サーベラス・毎日新聞 訴訟資料を見る | RE:SUKI

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考えましょう

「Cerberus」 ケルベロス。

神話の中に登場する、地獄の番犬です。


先日少し書いたオフィス・マツナガ さんのブログで、「サーベラス非公開資料」が公開されました。

アメリカの投資ファンドである「サーベラス(Cerberus)」と毎日新聞に関する報道についての続報です。


サーベラスについては、5月14日に自動車大手の北米部門のクライスラーを9000億円で買収した、という報道を目にしたばかりです。


そのサーベラスが、南青山の土地売買に関する毎日新聞の記事へ抗議を行い、ニューヨーク連邦地裁で裁判が行われました。


この南青山の土地売買に関する動きの中では、実弾が議員に届けられたり、糸川証言メモなる議員脅迫テープが出てきたり、と大変なことになっていたわけですが、土地の売買の裏には一体何があるのでしょう。


そして「和解」に至った経緯とは?


オフィス・マツナガさんが日本語で分かりやすい資料を紹介して下さっていますので、読んでみます。


「自己責任でという前提条件付きで、転載、引用、パクリを許可します。」

とのことですので、早速読破してみます。


左端のP(4)や(B-3)は、実際の書類の右下段に付記してあるものです。

資料は全部で84ページです。


1ページあたりの文字数はそれほど多くないので読めますが、私が気になった点を書き出しておきます。

文中には原文とは内容が異なる場合や、私が個人的に略している箇所があります。


日本のメディアや報道が何も出来ない現状の中、動いている記者の方がいます。

長くなりますが、読んでみましょう。



- サーベラス・毎日資料 -


P(4) 南青山にある土地に関する「毎日の記事」についての説明 

 毎日新聞の調査 → サーベラスの日本子会社「昭和地所株式会社」の関係者・暴力団に親しい関係者など十数名へ


P(5)2002年11月「メルシャン」が南青山の土地に不動産投資・「昭和地所株式会社」の建物が邪魔と記載

南青山の土地の一部が、サーベラス子会社である大阪の「プロビデンス株式会社」への売却された記事の説明


サーベラスグループの日本での投資額は、8000億円(70億ドル)

「昭和地所株式会社」「プロビデンス株式会社」の2つはサーベラスの子会社

「あおぞら銀行」・「国際興行株式会社」(帝国ホテル筆頭株主」・「西武鉄道」へのサーベラスの投資について


P(6)毎日新聞の編集局の判断で、当該記事は朝刊の第一面に載せたことについて


P(8)2006年1月12日 サーベラスグループが当該記事を名誉毀損によりニューヨークで抗議するとの話


P(9) 日本の企業と暴力団に関する話。西武の取締役の「河井一彦」の話(2005年12月の西武鉄道株主総会での地上げで暴力団を河井一彦が使ったとの話が出たことについて)


(B-3) 毎日新聞社会部よりサーベラス・ジャパンへの質問書

①サーベラス・ジャパンと昭和地所(昭和地所株式会社)との関係は?

②「三浦氏」→東京地所が売買に関与した経緯などを質問

③東京地所の経営陣に広域暴力団の関係者がいるとの認識があるか?

④土地売買の結果、広域暴力団に金銭が流れたことをどのように思っているか?

⑤南青山の売買を進める理由は?

⑥「河井一郎氏」とサーベラスとの関係は?

⑦サーベラスと「プロビデンス社」「GAコーポレーション」との関係は?

⑧サーベラスについての資料に間違いがあるか?


(B-4) サーベラスについての説明


1992年 ニューヨークにて設立  創立者 スティンブン・ファインバーク

日本法人は1998年4月に設立

経営陣のアドバイザーリストに、オリックスの宮内義彦会長


(B-6) サーベラス・ジャパン 日本法人の概要

1998年 田中秀司社長


(B-8) 平成18年1月11日

昭和地所株式会社 代表取締役副社長 河井一彦氏より毎日新聞社会部大平誠記者 への回答


(B-3)の②の質問に対し、いいえ」と回答。

「東京地所は昭和地所に案件情報を提供した数多くの不動産業者の中の一社」とのこと。

「三浦氏より紹介を受けた事実はございません。」


(B-3)の②の「経緯は?」との質問 

  「大手不動産会社からの紹介」


(B-3)の⑤の「売買を進める理由は?」との質問 

  「地域貢献するのがデベロッパーとしての仕事」


(B-5)の③「暴力団との認識は?」との質問 

  「そのような認識はございません」

(B-5)の④についても同様の認識

  「適法、適切であります」


・「昭和地所に河井氏が入ったのはサーベラスの意思か?」との質問

  サーベラスの依頼、私の判断により受託


(B-16・17・18・19・20) 被告(毎日新聞側)による訴え却下の申し立て書

「暴力団やそのメンバーは、何らの役割も果たしておりません」


(B-44) 通告書

毎日新聞2006年1月12日付朝刊1面トップに記載された記事に厳重抗議

(B-45) 通告書続き

暴力団との関係との記事内容への抗議

(B-46) 通告書続き2

48時間以内に発売される毎日新聞の記事に、少なくとも2段組記事で撤回記事掲載の要求


(B-48) 被告の訴訟申し立てを支持する大平誠(諭旨解雇された毎日新聞元記者 )の陳述書

(B-52) 毎日新聞社による本件が不便宜法廷地(Forum Non Coveniens)の理由により、訴訟を終了すべきである旨の答弁書(2006年11月5日提訴)

(B-53) (ⅰ)日本の新聞社が日本においてのみ、且つ日本語で報道されたこと。

      (ⅱ)アメリカ合衆国において英語の記事を報道したのは原告自身。

      (ⅲ)日本の犯罪組織が関与していたと明らかになった。


※ニューヨーク裁判所管轄の選択は事実上重要性が無い。


(B-56) 連邦民事訴訟規則第41条に基づき、再審不可能の条件で、任意に取り下げて終結

裁判などの費用については、各自の負担と合意。


→ 「和解」

上記の※及びB-56を考慮すると、アメリカでは裁判は出来ないとのこと毎日の実質勝訴?それでも和解?


読むと、このような流れでした。

ページ゙数が84ページと多い為、私的に気になった点をまとめましたが、実際お読みになると、もっと大切な部分が書かれているでしょう。アレな私ですが、なんとかついていけるようガンバってます…


この裁判の内容を読むと、アメリカの巨大ファンドと日本の暴力団との関係は無かったと新聞社も結論を出し、和解に至ったようです。


しかし、一連の銃弾事件や証言メモを見る限り、「何も無かった」という言葉を鵜呑みに出来ない「流れ」があるように感じませんか?

この「流れ」が一体どこに行き着くのか、今後もオフィス・マツナガさんの動きに注目して行きたいと思っています。


世の中には、知らないことが多すぎる。



↓目の錯覚ねこへび


ジロジロ見る龍?犬?ケルベロス?のペーパークラフト

種あかし有.ver