占星術や神智学に興味のある人は、2012年のアセンションという言葉を聞いたことがあるはず。

アセンションとはマヤ暦に由来します。そのマヤ暦が2012年の12月21日で終わっていることから、翌日の12月22日は、今ある世界が滅亡し、人類が淘汰されるといわれています。また、地球を含む太陽系がフォトンベルトという光の帯に入り、地球の次元が上昇し、人類が進化するともいわれています。


 2012年12月22日を宿曜占星術で算出すると、この日の月は「畢宿」に宿ります。「畢宿」はインドでは創造神ブラフマーと関連付けられ、仏教では「梵天」とされています。ブラフマーとは、「完と誕生」つまり世界の創造と次の破壊の後の再創造意味します。古い時代が終わり新しい時代の幕開けといった、アセンションが示す意味に符合しています。

 

 アセンションとは、キリストの昇天を意味する言葉でもあります。また、アセンションを体系的に考えると古代文明や宗教の中に、形を変えて存在していたといえるでしょう

 例えば、インドのヨガやチャクラはその代表格と言えるし、大きな意味で、仏陀の教えもアセンションに合致していると思います。また、宿曜経を日本に伝えた、真言宗の開祖である弘法大師空海の教えも例外ではないでしょう

 

 魔術や神智学からアセンションを読み解くと、トートタロットの制作者として知られるアレイスター・クロウリーや眠れる預言者エドガー・ケイシー、グルジェフの思想やルドルフ・シュタイナーの自然科学的思考法もアセンションと一致する点が多いと思います。


 では、アセンションの本質とはどういうものなのでしょう。それは、人間が我欲や執着から解き放たれて、宇宙と一体化し、聖なる賢者となることです。宇宙と一体化とか、聖なる賢者なんていうとドン引きしてしまうかもしれませんが、シンプルに考えると、戦争の無い平和な世界の道であり、自然との共存と調和の道といえるでしょう。


 そして、仏教で言う悟りの本質であり、この世のカルマを全て浄化し、存在するあらゆるものから自由になることでもあります。人間の本質である、「魂」「心」「意識」が宇宙意識を通じて目覚め、霊的な進化を今、遂げようとしているのです。


 アセンションに関して、山川健一氏は『リアルファンタジア2012年以降の世界』(アメーバブックス新社)の中で、

 『天変地異ばかりでなく、「インナー・ウォー」とでも呼ぶしかない過酷な毎日の中で、心が折れてしまう人が増えている。やはり何かが起こりつつあるのだろうか?大切なことは自分自身の内側の、深層意識の領域の声を聞いてみるのがいちばんいい。ぼくはずっとそうしてきた。なぜかといえば、「一人の人間」の中には「人類すべて」が存在しているはずだからである。』

 と言っています。

 

 山川氏が言うように私も人間の本質とは魂であることに気づくことが、アセンションに向かっての第一歩だと思うし、一人一人の意識にシフトが生じれば、それは人類全体の意識の上昇へとつながるはずです。全ての命は一つにつながっているのだということに、まずは気づくことが大切だと思います。

 意識レベルが上昇して、他者との一体感を感じることができるようになれば、私たちは現在の苦難や孤独感を取り除くことができるようになるはずです。ジョン・レノン「イマジン」の歌詞にあるように、私たちは創造者としての力を備えており、それぞれに自分の望む世界を創りあげることができるのです。


 日本は唯一の原子爆弾の被災国であり、戦後驚異的な復興と成長を成し遂げました。また、さまざまな天災を乗り越えながら生活をしています。だからこそ、アセンションという変化(進化)を真摯に受け止め、リーダーシップを発揮する必要があると思います。

 2012年12月22日以降のアセンションの世界は、音階が上がるように3次元から5次元に移行するといわれています。チャクラの「第三の眼」が開眼し、人間は驚異的な霊能力に目覚め、そして浄化を促すエネルギー波動によって、自己崩壊が起こるかもしれません。

 

 地球には磁場があり、人間のマインドは、この地球磁場の中で保持されています。 物理学では、シューマン共鳴と呼ばれるパラメータがあり、このパラメータから、地球磁場の強度が算出できるそうです。このシューマン共鳴は約7.8ヘルツの一定の値に保たれていましたが、ここ7、8年で11ヘルツにまで上昇していて、増加傾向が続いています。 

 

 数学的に計算していくと、2012年までに、このシューマン共鳴は13ヘルツまで上昇することが予測できます。この共鳴振動が13ヘルツまで上がると、地球磁場は消失し、地球中心核の回転が停止してしまいます。2012年に、この地球磁場が数日間ゼロになり、その後ふたたび核は回転を始めるそうです。 アセンションは、このポールシフトが原因で地球規模で地殻変動を引き起こすといわれています。 

 

 このシューマン共鳴の増加とともに、地球上では異常気象が起きています。また、私たちの生活を揺るがすような悲しい事件も多発しています。最近の事件を振り返って見ると、自分の都合だけを考えた身勝手な犯罪が連続して起きています。

 「こんなに頑張っているのに人生が報われない」とか、「こんなに愛してるのに、なぜ、愛してくれないのか?」といった間違った等価交換によって殺人事件が起きています。私たちが日頃、無意識に放出している、思考や言葉、感情や行為が間違った方向に捻じ曲がってしまうことで、このような犯罪が起きてしまうのです。つまり、不安、恐れ、疑い、怒り、という負のエネルギーが原因で悲惨な出来事が生じるのです。

 

 思考や言葉は、魔力を持っています。 ひとつの言葉によって、至福を感じることもあればそれとは逆に、抑えがたい愛憎の感情を生むこともあります。

 捻じ曲がった考えを巡らすと、必ず自己崩壊は起きます。言い換えると、ネガティブな感情ばかり溜め込むことで、物事を悪いほうへと考えてしまう癖がついてしまうのです。ネガティブな感情を抱いていると、私たちの生活はますますマイナスの方向に傾いてしまいます。毎日が憂鬱になり、何もかもがつまらなく感じてしまうでしょう。身の回りで楽しいことが起こっても、それに喜びを感じることができなくなってしまいます。


 あらゆる行為(カルマ)は私たちのマインドから生じます。ポジティブな感情や行為によって、人生が充実することもあれば、ネガティブな感情や行為によって 人生が破滅することもあります。 

 私たちが今すべきことは、無意識に放出している、思考、言葉、感情、行為に十分注意を払うことです。想念を向上させるのです。意識を地球全体、人類全体に向け、大自然に感謝し、真理を自分自身で見出すことが必要です。

 

 私たちが抱えるカルマは、過去の想念によって形成されたものです。つまり、過去において不安・心配・不満・妬み・恨み・憎しみといったマイナスの想念を繰り返して潜在意識にインプットしているのです。

 

 過去のことをクヨクヨしていても何も始まりません。大切なのは現在であり、その積み重ねの未来なのです。現在と未来を懸命に見つめることで、明るい展望が開けてきます。大切なことは、潜在意識に対して常に明確な指令を与えることです。仕事に関する願望、能力に関する願望、趣味に関する願望、恋愛や結婚、家族に関する願望ets.その願望こそが想念を向上させる唯一の手段だと思います。

 

 潜在意識に自信という名の栄養を与えましょう。魂が喜ぶことを積極的に行いましょう。アセンションという大きなイベントをポジティブに捉え、行動することができれば、天は何らかの形で、必ずサポートしてくれるでしょう。

 

竹本光晴