松岡美術館 アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界 及び白金台のお上りさん | 実以のブログ

松岡美術館 アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界 及び白金台のお上りさん

2月3日、弟が父の整形外科通院付き添いを引き受けてくれたので、松岡美術館の『アメイジング・チャイナ 深淵なる中国美術の世界』を鑑賞しました。

 

展覧会サイト

https://www.matsuoka-museum.jp/contents/7574/?fbclid=IwAR0llb_Su7jNS1mSssgeRfOKMlqGd4tSOOnWVN6XjpWPKA-5ZrlXVwRGSg0

 

社会人になりたての頃、新橋の勤め先近くにあったこの美術館に行きましたが、白金台に移ってから行くのは初めてです。地下鉄の白金台駅で降りるのも初めてなので、駅から美術館まで行く途中のハイクラス?な建物にも目を奪われました。

この妙に階段が目立つヨーロッパ風?の建物は1Fの一部がチョコレートの店、

1Fと2Fはレストランなのだそうです。

なんだか「刑事コロンボの犯人が住んでそうな」つまり豪邸風のこの建物は

結婚式場。使用料高いだろうな。

松岡美術館のエントランスも豪邸風。

 

展示物は写真を撮ってもいいものもあったのですが、シャッター音を出すなとのことなので諦めました。

 

最初の小さめの金銅仏の展示コーナー。『観音菩薩立像』は腰の微妙な曲がり具合が奈良の薬師寺の日光、月光菩薩にそっくり。

 

絵画でまさにアメイジングだったのは武丹の《山水画冊》。山や水の流れはもちろん、樹々の枝、葉の一枚一枚から建物、そしてその中の人物や家具

まで描き出す繊細な筆致。会場中央のガラスケースに十枚並べられていたのを2周して見入ってしまいました。

 

同じく「アメイジング」だったのは翡翠の小さな衝立? 『翡翠楼閣花鳥図挿屏』。絵葉書を買いましたが、残念ながら拡大されているのは「花鳥」部分。

これもすばらしいけれど、この裏は楼閣だけでなく、ハスの花のさく池に

水鳥、そしてたくさんの人物。それもただ細かいだけでなく、すごくリアル。

展示されていた左側の衝立?は一人の偉そうな人物が何かに怒って

腕をふりあげているのをおつきの者が止めている…何が起きたのかしら…

右側には皇帝?らしくも見える堂々とした人物とそれに何かをささげている

人、警護する人、着飾った女性、舟遊びをする人…まるで王朝時代劇を

視ているような気分になります。

童話の『オズの魔法使い』では家ごと竜巻に巻き込まれた主人公ドロシーが

何もかもが緑色の「エメラルドの都」を目指しますが、この 『翡翠楼閣花鳥図挿屏』を夢中で眺めていると、やはり何もかもが緑色の「ヒスイの都」にワープしてしまうような気がします。

 

なおヒスイの工芸品コーナーで一番緑が鮮やかだったのは『翡翠獣耳鐶獅子鈕瓶』。『翡翠透彫花卉文瓶』は瓶にからんでいる花と葉のツルがとても

繊細。展覧会のチラシになっているのが『翡翠白菜形花瓶』。ヒスイの白菜と言えば2014年に東博でも展示された台北故宮博物館の『翠玉白菜』が有名です。『翠玉白菜』の方が緑色の部分が濃いから質の高いヒスイなのは

わかるけど『翡翠白菜形花瓶』の方が大きさがありますね。白菜は花嫁の純潔を象徴するとのことで嫁入り道具として人気のモチーフだったとか。

松岡美術館のクリアファイルにもなっている『青花龍唐草文天球瓶』は高さ41.8センチ、直径34.8センチの大きなフラスコ形の瓶を鋭い爪を持つ龍がぐるりと巻いていて迫力たっぴりですが、龍の表情はちょっとかわいいですね。

今回は展示されていませんでしたが、同じくクリアファイルにプリントされている『粉彩八桃文盤』はなんとなく、昔新橋で見たような気がします。きれいだけどいただけるなら青磁か白磁の皿が欲しいです(誰もくれないか)

尚、陶磁器コーナーの展示物で一番家に欲しかったのは『瑠璃釉魚藻文鉢』

でした。

昨年秋から開催されていたのですが、NHKEテレの日曜美術館で視るまで

知りませんでした。前期展示の明の絵画も見たかったですね。

 

ロビーにあるのが美しいミネルヴァ像。

ロココ風?の飾り壺?もありました。

帰りに気づいたのがプラネタリウム・バー。このあたりの店はどこも

高そうで入る気になれませんが、プラネタリウムにはちょっと興味あります。