現在放映中のアニメ
『葬送のフリーレン』
先日の21話では〔久し振りに〕
メッセージ性の強い、胸に刺さる名言が出ましたね
大魔法使いでフリーレンの師匠のフランメの師匠でもあるゼーリエから
望む魔法を言うがいい
ひとつだけ授けてやろう
と言われて
フリーレンが即答した言葉
「いらない
魔法は探し求めている時が一番楽しいんだよ」
師匠フランメの優しい眼差しも印象的な回想シーン
フリーレンに言われた途端
見ていたこちらにグサッと刺さって
とても深くてメッセージ性の強い名ゼリフだと感じました
望む魔法をひとつ与える という
普通に考えれば甘く誘惑的な言葉に対して
「魔法は探し求めている時が一番楽しいからいらない」
と返すフリーレン
もちろん物語の中ではそのやり取りからフリーレンの人となり(エルフなり?)・フリーレンの魔法に対する考え方を表現する1シーンなわけだけど
これを比喩として現実に置き換えて捉えれば
実に現代人・現代社会を風刺したやり取りだと私は感じたのです
一例で言えば
なんでも安易にググって素早く知識を得ようとするクセがすっかり染み込んでしまった自分には
とっても痛烈なアンチテーゼの
お こ と ば 。。。(^^;)
最近やたらと話題となる生成AIの功罪にも通じますよね
例えるなら
「望めば好きな魔法を与えるぞ」という大魔法使いゼーリエ様は
さしずめ
望む問いの答えを即座に与えてくれるAIのメタファーと言ったところか
とすれば
望んだ魔法をひとつ与えてくれるという1級魔法使いの特権が目的で群がる多くの魔法使い試験受験者たちは
・ ・ ・ ・ ・ ・
もちろん込められたメッセージはそんな狭い範疇だけにはとどまらず
あらゆる「探し物」を求めて彷徨う人生の様々なシチュエーションにも当てはまる
とても広義な比喩解釈ができる名言だと感じました
そのような考え方で行動するフリーレンは
「天地がひっくり返ろうとあり得ない」
と(フラグをw)語り平静を装う1級魔法使い試験官の目の前で
見事に「天地をひっくり返す」ことをやってのける
痛烈なメッセージが込められた1シーンでしたね
『葬送のフリーレン』は異世界ファンタジー物語だけど
今回のように現実の人生訓に通じるメッセージが色々と散りばめられているところが特に秀でた作品だと率直に感じます
物語として見甲斐があってよく出来ているだけでなく、
このように見る人に訴えかけるメッセージが決して説教染みることなく巧みに物語として成立するように埋め込まれている文学的なセンスが光っていて
この物語を考えた原作者さんはホント天才ですね
あくまで個人的にだけど
1級魔法使い試験なんてどーでもいいのでw
フリーレンが人と向き合う旅のお話に早く戻ってほしいですな