖を引っ張り・・・

「まだ恨んでる?」

みたいな事を言うのですが、夕霧も

「私の方こそ失礼の無いようにしておりました」

という感じの返しをするわけですから、本当になかなかの堅物というかクールというか。
意地悪は親譲りです。





しかしこの簡単なやり取りでついに内大臣も決意します。

「私が幕を開けないと始まらないな・・・」



夕霧の一念が実った瞬間です。
官位すらも馬鹿にされたあの頃から絶対に自分からは頭を下げないという信念の元。
惚れた女の為に出世したわけですから。

お見事天晴れエクセレント! サスガっす!
漢と書いてオトコやね!





この時、源氏は39歳の春。







春も終わりに近付き夏を前にして。
内大臣家の藤の花が盛り。

こういった良い季節を待っていたと、内大臣は夕霧を招待してなんとかしようと考えます。
内大臣の長男である頭の中将に手紙を持たせ、使いに出すわけですから、この時点で特使であります。

内大臣
「わが宿の 藤の色濃き黄昏(たそがれ)に たづねやはこぬ 春の名残(なごり)を」

自邸の庭に咲く藤の花は夕暮れ時が色濃くて良いものです。
どうですか、一緒に去り行く春を惜しみましょう。


という歌ですが、深く読んでみると・・・

雲居の雁も成長してよい年頃になりました。
過ぎ去る過去は共に懐かしみながら水に流しませんか。

こんな感じにも取れるわけです。
仰々しく親として迎えるよりもこういう花見ついでに・・・との考えです。



急な誘いに驚きながらの夕霧の返事は・・・

夕霧
「なかなかに 折りやまどはん藤の花   たそがれ時の たどたどしくば」

夕暮れ時では薄暗いですから、藤の花を手折るにはまごつくかもしれません。

と。
なりますが。

6年ぶりに逢えるとしたら、随分時間が経っている・・・雲居の雁を見分けるのも手間取るかもしれない、うまく挨拶ができるかどうかも・・・

という夕霧の心情も表現された歌かもしれません。







内大臣邸に到着する夕霧ですが、源氏の艶な美しさとは一味違う夕霧の聡明で凛とした美しさに家人達は驚きます。
この頃の夕霧は源の中将宰相中将・・・と呼ばれています。




さて。

当然ですが花見だけではなく、酒も入る。

酔ったふりをして・・・

内大臣
「孔子の教えにもあるではありませんか、叔父というものは敬わなければなりませんよ。 あなたのような才人がこの年寄りをこんなに悩ませ抜くとは。 これは恨めしい事です。」

悔し紛れもあるでしょう。


源の中将
「私は元々頭が悪いのでしょう 長い間失礼に気がつかなかったようです。」

トボケ方が何となく腹黒い。
意地悪な源氏にも似ているような気がします。




本気で酔って来た内大臣
「春日さす 藤の裏葉のうちとけて 君し思はば 我も頼まん」

光が差せば藤の葉の裏側までもハッキリしてくるではありませんか。
貴方が腹の中を見せてくれれば、私だって今後はしっかりと貴方を頼り、引き立てますよ。

つまりは結婚を許すと。
内大臣が負けを認めた瞬間です。



さらに盃を取り・・・内大臣
「紫に かごとはかけん藤の花   まつより過ぎて うれたけれども」

紫の色に免じて・・・それにしても藤の花は濃くなりすぎたものよ

濃い紫は昔の皇族の限られた人の使用する色のようですが、紫であるがゆえの宿命と言うか、自分のプライドもありますが政治に利用しようか世間の醜聞を気にしようか・・・そんな事で娘を待たせてしまった事に対する謝意のような気がする歌です。


盃を受け取る源の中将
「いく返り 露けき春を過ぐしきて   花の紐(ひも)とく 折(おり)に逢あふらん」

幾度も湿っぽい春を過ごしてきましたが、ついに花開くような春に巡り逢えたような気がします。

勝利と許しを得た若き貴人。

ついに念願叶い、男同士で大いに盛り上がった夜になったのでありました。





次回は中編。




やっと逢えたね・・・





復縁万歳!




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