書道紙ができるまで ― 工場の様子をご紹介 | 漉き紙ショップのブログ

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書道紙ができるまで ― 工場の様子をご紹介


私たちが扱う書道紙は、中国安徽省で作られる「宣紙(せんし)」と呼ばれる伝統的な高級紙です。
唐代より続く歴史をもち、書道・水墨画の世界で広く愛されてきました。
今回は、宣紙がどのように作られているのか、工場の様子を通じてご紹介します。
 
【1】選び抜かれた原料(写真:燎草の保管)

宣紙の原料には、地元で採れる「青檀(せいだん)」の樹皮や「燎草(りょうそう)」など、繊維の長い植物素材が使われています。こちらは燎草の保管風景。自然乾燥させた状態で保管され、紙漉きの前にさらに加工されます。これらの天然素材が、宣紙特有の柔軟さと強靭さ、そして美しい墨のにじみを生み出します。

【2】伝統の紙漉き作業(写真:紙漉き作業中)

漉き舟に広げた枠の上で、熟練の職人たちが絶妙なリズムで紙を漉いていきます。繊維の分散具合や厚みの調整はすべて手作業。この工程こそが、書道紙の「にじみ」や「かすれ」の味わいを決定づけます。

【3】丁寧な検品と仕上げ(写真:検品室)

乾燥を終えた紙は、光の下で一枚ずつ人の目で検品されます。折れやムラ、厚みのばらつきがないかを確認し、用途ごとに整えていきます。手間を惜しまない姿勢が、プロの書家からも信頼される理由です。

【4】環境への配慮(写真:排水処理設備)

製造工程で使う水は、すべて自社設備で処理されます。自然と共生する紙作りを目指し、地域環境への影響を最小限に抑える体制を整えています。

宣紙の魅力を伝えたい
宣紙は「千年の寿命を持つ紙」とも言われるほど耐久性があり、墨のにじみや発色の美しさにも優れています。書道だけでなく、水墨画・篆刻など、さまざまな芸術分野で重宝されてきました。

こうした丁寧な工程を経て、ようやく皆さまのお手元に届きます。
商品選びの参考に、ぜひ製造の背景にも目を向けてみてください。