はい。続きです。

では、CR岡本物語が、脚本を書くときに気を付ける事その2。

「メッセージ性」

これも大事です。

この芝居に伝えたいメッセージ性があるのと、無いのとでは、作品のクオリティーが段違いに変わってきます。


メッセージ性の無い芝居は、ストーリーを追うだけで、そこに起こる出来事に一貫性が無かったり、ドラマを描いていても、なんか、表層的だったりしてくる、と僕は思っております。

作家のメッセージ性がちゃんとしていれば、その1で言った「必然性」という物が登場キャラクターや、台詞に乗っかって来るので、いらない役が出てこない訳です。

だって、
「伝えたい事がこれなのに、このキャラクターはその役にたってない」
ってことにすぐ気づきますから。

正に、役が「役にたってない」訳です。

メッセージ性が無いと、必要の無い脱線や、必然性のないコントが増えてきがちになるので、注意しなきゃですね。

でも、メッセージ性は、あくまでも、脚本に対する自分の深層部分で触れていれば良くて(根っこで解っていれば、軸がぶれないので大丈夫)
「このお芝居はこう言うことを皆さんに伝えたいのでーす!!」
「俺の込めたメッセージを受けとれ!」
とドーン!とやってしまうと、寒くなったり、浅く見えたりするので、これまた、間違わないようにです。

「桜花と風の追憶」のメッセージ性は
「伝えられなかった思い」ですね。
茜と千尋
桜花とふう
スカリーとのどか
そして、ミコトとエドワードの生涯

に至るまで、全てこのメッセージ性に集約しております。全員のドラマが、一つのメッセージ(それぞれ形は違えど)に集約していくので、最後のシーンで、気持ち良く感動出来る訳です。

次回公演の「ノスタルジアの贖罪」は、複数のメッセージ性を持たせて少し複雑にしてあります。

ただ、「贖罪」という、とてもストレートな、含ませられない語彙のある単語を「敢えて」使う事が、今回のメッセージ性に絡んでいます。

では、タイトルの話が出たところで、次回は、
岡本的、勝手に劇作論 その3
「タイトルについて」

をお送りします。