「自治会・町内会のトラブル事例(ゴミ関連−6−)高齢化とゴミ問題」では、行政側の「ゴミ収集」に対する基本的な構え方(ホームページで公示している集積場所の設置方法)、そして、高齢・障害者と認定を受けている場合の「家庭ゴミ個別訪問収集」を確認できた。

そうなると、この「家庭ゴミ個別訪問収集」に対応させることにより、高齢化班の要望、「老夫婦」「歩行が困難な方がおられる」「ご夫婦の一方は何らかで寝たきり」「子供はすでに独立して、近辺には住んでいない」などにより、集積所までゴミを搬出できない家庭の要望に対応できる可能性がある。
 
もう一度、「家庭ゴミ個別訪問収集」の条件を確認すると、「日常、介助または介護を必要とする高齢者(おおむね65歳以上)、障害者等で生活し、自宅からゴミを持ち出すことが困難で、親類・知人・ホームヘルパー等の協力が得られない世帯」としており、さらに、所定用紙による申請が必要で、「市職員が自宅に訪問し、状況等を調査」により決定されるとしている。
 
そこで、思い当たるのが、行政側が防災支援の一環として行っている、市民の「避難行動要支援者」登録制度である。この、「避難行動要支援者」と、「高齢者」は同一の範疇に入る可能性が高い。そして、地方自治体の行政では、この登録を推奨している。そこで、改めて、国が言う、「避難行動要支援者」の定義を見てみる。
 
避難行動要支援者とは、どのような人のことでしょうか。
まず挙げられるのは、情報の入手や発信が困難な人です。例えば、視聴覚に障害のある人、あるいは日本語の分からない外国人などが含まれます。また、知的障害のある人など、理解や判断ができなかったり、時間がかかる人もいます。
さらに、移動などに介助の必要な人が挙げられます。寝たきりの人、足が不自由な人、乳幼児などがいます。
そのほか、避難所などでの生活に特段の配慮が必要な人もいます。情報や行動に制約のある人はもとより、慢性疾患のある人、妊産婦などが挙げられます。
 
ふむ。我が自治体はどうなっているかというと、「防災管理課」がホームページにも掲載・公示している「避難行動要支援者」登録を推奨しているのだ。
*地方自治体の特定を避けるため、ワタシが編集しています。
 
Z市「避難行動要支援者台帳」への登録のご案内

市では、災害時に備え、「避難行動要支援者名簿」を作成して対応しています。

 *筆者注:

  この「名簿」は個人情報保護法の観点から、自治会長にだけ配布されている。(年度で回収・配

  布する) 障害度合、連絡すべき近親者の住所・電話番号などの記載がある。

  しかし、この情報を複製(コピー)は禁止されているので、リスト化などして、自治会役員や班長

  を含めて、班の中で共有しても良いのかはわからない。
 

また身近にいる避難支援に携わる関係者(避難支援等関係者)への情報提供に同意をいただいた避難行動要支援者の方は、「避難行動要支援者台帳」に掲載し、平常時から災害対策に役立てています。

 避難行動要支援者の皆さんに適切な支援が行われるよう「避難行動要支援者台帳」への登録にご理解とご協力をお願いします。

A. 75歳以上の方のみで構成された世帯

B. 要介護1以上の認定を受けている方

C. 身体障害者手帳(1級から3級または4級第1種)を所持する方

D. 療育手帳(Ⓐ、A)を所持する方

E. 精神障害者保健福祉手帳(1級、2級)を所持する方

F. 難病に係る医療受給者証の交付を受けている方

H. 障害支援区分の認定を受けている方

I. そのほか、本人の申し出により支援が必要と認められる方

 

としている。要は、この「要支援者」として、登録されていれば、市の認定は済んでいるので、行政サービスが受けやすいということになる。また、自治会としても、これら「避難行動要支援者」を把握しやすくなり、「防災」にも役立てることができる。

 

ここまで、くると、こちらが、自治会として図るストーリーが見えてきた。

 

①要支援者=高齢者 とし、「要支援者」として市に登録してもらう。

②登録が完了すれば、「市民環境課」に対し、「個別回収」を申請する。

 要件は満たしているので、認可は受けやすいはずだ。

③副次的なメリットとして、自治会でも「高齢者」が把握が容易になり、今後の

 「防災・防犯対策」がたてやすい。

 

一度、この方針で定例役員会に諮り、該当者が多い班の方から個人の受けるメリット面を強調しながら、高齢者の班員の方々に展開する方策をたてよう。そうすれば、ハードルが高いゴミの集積所を移設する方法ではなく、「個別収集」にしてもらえるメリットが、高齢者にもある。