「亢宿」のエネルギー

・パワーストーン：ラベンダーアメジスト

・人体部位：胸

・トート・タロット

VIII（8） Adjustment アジャストメント調整

III（3） The Empress エンプレス女帝

Ace of　Swords ソードのエース（風の力の根源）

　亢宿と関連するトート・タロットスモールカードの一つは「Ace of　Swords」です。

　このカードは、風の力の根源を意味します。知性、思考の力、情報、伝達、ソフィア（叡智）のエネルギーです。それは、空気を吸っては吐く呼吸のように、情報をインプットしたりアウトプットしたりするエネルギーでもあります。

　その風の働きとシンクロするように、宿曜占星術の人体部位では、亢宿は「胸」に当たります。胸の奥にある肺は、空気中から得た酸素を体内に取り込んだり、二酸化炭素を空気中に排出する役割です。

　「Ace of　Swords」のカードは、コミュニケーション能力を意味し、とても革新的なアイデアを示しています。

　吹き抜ける風のように軽やかで、客観的で公平な判断をし、誰とでも分け隔てなく接する働きです。情報処理能力や知的好奇心といった意味も。

　また、「風」は仏教でいう「色即是空」の「空」に通じます。この世のすべてのものは「空」のように移り行くように、「風」はひとつのところに留まらず、物事に対する執着心があまりありません。

　情熱よりも理性を重んじるのが特徴。交友関係においては、あまり深入りしないで、広く浅くというメッセージです。

　「風」はものを運び、そして、ものを乾かしり冷やす働きです。クールな思考が特徴で、理論に固執するあまり感情を軽視し、ときに無神経な発言をすることも。

　「Ace of　Swords」の意味するコミュニケーション能力とは、自分の意見を強引に押しつけることではありません。

　畳み込むような会話で、他人を力でねじ伏せたり、自分のニーズだけを満たそうとする働きは、逆にコミュニケーションが低いことを示しています。

　コミュニケーション能力を高めるには、まずは相手の話を聞くことです。相手の考え方や価値観にフォーカスして、その会話を構築することです。

また、同意話法を使いながら、相手の価値観に合わせ、共感を積み上げることが、コミュニケーション能力の本来のかたちです。

　コミュニケーション能力とは「自分の事を知ってほしい」とか「理解してほしい」という働きではなく、まずは相手を知ること、リサーチすることから始まります。

　相手の価値観に合わせながら、会話の中で同意しながらも、結果的に自分がイメージする世界に誘導する技術、つまり処世術です。よって、単なるＹＥＳマンではないのです。

　コミュニケーション能力とは、空気を読む力でもあります。会話の停滞を敏感に察知し、話をすぐに切り替えたり、悪く働くとすり替えたりします。

　時流や流行に対してフレキシブに対応し、相手の興味やモチベーションが盛り上がる話題を、的確に選び取ります。この働きこそが会話術といえるでしょう。

　コミュニケーション能力を高めるためには、相手に対して警戒心を持たないことです。相手を警戒すれば、写し鏡のように、相手も警戒するでしょう。　因みに相手の警戒心を解く、最も友好的な方法は、自虐ネタです。自分の弱点をネタにすれば、相手の心も解放へと向かう可能性が高いでしょう。

　ただ、自虐ネタといっても、自分を卑下しすぎたり、俗っぽいものはNGです。あくまでも知的に、そしてユーモアを交えながら、ウィットに富んだ会話を心がけましょう。逆に言えば、重たい話はコミュニケーション能力を遠ざけることにまります。

　会話のキャッチボールを楽しみながら、聞き上手に徹することが、コミュニケーション能力を高めるための第一歩であり、必須のスキルです。（コミュニケーション能力についての続きは、また次回♪）