相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史 | 実以のブログ

相国寺展―金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史

5月5日、上野東照宮のぼたん苑を出た後、公園の木立の中を歩いて

東京藝術大学大学美術館へ…『相国寺展』を鑑賞…なんて盛り沢山な

子供の日…

展覧会サイト

https://shokokuji.exhn.jp/

 

 まず見てわくわくしたのは『永楽帝勅書』…4月29日からの後期のみで展示される品。前期のみ展示の文正筆『鳴鶴図』も見たかったので悩んだのですが、昨年、永楽帝のドラマを視たこともあってこちらを選びました。この皇帝の名を刻んだ永楽銭が日本でも流通し、信長が旗印に江戸時代に上田藩主になった仙石氏は家紋にしています。こうした古文書は展覧会で見ても読めないことが多いので、いつもさらっと眺めるだけですが、今回は私には珍しくしっかり文字をたどりました。
画像は下記展覧会HPで
https://shokokuji.exhn.jp/highlight/

 

『足利義満像』 (伝 飛鳥井雅縁賛)も歴史の本や番組でよくみる出家姿の肖像の現物を見られて感激。
下記展覧会HPで画像が見られます
https://shokokuji.exhn.jp/highlight/#modal01

 

他に肖像画で感動したのは『朱衣達磨図』(雪澗筆 平石如砥賛)、中国の元の時代のものとのことですが、動き出しそうにリアル、残念ながら今のところ画像が見つかりません


第1章で人だかりがしていたのは陸信忠筆『十六羅漢図』色鮮やかでわかりやすいからかしら。人物はもちろん柳やハス、虎や鹿などの動物の姿にも見入ってしまいました。描かれている羅漢たちのエピソードがわからないのでこれから勉強します(笑)。小さいけれど、こちらのサイトで画像が見られます。
https://www.shokoku-ji.jp/museum/exhibition/inori/
 

前期に『鳴鶴図』があったらしい場所にあったのが『白鷹図』(伝 徽宗筆)出品リストに「中国・明時代」とあり、それが本当なら北宋の皇帝が描いているわけないけれど、ともあれ珍しい白い鷹は皇帝を象徴するとのことで威厳を感じさせます…でも脚は金具のついた綱?でつながれています。大切にされてはいるけど自由はない…皇帝という立場のつらさも感じさせる…絵かも。 下記美術館Xでごらんになれます。
https://x.com/geidai_museum/status/1919165140534251727/photo/3

 

家にほしい?と思ったものの一つは『梅鶴図』(雪峰筆・中国・明時代)。花の中の丹頂が優美。前期展示の『鳴鶴図』を見逃したのですが、これが見られたからいいか…花は梅と椿と思ったらサザンカだそうです。
このサイトで見られます。
https://cinefil.tokyo/_ct/17727441

 

面白いと思ったのが雪舟の初期作雪舟の初期作『「渡唐天神図』。天神=菅原道真(845-903)が中国、宋の高僧・無準師範(ぶじゅんしばん/1177-1249)に参禅したというお話があるとはびっくり。そういうSF風のことを考える人は昔からいたのですね。さすがは天神様、タイムスリップ?する時も

しっかり梅の枝を持っています。雪舟のこの絵にはなんとなくマンガを

読んでいるような楽しさを感じました。

画像はこちらのサイトで。
https://artplaza.geidai.ac.jp/sights/27517/

 

 

ぼたん苑の風景が頭に残っていたのか?…牡丹の描かれた『花鳥図』(兪増筆・中国・明時代)は絵葉書を買いました。

掛け軸のサイズがすごくスリムなのが妙に気になるのが『韋駄天図』(萬里集九賛・室町時代)もともとどんな風に描かれて飾られていたのでしょう?
画像はこちら
https://x.com/geidai_museum/status/1918077980246450587/photo/2

大きさと迫力に圧倒されたのは今展覧会の目玉の『大瀑布図』(円山応挙筆)。この絵を壁紙にしたら夏も涼しいかも?展覧会HPで画像が見られます。


伊藤若冲は色彩が派手で描き方がきっちりしているのが個人的にはあまり
家にほしくない画家なのですが、この展覧会に出ている障壁画『葡萄小禽図』は水墨画ですし、ブドウのデザインが好きなので見たいと思っておりました。ただ実物を見ると若冲だと思うせいか、水墨なのに華やいでいて全体が光っている?感じがしました。大判ポストカードを入手したので、そのうちこれを襖にしてドールハウス風の遊びをしてみたいです。

 

 

他に今後こんな軽やかな晩年を過ごしたいという願いを込めて『売茶翁像』の絵葉書も買いました。

 

頭の中のぼたん苑に永楽帝と足利義満と雪舟と伊藤若冲と売茶翁が

宴会をしている気分…つまりへとへとに疲れて、上野駅公園口近くでふと

上を見ると…驚くべきことにソノサトキザクラの花が一つ、二つ残っていました。新緑の中の白い花がさわやかです。