ユニゾホールディングス問題 | 鮮矣仁の日記

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ユニゾホールディングスへの貸出金で、

地銀での損失が顕在化している。

 

ユニゾHDとはそもそも何か。

 

我々、昭和世代の銀行マンは、

「常和興産」と言った方が馴染みがある。

 

興和不動産と並ぶ旧日本興業銀行系列の

不動産会社だ。

 

ホテル経営も行っているのだ。

 

常和興産は2010年以降、

メインバンクであり系列のみずほグループと

袂を分かつことになる。

 

そして社名を現在のユニゾHDに変更。

 

脱みずほの中で、取った資金調達シフトの先が

地方銀行だったのだ。

 

つまり、メインバンクがいない状態になった。

 

HISによる買収騒動で話題にもなった。

 

こうした中で起こったのがコロナ。

 

ホテル事業は痛手を被り、

資金繰りは相当厳しくなっているとの報道が多数。

 

報道によると、真偽は不明であるが、

貸出金上位の金融機関のエクスポージャーは以下。

 

北國銀行 84億円

神奈川県信連 70億円 

西日本シティ銀行 67億円

武蔵野銀行 60億円

愛知県信連 57億円

 

1900億円を越える金融機関借入がある模様だ。

 

ここには記載がなかったが、

本日、横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つ

コンコルディアが大幅減益を発表。

 

ユニゾ向け貸出で50億円、

予防的に損失を計上したとのことだ。

 

近年、銀行は運用難から積極的に貸出を行ってきた。

 

損失発生時の処理原資となる

業務純益(貸出金損失処理前の経常利益)レベルの

貸出を同社に行ってきた銀行も多いはず。

 

例えば、貸出トップの北國銀行では、

20年度の業務純益は65億円。

 

金利環境悪化により前の期から▲90億円の減益だ。

 

そこから不良債権処理として▲80億円を計上している。

 

赤字になるところだが、

株式売却益などを130億円計上して、

最終的な経常利益は113億円と前期比微減に止めた。

 

ユニゾ向けをどの程度、

処理をしているのか不明であるが、

ざっと見ても厳しい決算だったようだ。

 

北國銀行のように体力のある地銀はいいが、

今後、金利環境が厳しい中で、

大口貸出先の信用不安は影響が大である。

 

地銀の決算発表は要注目である。