空想嬉劇団イナヅマコネコ
作品No.4
ソリチュードタウンの死神
終演致しました!
ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました!!
さて。
脚本・演出家として、なんか、このブログを読んで下さる方に、何かしらの
「ソリ神情報」
をお届け出来ればな、と。
稽古の段階では、キャスト陣には言いましたが、
「セリフには、構成上の重要なセリフ、というものが存在します」
今回は、そんなお話。
ソリチュードタウンの死神
の台本において、
最も重要、、、と言ったら語弊がありますが、
絶対に落としてはいけないセリフ
というものが、一個だけあります。
絶対に落としてはいけない
というのは、解りやすく言うと、
・その台詞が飛ぶ
・その台詞に被って、客席で大きなクシャミが鳴る
・その台詞の直前に、客席で動きがあり、他のお客様の注意が一瞬そちらに向く
こうなった瞬間に、芝居は終わる
と言ってもいい。
そのレベルの台詞です。
これは、実は、
「生前のアスト」
のセリフ
「ガウンは青色で、書斎は西側ですが」
この6文字
これを落としたら、Deathです。
これ、一回しか出てこない、しかも「正しい情報の訂正」という形で紛れ込ませているので、流れやすい情報なんです。
これを落とすと、
なぜアストが、アーチェを撃ったのか
が、全く意味不明になってしまうだけでなく、夜の書斎で、カートライトがアーチェにガウンをかけた際に
「いやいや、そのガウン、目印だから! あぶないから!」
ってならなくなってしまいます。
これ、最重要セリフ
次。
これは、お客様の印象に残らないと終わるセリフです。
生前のエフィのラスト
「必ずあなたの、あなたの役に立ってみせるから」
これです。
エフィがサリーナの死神になるきっかけとなる、唯一のセリフです。
なんで、これで死神になれるの?
親しい訳でも、血の繋がりがあるわけでも無いのに?
とお思いでしょうが、
この作品は、あっちこっちで、
・死神になる、というのは気持ちの押し付けの一種
・人の思いは一方通行
というメッセージを込めております。
エフィは、サリーナへの感謝と贖罪の気持ちがMAXで死んだので、押し付け的に、
「サリーナの死神」
となったわけです。
初演時は、これだけしか無く、
エフィはサリーナの死神で、ミアに石を譲渡した
事が、余り伝わりきらなかった。
今回はそれを払拭するためにも、ヘルに石を渡し、石を手放したエフィの消滅(の示唆)
という演出に、しました。
伝わりましたでしょうか?
おまけで。
これは、演出上、落とせないセリフです。
死んだ猫、(生前のミーア)に語りかけるゼルのセリフです
「そうだろ? ミア!」
これ、明確に届くと、お客様は、ハッとするのです。
これくらいですかね。
台本を読む際に、こういう感じで読める人は、センスが良いですよ。
自分のセリフを覚える前に、
どう読もうか、どんな演技をしようか、
そう考える前に。
脚本の構成を理解すれば、
自ずと答えは見えて来ます。
さて、今日はこんなもんで。
次回は、カーテンコールの御話をば
そりでは。