あの日の温もりが残された 風と葉っぱの珈琲カップ
時が進む中に創られた過去 取り戻せない現実として残された傷
本当はと いつまでも 心に重くのし掛かる後悔が
いつまでも心の中に 渦を巻き続けている
理想と現実の中に生きる者の宿命なのか 時よ止まれと叫びながら
時の狭間に押し潰されて 生き抜く事の難しさを知り
あの時の幸せを捨てた 止め処ない寂しさに包まれながら
揺れ動く男心は 薄い板ガラスと化し 小刻みに揺さぶられながら
割れぬよう 割れて砕け散ってしまわぬようにと ひたすらに耐えるだけ
全ては愛の為に生き 愛の為に死す者の 立派な姿すら真似も出来ず
未練だけを追い続ける この薄っぺらな心が情けない
さらけ出す弱き心の中 ただ一つ温もりが残る 風と葉っぱの珈琲カップ
そっと手のひらで包み込む 肌寒き静かな夜