着物でプッチーニ? | 実以のブログ

着物でプッチーニ?



カルチャースクールの歌のクラスに通い始めて一年。先日初めて歌の発表会で独唱しました。子供の頃に楽器を習っていたわけでもない私は楽譜が読めません。20歳ぐらいで声優になりたいなんてアホ?を言っていたころちょっとレッスンしてはみたものの『コールユーブンゲン』で挫折したまま。

今も月2回のクラスに休まず通うのがやっと。それなのに無謀にもプッチーニの『トゥーランドット』から『誰も寝てはならぬ』を歌いました。ただしイタリア語は口がまわらないので、本田美奈子が歌っていた日本語歌詞です。なんと申しましょうか、今のご時世にぴったりの国会議事堂で歌いたい?歌詞なので。




本田美奈子の『誰も寝てはならぬ』はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=ilOPO383pvY




いつものクラスとは別に伴奏合わせをして何とかなるかなあと思い始めた時、はたと何を着て歌ったものかという問題が浮上。先生に相談すると歌う時は仁王立ちになることもあるからボトムは足まで隠れる長さで、肩が出るデザインの方が首が楽だとか。声楽の舞台に立つ人が肩の出たロングドレスを着ているのはダテじゃないのですね。

足まで隠れる服というと着物しか持ってない私。大胆にも母が父とのお見合いの時着たという説のあるラメの入った縫い取りお召にいくらか光る素材の半幅の帯。プッチーニでも『蝶々夫人』ではないから着物はどうか?とも思ったのですが『トゥーランドット』も東洋が舞台のお話だからとこじつけて。



私の脳内には時々本物なのかどうか定かでない歴史上の人物が現れて奇妙なアドバイスをします。「♪憎しみの炎、星さえこがして人は~」と歌うところでは燃える大坂城をイメージせよと言うのは真田幸村。「♪心の奥の愛に目をつぶらないで~」と歌う時は我々のことを思い出してほしいというのは徳川光圀と朱舜水。ちなみに幸村も光圀も観光地でおもてなしをなさっている方々とは別人です。



高いところに立つとやっぱり緊張して、練習で心がけていたことが真っ白に―なかなか思う通りには行かないものですね。でも平和への思いを表現したいという気持ちだけは出せたかな。



歌い終わった後、友人の一人から豪華な花束を頂きました。この友人は若い頃芸能界にいたこともある美貌の持ち主。彼女の近くの席に偶然座っていたうちの両親は「実以の友達にこんなきれいな人がいたのか?!」とひそかに腰をぬかしておりました。







ちなみに母は1月の大腸がん手術の後、再発予防の抗癌剤を半年間服用し続けるはずだったのですが、「白血球の数が減り過ぎる」ということで服用中止となりました。代わりに検査を三か月ごとに受けて対処するとのこと。今のところは元気で家事もしていますが「もしも再発したら」と思うと不安です。



私の一番よく似ている肉親は読書好きでテレビの時代劇をよく視ていた父方の祖母ですが、歌や芝居に興味があるのは母方の血らしいのです。母が子供の頃に亡くなった母方の祖父はラジオでオペラをよく聴いていたといいますし、祖母の方は素人芝居で『金色夜叉』の間貫一に扮したとか。興味はあっても演じ手や歌い手になる才能はわが家系になさそうですが―そんなわけで今回、母に舞台で歌っているところを見せることができてよかったと思っています。ただ母の方はそんな娘の心は知らず、「こういうのって親は行かなきゃいけないの?」と面倒くさがっておりました。父はうまくもないのに目立つかっこうで歌っていた私を心配して「発表会に出た他の人が着てたようなドレスを買ってやってもいい」(そんなに金がないのなら)と言い出しました。

歌の先生からは「黒のロングスカートは一つ持っておくと重宝するわよ」と言われているので次の発表会までに買っておこうと思っています。