N部長と名刺の交換し、肩書きをチラ見すると
営業推進部長
とあった。話を聞く限り、N部長はただの1店舗部長ではなく、13店舗のグループ店統括部長だった。
この話上手くまとまれば僕は13店舗で、サイン会が出来るのか!そう思うと足が震えそうになった。
だが、そんな思いは微塵にも僕は表面に出すことなく、淡々と打ち合わせ用の企画書をまず取り出し、N部長に目を通して頂いた。
静かに目を通すN部長、読み終えて開口一番に出たのは僕に対する興味だった。
え?
N部長曰く、いろんな業界関係者のブログや読み物を読むも、僕みたいな人間のブログは見たことがないとのことだった。
ぶっちゃけ、なぜそこまでフリーでありながらパチンコ業界の情報を知っているのか?
もダイレクトに質問してきた。
そこで僕は自分の過去の背景やバックボーンを話した。
話を聞いてN部長は、不思議な人だと僕に言った。
確かにそうだろう、10年前のパチンコライターの僕は10年後、こんな人間になるなんて自分でも考えがつかなかった。
専門誌で細々とライターを続けながら、パチンコ漫画原作者になってようやく人並みの生活が出来たらいいな♪の考えの人間だった。
そんな妄想はいつの間にか終わり現実の時間が戻って来た。
で、本は?とN部長。
当然ながら僕は地蔵の如く固まる。
そう、僕はまだ本が用意出来ていない。
F社からの返事を待つも、今現在も連絡がない状態だった。
やはりと言うかN部長としては、僕が今日、見本誌なり具体的なモノを用意して来訪するものと思っていたのだろう…
それに対して僕はキチンと、僕の企画書とD出版社の不合格書類を持参しますと伝えたが、本については一言も触れていなかった。
だが、僕はこのケースも想定していて、N部長にある提案を持ちかけた。それはCRフィーバークィーンの謎の前身本になる
『CRフィーバークィーンの謎ZERO』
という自費出版本のスポンサーになって下さいませんか?だった。
具体的には『CRフィーバークィーンの謎』は150ページの本だが、『CRフィーバークィーンの謎ZERO』は、もう少しページ数を減らしてパワーホールさんの客層に見易いカタログ形式の本にしてみては?だった。
こういう本はどうでしょうか?
と持ちかけ、いよいよ今日の核心に触れていく…
結論としてはN部長はモノを見ないと何ともだったが、モノがあれはOKだった。
ただし…と、N部長はある注文を僕にしてきた。
それは…
つづく
※この日の出来事は全てノンフィクションです。
不屈座