今回から数回は、

「正しい舞台役者のやり方」

を書きたいと思います。






さて。

では、改めて、


演劇初心者や、誰にも習わずになんとなく舞台をやっている人向けに、書いてみたいと思います。


まず。

この通りにやれば、

まず、100%演技が上手くなります。


このやり方を身につけ、毎回実践すれば、

レッスンなどしなくても、舞台2〜3回で、ベテランクラスには戦えます。


なので、とっとと上手くなって、

演技なんかに何年も費やさずに、

別のインプットに時間を使って下さい。


いくら、やり方を覚えても、

例えば、

映画は観ません

小説も読みません

勉強も嫌いです

アニメはワンピースしかみません。


では、俳優としては壊滅的です。




例えば

過去に、クビにした自称俳優Tは、


7年も8年も舞台をやっていながら、

全く上手くならない

どころか、

ちょっとセンスの良い初舞台の人、よりぶっちぎりで下手


ということがありました。


なんとなく舞台を続けて、

駄目出しを待って、

演出の指示どおりに動いて、

稽古場でセリフを暗記して、

自分で考えない。


これでは、何年経っても、

いや、何十年経っても

上手くなりません。


マジで人生の無駄遣いです。


頭を使わない単純作業のアルバイトをしてたほうが、お金と労働力になる分、まだ生産的です。


しかしながら、残念ながら、こういう輩は結構います。


それは、

その人のせい

の場合もありますが、

理論的に教える人がいないこの業界のせい

の場合もあります。


養成所なんかに行って、良く


精神論や、根性論で芝居を語り、

教えてる、教えられている気分になるのは、


僕に言わせれば

「キチンと教えてしまうと、演技レッスンなんて、1ヶ月で終わる」

からです。


養成所に通って、

「うわぁ、俺上手くなったなぁ」

って思った事、ありますか?


度胸がついた、とか、

恥じらいが無くなった、とか、

自信が持てた、とか


では無く、 

明確に、

このやり方、理屈、理論を理解して、

「そりゃあ、上手くなるに決まってるわ」

と認識して、

「やはり、上手くなった」

と思った事、ありますか?


ほとんど無いはずです。


というわけで、



・台本を貰ってから稽古場に向かうまでの、役者としての作業

から、

・役作りのやり方


まで、すべてを教えます。



勿論、これが通用するのは、

台本がキチンとしていること、

良い台本であることが

前提です。


でないと、稽古が始まる前に、

ヤル気を失いますからね。




では、行きましょう。



と、その前に。


これだけは覚えておいて下さい


-------

「良い芝居を作る為に費やすべき、最も必要な時間は、台本を貰ってから、稽古が始まるまでの家での時間である」


早起きして、稽古場に行く前に、、、

という意味では、当然ありません


稽古開始、半年前ならその間

3ヶ月前ならその間の時間って事です。



役者が稽古場でやる仕事の質は、

家で、机の上でやった量、質に比例します。


役者が、最も時間を使うのは、

机の上で台本を「分析」する時間です。


これ、勘違いしないで下さいね。


稽古が始まって、なんとか暗記だけしてきて、

「よーし! 一応、覚えては来たし、演出家に言われた通りにやって、一から作るぞ〜」

とかなってたら、もう負け戦

僕の現場では、最悪、降板まであり得ます。


なぜなら、うちの劇団員達は勿論、慣れている客演さん達も、既に全員仕上がっている状態で、稽古初日を迎えるからです。


(↑ 誤解しないように。「仕上がっている状態」というのは、もう本番が出来る、という意味ではありません。言い換えれば「台本セリフと、段取りだけが入ってない状態」ということですね)


因みに暗記してきただけ、

では、仕上がり度は100点満点中5点です。




この今回から数回のブログでは、

その、

「仕上がっている状態」にする

のが目的です。


稽古場であーだこーだ、

なんて事は一切書きません。


まぁ、


だからね、

稽古開始前に、台本が出来上がって無い脚本家は、駄目なんですよ。


どんなにプロでも、

どんなに売れてても、

駄目な脚本家です。


何故か。


役者に、

上がったばかりの台本の分析と、稽古を同時進行でやらせる事を強いているからです。


どんな言い訳をしても、

絶対に許されない事だと、理解して下さいね。

商業の現場でも、結構いるのがたちが悪いですが、、、。




では、今度こそ。



①台本の読み方


良く

『台本を読み込んでこい』
とか、
『台本が読めてない』
とか
そういう話は聞くものです。

しかし、大抵そう言われてしまう俳優は、
演出家の言う
『台本を読み込む』
と言う事がどう言う事か理論的に理解出来ていない人がほとんどです。

ですので、ふんわりと
「覚えてるし、読んでるし」
と心で反論するか
「あそこで詰まったからだ。今度は詰まらないようにしなきゃ」
とか、見当外れの反省をしてしまいます。

こう言う事が無いように、1から順を追って、
解説していきたいと思います。

100点の読み方が出来れば、
例えセリフが完璧に覚えられていなくも、
演出家から怒られることはありません。

「自分の読み方が正しい自信がない」
「自分の演技プランに100%自信がない」
「演出家のダメ出しを待ってしまう」
「演出家のダメ出しが出てからプランを作り始める」
「『私だけダメ出しが少ないから、目をかけて貰ってない』とか言ったことがある」


一つでも思い当たる人は、参考にしてみてください。

特に小劇場の場合、
役者の仕事の、重要な項目の一つは
「この演出家(脚本家を兼ねる場合は脚本も)は、細部までしっかりしているか」
を判断し、評価する。
これが重要です。

そして、演出家は、その判断で役者に「参りました」と言わせるのが仕事な訳です。

俳優は馬鹿では出来ません。
常に想像力を持ってくださいね。


今回はタイトル通り『台本の読み方』に絞ります。


①ストーリーを読む
自分の配役などに印をつけず、「台本」という形の「小説」を読むイメージです。

1ページ目に「登場人物」がある場合はそのページだけを切り離し、手元において、読みすすめると良いでしょう。

喋り方や演技プランなどは一切考えず、舞台セットなども一切考慮せずに、自由に「ストーリーだけを理解」してください。

人の理解力にもよりますが、最低2〜3回、ゆっくりと、世界を想像して読むと良いでしょう。

ここでの必要性は特に説明不要でしょう。

「ストーリーの理解」
これは芝居作りの上での大前提です。


この段階では、まだ線を引いたり、セリフを口にしたりしてはいけません。

ストーリーの理解
にだけ、努めて下さい。

そして、
その作品の
「メッセージ」「テーマ」
「何を伝えたいか」
更に言えば、
「読んでみて、自分には何が伝わったか」
を、大きく1つ〜3つ。
明確にして下さい。




少し話は反れますが、

ここには一つの隠された「意味」が一つ有ります。

あなたがその作品を読んでどう思ったか。
その気持ちは常に覚えておいてください。

「うわぁ、面白いお話だなぁ」
と思ったなら、お客さんにも届きやすいでしょう。

「難解だけど、引っかかるお話だなあ」
と思ったなあ、かなりの理解が必要です。

「つまらないなあ」
「拙い台本だなぁ」
と思ったなら、次回のお仕事は受けてはいけません。

たくさんのいい芝居に出会えれば、つまらない芝居を排除することが出来ます。

「ストーリーとして台本を読んだ感覚、感想」はあなたの一つの、俳優人生の材料になります。
ですので、ここの感覚は大切に憶えておいてくださいね。


②自分のセリフにマークをつける

こんな感じです。

まあ、全員がやっている事でしょう。

しかし、これは、なんの為?
と言われて、なんて答えますか?

『覚えやすいから』
『出番があるかわかるから』

という答えは間違いです。

『自分のセリフ』に印をつけることは
『自分のセリフの準備時間をわかりやすくする』ため

です。

ちょっと良く分からないかもしれませんね。

ひとまず、なんとなく覚えておいて下さい。

③自分が出ているシーン全てにラインを引く



こんな感じです。
『自分の出ているシーン』
とはつまり、
『自分がお客さんから見える位置にいる時』
『自分が板上にいるとき』
ですね。

これをやらない人がとても多い。
「セリフがあるシーン」=「出番があるシーン」「頑張るシーン」

「セリフが無いシーン」=「何もしない」

こういう事が散見されます。

しかし、このあとの「演技指導」の回で書きますが

俳優が最も、神経を使ってプランを練らなくてはいけないのは、

セリフがない時

です。

下のような状態になることもあります。


出番はある(板上にはいる)が、セリフは無い

このラインを引いておけば、

『読まないで飛ばす』

というケアレスミスを回避できます。



さて、第一回はここまで。
作業的な事ですが、
簡単に言うと

『役者の仕事は、相手のセリフをどう料理するか』です。

そのための前段階としての作業でした。


さて、次回は、ここから、どのように台本を料理していくのかを書いていきます。