…あみ Side…
久しぶりに帰ってきた日本は、少し秋めいていて
出張に行く前と空気さえも変わっていた。
大きなキャリーバッグを持って、目的地へと向かった。
打ち上げの日からテミンと連絡が取れなくなった。
挨拶をしに行った時、目を逸らされたことには気がついていた。
最後に彼を見たのは会場から出て行くところで
メンバー達に体を支えてもらいながら歩いていた。
(…体調悪いのかな。)
駅からバスに乗り込み空いている席に座る。
一番窓側に座り、外をじっと見ていた。
あの日のような綺麗な月が空に浮かんでいる。
月を見ていると目が霞むのが分かる。
周りの人に気が付かれないように俯き、涙を拭った。
どうして目を逸らされたのか、
どうしてメールも電話も返事がないのか分からない。
(何か、嫌な事しちゃったかな…)
考えれば考えるほど涙が溢れてくるのが分かる。
何かしてしまっていたとしても
日本に帰る事は自分の口から伝えたかった。
携帯を見ても、彼からの連絡はひとつも入っていなかった。
テミナ、どうしてる?
あの日と同じように、綺麗な月があたしを照らしてるよ。
だけどあなたはあたしのそばにいない。