仮眠した電車はすぐに小田原に着いた。
そして乗り換えた電車は伊東行きだった。
ああっ、眠い。だけど、ここで寝てしまったらおそらく伊東まで熟睡してしまうだろう。
なんとか眠らず熱海に着いて無事乗り換えが出来た。
こんなのがあと48時間近くも続くのか…
昔は1週間近く徹夜をしても平気だったのに、今では1日の徹夜すら出来ないほどの身体になっていた。
寄る年波には勝てないとはよく言ったもので、僕はもう体力の衰えを充分に感じる年になっていた。
考えも柔軟性を欠き、いずれは老害の仲間入りをするのだろう。
それに対して足掻くのが最後の若さになるのだろうか?
イカン!三重入りする前から自分で気分を重くしてどうする。
とは言うものの、僕の周辺には(精神的にも)包囲網が狭まるような気がしてならない。
封印された思惑の序破急の3部作は、いまだ関係者より発信許可がもらえず、いたずらに時間だけが過ぎていく。
そしてそれに対して強く出れない僕…
それは大人になったのではなくただの
意気地無し
に過ぎない。どうして自分の嫌な人間に自分がなってしまうのか?
ウジウジした感情になっていると電車は熱海に着いた。
次は静岡行きの電車に接続だった。
これでようやく仮眠が出来る…とはいえ一時間ほどだろうか。
それでも感謝すべきだろう。この先は満足に休めないのだから。
いや、出来るんだ。でも、したくないんだ。年に一度のパチンカーの祭典に僕は最後まで参加したいのだから。
その熱い想いだけは本物なんだ…
さぁ、明日は何を打とうか?
またCR仮面ライダーフルスロットルにするか?いや、年始めだからCR牙狼~魔戒の花にすべきか?
考えてみればCR牙狼~魔戒の花を僕はまだ一度も打っていないよな。
でも打ちたいと思えないんだよね…
何だろ?完成度は高いはずなのにその気にならないのは…
僕はよっぽどのひねくれ者なんだな。
MAXタイプはもう絶滅するから、今のうちに少しでも手を付けるのが打ち手として正解なのだろうか?
そんなどうでも良いことを真剣に考えてしまう僕…
昔は無鉄砲だったけど不安感なんかまるで無かったよな(苦笑)。
あの失われた気持ちを取り戻すのが、今回の僕の遠征の意味なのかもしれない…
いやいや、そんなモノはハナから存在しないんだよ。
冷めた僕の心情が僕に呟く。
寝ておいて体力を温存すべきなのに
時間を有効に使えない僕…
そこだけは今も昔も変わりなくか…
今朝に生じた首の痛みを再び意識し、まどろみ始めた。
これは遊びじゃない真剣勝負なんだ!
ようやく尻に火が着いたことを理解し、思考をストップして眠り始めた。