さぼてんとマシュマロ その24 | MIOの愛しのドラマ

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懐かしいドラマの紹介      

     

 

文平の部屋

アジの開きを焼いている文平

病院から退院はしたものの アパートは引き払われている 仁

文平のアパートに 転がり込んでいました

 

文平は 目の事を心配している

仁は 絶対 個展を開くんだ と意気込んでいる

そのためなら 片目くらい失くしたってかまわない

 

「何を そんなに必死になってるんだ」 と文平

「意地かな  おふくろや 明 それから  真理ちゃんに対して」

 

街角で

「真理ちゃん 仁を振ったって本当かい」

「うん」

「どうして 仁が追い詰められている時に  どうしてそんな事したんだ

仁は 今度の仕事にすべてを掛けている どんな事があっても成功させるって

その仁を 君は見捨てたんだ」

「文平ちゃん やめさせて そうしないと 仁君の目ダメになってしまうかもしれない」

 

「片目くらい 失ってもいいって そのくらい必死なんだ」

「片目だけじゃない 悪くすると 両目とも失ってしまうかもしれない

病院の先生がそう言ったの」

 

通りの向こう側を通る 仁

「仁君 もうやめて お願いだから

写真の事は諦めて 私だって そのために 仁君の事 あきらめようとしているの」

 

 

ボーリング場で

友だちの恵子と ボーリング

 

片目に眼帯を掛け ボーリングをする 真理子

見事に ガーター

 

「やっぱり 疲れる訳だわ

お医者さんの言う通りだわ あまり無理すると 片目に負担が掛かって

折角 治った片目が悪くなる事があるって」

 

文平が部屋に帰って来た

仁がフィルムを見ているのを見て

「仁 そんなもの見るな

折角 治りかけたその目を悪化させたいのか

 

仁 写真 諦めろ

真理ちゃんが冷たく言ったのも お前を失明の危機にさらさせたくなかったからなんだ 

これ以上 真理ちゃんに心配かけるな」

「大丈夫だよ 病院にも行ってるし」

 

 

 

文平の部屋 

「意地をはるのも いい加減にしろ」

「意地だけじゃないんだ 生まれて初めて 人の心を打つような写真が撮れそうなんだ」

「いつだって撮れるさ」

「そう じゃないんだ

なあ 分かってくれよ」

「そんなこと分かったって お前が失明するのを 黙ってみてるわけにいかないんだ」

「こんどの仕事 たとえ 俺の最後の仕事になっても

自分がカメラマンであること カメラマンであったことに 満足出来るんだ

 

文平 真理ちゃん

頼むから やらせてくれよ

たとえ 目を失ったっていい そのくらいの価値のある仕事なんだよ

 

今まで 折角撮った 写真を すべて無駄にしろって言うのか」

「写真だけが 人生のすべてじゃないんだ

お前がこれ以上 どうしてもやるって言うなら

俺は 力ずくでお前を止める」

 

怒って出て行く 仁

後と付いていく 真理子

 

 

 

 

カメラマンの森祐介と出会う

目に怪我をするなんて プロ意識が足りないんだ

目が治ったら また俺の所で雇ってもいいぞ

 

その言葉を聞いた 文平が

殴り掛かろうとしていた

「悔しいか」

「ああ」

「俺はもっと悔しい

あんな奴になんか 負けやしない 絶対負けやしない」

 

雨が降ってきているのも構わずに

シャッターを切り続ける 真理子

 

文平の部屋の前

倒れ込んでいる 真理子

 

「仁君が言ってたような 人がいたの そして 恋人が来たの

きっと 撮れてる 仁君が言ってたような 写真 きっと 撮れてる

文平ちゃんに現像して貰って 撮れてるから」と言い

倒れ込む 真理子

 

「あんまり 無理するから

どうすんんだよ このまま病気になったら」と オロオロする文平

仁が 「個展は諦める」と 呟く

 

もう少し 遅かったら 肺炎になっていた

 

文平が 真理子の母親を迎えに行く

 

真理子が眠る傍で お粥を作っている 仁

「ばかだな こんな事するなんて」 と呟く

 

目が覚めた 真理子

「仁君 写真 映ってた」 

「まだ そのままだよ」

「早く 文平ちゃんに現像して貰って」

「いいんだよ もう

折角 真理ちゃんに 頑張ってもらったけど 個展は諦める事にしたんだ

真理ちゃんに病気さしてまで わがままを通すわけにいかないだろう」

「いけないわ 諦めちゃ

私 わかったの やっと  仁君の気持ちが 

雨の中 じっと立ってるうちに 初めて分かったの

男の人が仕事に打ち込む けして 女の人ためなんかじゃない お金のためでもない

生きる為

仁君が あんなに必死になって個展の写真を撮り続けたの 

それが 仁君にとって 生きるって言う事だったから

 

仁君 やりましょう

ここまで来たんだもの もう少しじゃない

 

仁君 フィルム 現像してみてよ  

もし ちゃんと写ってたら 私 仁君の目として 合格にしてくれるでしょう

 

そしたら 私 なんでもやってあげる

仁君の言う通りに 動く

もし 言う通りに出来なかったら ぶってもいい

 

やってみましょうよ

私 仁君の為だけにやるんじゃない それが 私にとっても 生きるって事なんだもん

そのことがはっきり分かったんだもん」

 

「やってみよう」

 

文平が 母親と妹弟を連れてくる

 

「真理ちゃん 大丈夫なの びっくりしたわよ」

「すみません 僕の責任です」

「違うわ 仁君が悪いんじゃない 私が勝手にした事だもん」

「あんまり無茶しないでね」

 

文平が

「おかあさん もう大丈夫です

仁も 写真の事は諦めてくれました」

「諦めないわ 文平ちゃん

 

生きる事 途中で諦めるなんて事出来ないんだもん

私 仁君の目になる

もしダメだって言ったら 私 生まれて初めて反抗するかもしれない」

 

 

さぼてんとマシュマロ その25へ 続く

 

 

 

※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 

今回のテーマは 「生きる」

 

あえて 真理子のセリフを赤字にしてみました

 

高熱にもかかわらず 仁に 切々と 訴える真理子

 

「生きる」って事がどういう事かを 少女なりに考えてだした 答え

 

この長セリフを 寝た状態で 切々と訴える 真理子役の吉沢京子さん

もう さすがと言う他ありません

(文字起こしするのが大変でした)

 

今は ゆっくりとDVDを見られるので ここまで 深い話だったとは

当時 視聴していた少女たちが どこまで理解出来ていたのか・・・・・

いい時代になりましたね

 

何度でも 言いますが とてもいいドラマです