【幼馴染.31】『お前あの時何て言おうとしたの?』真剣な眼差しで彼があたしを見ている。「えと、そんな事あったっけ?」うまく言葉が出て来ず俯くと、知らないうちにニットの裾をぎゅっと握っているのに気がついた。『別に…いいんだけどな。』そう言ってまた同じ歩幅で歩き出した。#SJで妄想
【幼馴染.32】嘘だよ?今でもハッキリと覚えてる。あの日の事。あたしね、告白するつもりだったの。留学が決まったってジョンウンから聞いた後、後悔したくないって思ったの。だけど結局伝えられなかったね。クラスメイトに呼び止められたあなたは、告白されていたから。 #SJで妄想
【幼馴染.33】ジョンウンが告白されている姿を、彼の傘の中で見ていた。照れたように笑う彼は、少なからず嬉しそうだった。あたしは我慢出来なくて、傘を置き、その場を離れた。『来週から忙しくなるけどよろしくな。』彼の声にハッと我に返った。「うん!任せて^^」 #SJで妄想
【幼馴染.34】いよいよカフェもオープンし、慣れないながらも充実した毎日を送っていた。あれから彼とも変わらず話せている。『それ取って。』彼がホールからキッチンの中を指差した。「はいっ」言われた物を差し出すと、勢い余って彼が手を受け止めた。『おっと、ありがと。』 #SJで妄想
【幼馴染.35】彼の手が触れた部分が熱い。手だけでなく顔まで熱くなるのが分かった。その時お店の電話がなり、彼が急いで出た。『悪い、誰か窓際のテーブル拭いといて。』彼の指示にバイトの子が反応したが、キッチンも任されているため身動きが取れない。「あたし行きます^^」 #SJで妄想
【幼馴染.36】『助かります!』その女の子は2歳下で彼のいとこらしい。笑った顔が可愛くて、とても気が利く子だった。(窓際だったよね…)ふきんを手に窓際のテーブルへと急いだ。トレーを下げ、テーブルを拭いていると後ろから声を掛けられた。『ここいいですか?』「あ、どう…」 #SJで妄想
【幼馴染.37】「…どんへ?」驚いて掛ける言葉が見つからないのは彼も一緒だった。スーツ姿の彼はあたしがプレゼントしたネクタイをしていた。『カフェってここだったの?』いつもと同じ優しい笑顔で話し出した。「うん…どんへは外回り?」『うん^^取引先行って来た帰り。』 #SJで妄想
【幼馴染.38】『俺の会社の近くじゃん、教えてくれたら良かったのにー』「あ、慣れるまでは…何か恥ずかしくて…」 するとその時後ろから彼に呼ばれた。『どうかした?』「ううん、あの、」彼とどんへに挟まれ緊張して顔が熱くなる。「あのね、」『落ち着け、またやってる。』 #SJで妄想
【幼馴染.39】彼はクスクスと笑いながら、気づかないうちに前髪へと伸びていたあたしの右手を優しく掴んだ。その瞬間どんへの眉間に皺が寄るのが分かった。『お客様、こちらの席にどうぞ。』彼がどんへに声をかけると、どんへの後ろからひょこっと女性が顔を出した。『先輩?』#SJで妄想
【幼馴染.40】『座りましょ?』栗色の髪でボブカット、背は低くどんへの後ろにすっぽりと隠れていて気がつかなかった。『ごゆっくりどうぞ^^』彼はどんへとその女性が座ったのを確認し、軽く頭を下げてあたしの背中を押した。その場を離れようとした瞬間、体が一気に強張った。#SJで妄想
【幼馴染.41】(この子なんだ…)彼女の横を通り過ぎようとした瞬間、たまにどんへから香る香水と同じ匂いがした。心臓がズキズキと痛む。分かっていたはずなのに、いざ目の当たりにするとショックだった。『大丈夫か?』あたしの顔を覗き込む彼の表情までは汲み取れなかった。#SJで妄想
【幼馴染.42】「だいじょーぶ。」俯いたまま返事をすると、彼は小さく溜息をついて聞いて来た。『彼氏?』ぶしつけな質問に答えずにいると、急に手を握って来た。『お前さ…』彼の言葉に顔を上げると、言葉を飲み込むかのように視線を逸らした。『無理すんなよ。』 #SJで妄想
【幼馴染.43】その日の帰り道、家は反対方向なのに何故か彼は家まで送ってくれた。「うわ、さむいっ」『ん。』彼は手に持っていた自分のマフラーをあたしに巻いてくれた。「いいのに!じょんうん寒いでしょ!」『いいって。』彼はそう言うとポケットに手を突っ込んだ。 #SJで妄想
【幼馴染.44】「ありがと。」恥ずかしさと申し訳なさでどうしていいか分からず、首に巻かれた彼のマフラーに顔をうずめた。(じょんうんの匂い…知ってる匂いだ…)ふと顔を上げると前を歩いていた彼があたしを見て、にっこりと笑っていた。『こうしてると昔に戻ったみたいだな。』 #SJで妄想
【幼馴染.45】「もう若くないよー?」笑いながら彼の隣へ立つと、彼はポケットから手を出し、あたしの手をきゅっと握った。ドキドキして顔が熱くなる。「えっ、あの、どうしたの?」『…着いた。』気が付くとマンションに着いていた。「あっ、ありがとね?」『…また電話する。』 #SJで妄想
【幼馴染.46】彼はそう言うと、手を離して照れたように笑い、駅の方へと歩いて行った。彼の姿が見えなくなってから部屋へ戻ると、真っ暗な部屋に少しホッとした。(どんへ来てない…)複雑な気分のまま、コートも脱がずにベッドに倒れ込んだ。「あたし…どうしたらいいのかな…」 #SJで妄想
【幼馴染.47】目が覚めると朝になっていた。コートを着たままベッドに倒れこんだはずなのに、気が付くとコートは鏡の前に掛けてあり、すっぽりと毛布に包まれていた。体を起こすと、隣でどんへが寝ていた。朝陽が当たっている少し明るい茶色い髪がキラキラと光った。 #SJで妄想
【幼馴染.48】すやすやと眠るどんへの顔にかかっている前髪を撫でると、お酒の強い匂いとまたあの香りがした。「…またあの子と…居たの?」涙が頬を伝うのが分かる。浮気をされて悔しいのか、悲しいのか。じょんうんと再会して、心が揺らいているあたしには判断出来なかった。 #SJで妄想
【幼馴染.49】どんへから離れベッドを出る。熱いコーヒーを入れてソファに座った。まだ気を許すと涙が出そうになる。ふと携帯を見ると、じょんうんからメールが来ていた。『明日時間ある?』カレンダーを見ると3連休の初日で、カフェのシフトも入っていないし、特に予定も無かった。#SJで妄想
【幼馴染.50】マフラーも借りたままだったことを思い出し、すぐに返事を打った。緊張しながら彼からの返事を待つ。ブーブーブー。バイブ音に気づき携帯を確認すると、彼からの返事だった。『じゃ駅前のカフェで、17時に^^』簡単に返事を返した。どんへのことが引っかかるけど、 #SJで妄想
【幼馴染.51】今は彼の言葉に甘えたいと思った。逃げているだけかもしれない、だけど今はそこまで考える余裕はなかった。携帯を置き、着替えようと寝室へ入ると、どんへがぼーっした顔でベッドに座っていた。あたしに気が付くと、いつものように子犬のような顔で笑った。 #SJで妄想
【幼馴染.52】『おはよ♡』「おはよ…」そう言ってどんへはあたしをベッドの上に座らせた。『昨日何かあった?コートも脱がずに寝てたよ?』「あ、疲れてた…のかな…」不思議そうな顔をしていたが、次の瞬間にはにっこり笑ってあたしの頬を撫でた。『何かあったらすぐに言ってね?』 #SJで妄想
【幼馴染.53】そう言ってニッコリと笑ったかと思うと、またベッドに横になって眠ってしまった。スースーと小さく寝息を立てているどんへ。以前はその光景が好きだったが、今は寝息さえもモヤモヤを増やす要因だった。また目が涙で滲む。どんへに気づかれたくなくてそっと寝室を出た。 #SJで妄想
【幼馴染.54】次の日は朝から落ち着かなかった。バイトは休みだったし、どんへも仕事があると言って来ていなかった。鏡の前でメイクをしてみるが、思ったより早くに準備が出来てしまった。(…早いけど…)淡い色のワンピースにブーツ、お気に入りのコートを羽織って家を出た。 #SJで妄想
【幼馴染.55】街中はXmas一色だった。ツリーに飾られた沢山のオーナメント、キラキラと光る街がとても綺麗だった。約束したカフェに入ると、もう彼は来ていた。コーヒーの飲みながら携帯を見ている。入口から「着いたよー?」とメールを送ると、パッと顔を上げ、辺りを見渡した。 #SJで妄想
【幼馴染.56】目が合うと残りのコーヒーを飲み干し、あたしの方へと向かって歩いて来た。カフェをあとにし歩き出すと『早いな。』「じょんうんこそ。」『…考え事してた、』暗くなり始めた空を見上げて、彼は大きく伸びをした。『じゃ行こう^^』と鼻歌交じりに車へと乗り込んだ。 #SJで妄想
【幼馴染.57】「どこに行くの?」『着いてからのお楽しみ。』「気になるのにー」『変なとこには連れて行かないよ。』そう言うと彼はクスクスと笑った。車で30分ほど走ると、海の近くに来ていることが分かった。『もうすぐだよ。』窓の外に目をやると、チラチラと雪が降っていた。 #SJで妄想
【幼馴染.58】『ん、着いた。』殺風景な駐車場に車を止め、降りるとチラつく雪に寒さを感じる。「さむいよおー!」『目の前海だしな。』ははっと笑って彼はスタスタと歩き始めた。少し歩くと砂浜に入った。『ほら。』「え?何?」『手、出せ。』言われるがままに手を出すと、 #SJで妄想
【幼馴染.59】彼の小さな手があたしの手をぎゅっと包み込んだ。『懐かしいな、昔もよくお前の手引いて歩いたよな。』「えー?それ…幼稚園の頃とかでしょ?」ふふっと笑うと彼も笑った。『昔から泣き虫だもんな、それは今もか?』「もう大人だよー?子どもじゃないんだから!」 #SJで妄想
【幼馴染.60】きっと砂浜で歩きにくいから、手を貸してくれたんだと思う。ヒールのあるブーツを履いているあたしを気遣ってくれたんだろう。そう思っている頭とは裏腹に、心臓は痛いほど早く打ち、頬を熱くする。指先まで脈が打っているかのようだった。(やだな…緊張する…) #SJで妄想