今回はカブネタです

 

まずはこの写真を見てください

 

 

カブに乗っている、またはバイクメカに詳しい方ならわかると思うけど

これはスーパーカブのドライブスプロケットが付く部分

スプロケットを外してシャフトを見た写真です

 

で、見ての通りスプロケに嵌まるセレーションが異常摩耗しています

 

こうなってしまった原因は

装着したドライブスプロケットの勘合部の加工精度不良

 

 

私のカブは110ccにエンジン強化した際に、同時にスプロケのギヤ比も見直して

 

ドライブスプロケットはそれまでの15Tから16Tに変更しました

 

で、新品のとある有名メーカーの16Tスプロケを付けたのですが

…なんかちょっとガタが大きいなあ

とは思ったものの

日本の有名メーカーの新品なのだからこんなでも公差範囲内なのかな?

程度に軽く考え、そのまま取り付けて使い始めたのです

 

そんな感じで110ccにして使い始めて

しばらくすると特にスロットルオフでの減速時にドライブスプロケ周りから

「ガチャッ ガチャッ」

みたいな音がするようになってきて

(駆動が掛かってる時は音は出ない)

 

スプロケを替えてから(=110ccにしてから)4000km弱走行した時点でスプロケをバラしてみたところ、こんな異常摩耗になっていた

  という経緯

これはスプロケ交換から4000km走行時点のその時の状態です

 

 

やっぱスプロケのガタは異常だったかあガーン

 

と、

その問題のメーカーのスプロケではなく今度はSP武川製のスプロケを取り寄せて交換してみると

武川製のスプロケはこんなにシャフトのセレーションが摩耗している状態でも明らかにガタが少ない

 

 

で、

並べて比較してみると案の定

 

 

セレーション部分を拡大すると

 

 

見た目でセレーションの山の高さが違いますね

 

右の某国内有名メーカー品はセレーションの山が低いガーン

 

カブのドライブスプロケは一般的なバイクのようにシャフトに直にボルト締結で固定するのではなくセレーションに嵌めて抜け止めワッシャで固定するだけの構造のため

シャフトに対して振れ方向(ガタ)はスプロケットのシャフトに嵌まる穴径とセレーション加工精度に依存するので

 

新品の状態でもガタの大きかった某有名メーカー品が

そのガタでシャフト側のセレーション山を削っていった結果が

今回の異常摩耗の原因なのでした

 

これが単なる加工不良品なのか

それともそのメーカーの規格寸法がそもそも間違えてるのかは知らんけどプンプン

 

 

で、こうなってしまうと本来ならシャフト

つまりミッションのカウンターシャフトを交換しないとダメなのですが

 

組み替えがメンドーなのとw

純正部品の4速カウンターシャフトはその時調べたら販売終了になっているようで

部品を探すのもメンドーなのでww

 

持ち前の面倒臭がりから

武川スプロケットに交換だけしてこれまで乗っていたのでしたてへぺろ

 

 

 

こんなに異常摩耗してるのに大丈夫かって?

 

案外大丈夫でしたね(笑)

 

武川製スプロケに交換して7000km弱走ったけど

それほど異常摩耗は進んではいなかったので

 

左が武川SPに交換時の摩耗状況

右がそれから6800kmほど走っての状況

 

まあでも、

異常摩耗はさほど進展していないとはいえ

これだけ摩耗しているのでスプロケからのガチャガチャ音はうるさいし

いずれ交換しないとマジで走行中トラブルにつながりかねないので

 

ようやく自らの重い腰をあげて

カウンターシャフトを交換することにしました

 

 

ということで本題のシャフト交換に至る前段の話をここまで長々と書いてしまいましたが

 

スプロケ交換は手軽でメジャーな改造としてやってる人も多いと思うけど

国内メーカー品でも上にあげたような粗悪品が普通に流通していて

こんなふうに異常摩耗してからではミッション分解でカウンターシャフト交換という大損害につながってしまうので、

カブでスプロケを交換しようと思ってる方、またはしてる方はくれぐれもご注意くださいませ

 

という、

ここまでは注意喚起も込みの内容でした

 

 

******************

 

 

さてここからが本題のカウンターシャフト交換のお話しです

 

すんなり新品交換で終了

…となれば良かったのだけど

 

失敗の連鎖

負のスパイラルはまだまだ続くという笑い話です

(本人は結構笑えてない ショボーン

 

 

以前調べた時に純正の4速用カウンターシャフトはその時点では販売終了となっていたので

(現在もそうなのかは調べてません)

 

中古品でも探すか と調べていたら

新品の4速化用キットが比較的安く売られていて

(もちろん純正ではなく社外品)

 

しかも2速~4速のギヤレシオは純正と同じだけど

1速だけギヤ比が少しだけ高い仕様となっていて

 

カブの1速ギヤ比低過ぎ問題は気になっていたので

 

中古品のシャフトをヤフオクなどで探すより多少高くはなるけど

どうせなら1速ギヤ比問題改善にもなるこのキットに変えてしまおう

 

となって、C50適合というその改造キットを入手したのでした

(わかりやすいフラグw)

 

 

キットの構成は元々は3速から4速へのコンバージョンキットなので

メインとカウンターのシャフト&ギヤ4段に加えて

4速用のシフトドラムとアーム

さらに1速ギヤ比が変わるため、キックがカウンター1速ギヤを介する構造のカブミッションはキックシャフトのギヤも変更になるので、キックシャフトASSYまでセットになっているフルキット

 

至れり尽くせりのキットじゃん!

って

本人は喜んでいたのでした(フラグw)

 

 

交換するキットの内容は確認したので

んじゃ、早速エンジンを降ろして

 

 

途中略

 

「C50適合」だそうなので

そのままキットの部品と総入れ替え

 

 

 

組み替え完成までは特に話題も無いので省略

 

完成して

エンジンを載せて

 

早速慣らし運転で走り始めたのでした

 

1速ギヤ比が高めというのは体感的にはほんの僅かではあったけど

ギヤの入りも良くて調子良かった

 

という感じで70kmほど走ったところで

4速定速で走行中に突然ギヤが抜けた滝汗

 

3速に落として再度4速に入れてもギヤ抜けでガッコンガッコンして4速では走れないガーン

 

3速までは問題なく使えるので4速のミッションプローかもやもや

 

なんかレーシングマシンみたいでカッケエ笑い

 

…なんて冗談を言ってる場合じゃないw

 

なんとか3速までで自宅に戻って

翌日

エンジンを降ろすためにエンジンオイルを抜いてみたら

 

なんじゃこりゃあ!!

 

 

これ、とても新品オイルを入れて70kmの色じゃねーじゃんガーン

 

ミッションの中で何が起きてるんだ滝汗!?

 

で、再びエンジンを降ろして全バラして

 

最初は組み替えたミッションの部品の何かが異常摩耗したのかと思って調べたけどそうではなく

 

削れていたのはミッションケースの方だったゲッソリ

 

 

なんで???

 

で、元のミッションとよくよく見比べてみたら

 

 

仕様が違うじゃーーーん

 

 

「C50適合」っていう商品説明に完全に騙されたタラー

 

「適合」を信用して

生来のメンドークサがりも相まって

 

〔元の部品と組み替え部品を並べて比べてみる〕

 

っていうだけの

たったそれだけの単純作業をサボったことによる

これは完全に自分のミスですショボーン

 

にしてもワナだな、罠!

 

「C50適合」って謳うならせめてスペーサーカラーを同梱してくれればいいのに

ってか

スペーサーカラーが無いと、

このままでは少なくともメインシャフトの4速ギヤは使えないじゃん!!プンプンムカムカ

 

 

失敗して遅まきながら

今度はじっくりとノーマル部品との仕様差をひとつひとつ調べてみた

 

メインシャフトは加工形状は細部で違いがあるけど

シャフト径は同じで、ギヤ可動域を決めるスナップリング溝の位置も同じ

 

1速のギヤは歯数が違っていてギヤ比が変えてある

 

2速・3速ギヤは寸法的には厚さが10分台ミリの差があるけど

 

これが公差内なのかどうかはよーわからんガーン

 

使えるのかなあ?????

 

 

一方の

今回の交換目的のカウンターシャフト側は

 

見た目は1速の歯数だけの違いで、他は同じように見える

・・・?

 

 

シャフト単体にして比べたらこれも違いがあったガーン

 

形状の違いは関係ないからいいとして

肝心のスプロケットが付くところのセレーションの、抜け止めワッシャを入れる部分の溝位置が全然違うアセアセ

 

社外品のはスプロケの取り付け位置が2mmくらい外側方向にズレる感じ

 

・・・

これって、よく知らないけど

ドライブスプロケットが自分のC50用より外側に付く感じになるので

ってことは

リアタイヤがC50より太いタイプ用のミッションってことだろうか??

 

知らなかったので一度はこのまま組んで走ってしまったものの

このままだとチェーンラインが理屈上はナナメになるってことなので

 

いずれにしてもC50車体用の寸法ではないよねえショボーン

 

 

全部品ひとつひとつ比較してみたけど

とりあえず絶対に互換性無いのはメインシャフトの4速ギヤ

こればかりはスペーサーカラーでも入れない限りは適合しない

 

カウンターシャフトのドライブスプロケ取り付け部分溝位置違いは

これは後からワッシャーかなにかで調整すれば何とかなりそう

 

ということで

4速ギヤだけをノーマルに組み替えて使ってみることに

 

 

今回の不具合が原因なのか

ベアリングが少しゴロゴロ感になっていたので

ミッションのベアリングはすべて交換

(部品取り寄せのために作業中断を強いられたけど)

 

 

 

そしてベアリング交換&4速ギヤ組み替えのため

カウンターシャフトのスラストクリアランスは調整し直し

 

元の1.2mmシム1枚ではミッションケース組み付け状態で少しガタが大きめなので

0.1mmシムを追加して1.3mmで確認

 

シムはカウンターのここに入れます

(ベアリングインナーレースに当たる部分)

 

カウンターシャフトだけケースに入れて

 

パッキンも入れてケースを規定トルクで締めて

シャフトのスラストガタを確認

 

 

結果

スラストシムは1.3でガタが最小で1.4にするとガタ(遊び)が無くなるので

(という確認をするので1.3で1回、1.4で1回、それぞれミッションケースを規定トルクで締めて確認してはバラシっていうメンドーなことやってる)

規定値は知らんけど1.3mmで決定

 

 

そんなこんなで4速ギヤだけノーマルに組み替えて

あと、シフトドラムは別に変える必要も無いので信頼性のあるノーマルに戻して

キックシャフトは1速ギヤに合わせた社外仕様

 

という混成の組み合わせで組み立て

 

 

 

チェンジの入りも確認するのでここまで組み立てて

メインシャフトを手で回して確認してみたけど

 

なんかギヤの歯先がこすれるカラカラ音がずっとしてる滝汗

 

軽い接触音ではあるけど

正常な状態ならこんな音はしないよなあ。。もやもや

 

やっぱ社外のギヤの厚みがコンマ何ミリかずつ違うのが純正部品との組み合わせで影響が出てるのか??

 

このまま組み上げて走って

またダメでバラすことになるのもイヤだし

 

 

・・・ということで

せっかく組み上げたミッションをまたバラして

 

結局交換するのはカウンターシャフトのみ

他はすべて元のノーマル部品という構成で組み直したタラー

 

 

なんのためのキット購入だったのか。。

キットで買ったのがもはや完全に意味が無かった状態ショボーンもやもや

 

 

メインシャフトもノーマルに戻して1速ギヤもノーマルなので

キックシャフトもキットのものは使えない

社外のはキックのワンウェイギヤの歯高が高い強化タイプなので使いたかったけどショボーン

 

これだけのフルセットを購入して

 

結局使えたのはカウンターシャフトだけ

というゴミ投資

 

どこが「C50適合」なんだよ!プンプンムカムカ

 

 

ノーマルのギヤ構成に変えたら

やっぱ今度は変な音も出てないし

 

そのまま組み上げる

 

 

 

 

ガスケットはもったいないので再使用したけど

オイルシールはさすがに何度も付け外ししてたらリップがやられるので

またまた新品交換

 

 

組み直しの二度手間 三度手間もそうだけど

こういう消耗品の部品代も地味にHP削られる。。。

 

ということで何度も組んではバラしてを繰り返してようやく完成して

 

 

 

まだこれで終わりではない

 

交換したカウンターシャフトのスプロケ取り付け部の仕様違いをなんとかしないと

 

 

 

これは余ってる抜け止めワッシャーをスペーサー代わりに使えば

ちょうど仕様差の約2mmくらいを吸収出来るか?

と考えて

 

内側の山があると抜け止めワッシャと2枚重ねで取り付け出来ないので

 

内側の山を全部削り落として

 

使い古したワッシャーでバリなどがあるので表面をきれいに削って平らにして

 

これで約2mmのスペーサーにして

 

抜け止めワッシャーとスプロケの間に挟み込むようにすれば

 

板厚分の2mmほどスプロケの取り付け位置が内側にオフセットされるので

 

 

これでまあスプロケの取付位置補正としては問題ないでしょう

(と 思う、多分)

 

 

ということで

最初は4速コンバージョンキットで楽々作業終了と思っていたのが

なんだかんだ色々あって

結局はキットの中のカウンターシャフトだけを交換という

 

時間と金をとんでもなく無駄にした今回の修理でした(泣)

 

こんだけ大変な思いして金も掛かって

結局得られたのは

スプロケから出ていたガチャガチャ音が無くなって静かになった

=正常な状態に戻った

だけという

 

ホント

無駄な作業の顛末でしたチーン