タダで貰ってきたスーパーカブの再生シリーズ

 

 

前回記事でネタバレ(?)の通り

 

 

作業内容を記事にまとめるのが遅れてる間に、実作業のほうがどんどん先行していって

 

ついにはレストア作業自体はほぼ完成してしまったのですが(;^_^A

 

ブログ記事の方では記録を残すためにも、完成までの作業内容を書き続けていきたいと思います

 

 

ということで今回は

表面劣化した樹脂パーツの再生です

 

 

 

今回のレストア作業の全体の流れとしては

 

まずは不動車なので、動くようにするための機能部品の修理・整備

 → エンジン、足回り、ブレーキ、電装 等

 

次に野ざらし状態でサビ放題になっていたパーツ類のサビ取り・サビ止め処理

 → 各車体パーツ類、ホイール 等

 

と、

ここまで進んできたので

 

いよいよ最後の仕上げの塗装を考える段になってきたのですが

 

 

塗装の構想を考えるうえで、今回のカブの外装樹脂パーツの表面劣化度合いはとても悩ましいものでした

 

というのも

 

外装樹脂部品の表面はあまりにもひどいUV劣化状況で

 

特に車体色で一番目立つサイドカバーは劣化ヒビ割れがひどく

 

本来はサイドカバーなどの樹脂部品は塗装せずにミガキ仕上げだけで、適度なヤレ感を残した外観にしたかったのですが

 

レストアの仕上げとなる塗装工程の作戦を練るうえで、いったいどの部品までを塗装すべきなのか?

 

そのことが定まらず、なかなか全体の最終的な仕上がりイメージを頭の中で想像することが出来ないでいました

 

 

極端な話、すべてのパーツを塗装してウレタンクリアーでピカピカの輝きの仕上がりにしたほうが、よほど悩まず考え方も簡単なくらいで

 

適度なヤレ感を残してとは言っても、完成後の全体のバランス的に

例えばメインスタンド・サイドスタンドのような黒鉄部品まで塗装してしまうのか?

そこはそのまま塗装せずに残すのか?

 

そのようなところまで自分的には悩むし

 

 

みたいなことを悶々と悩んでいたので

 

これらの表面劣化著しい外装樹脂部品を磨いてみた結果で、全体としてはどのような塗装が必要になるかを考えながら作業を進めました

 

 

 

というわけで、

まずは外観的に目立つ部位で、全体の仕上がりイメージを左右しそうなサイドカバーです

 

 

左右ともひどく劣化してヒビ割れしまくり状態です

 

よく見ると表面に一層塗装がしてあって、その塗装もろとも下の樹脂部分まで劣化してボロボロの状態

 

 

この部品の樹脂の着色は「着ペレ」といって

着ペレ:着色ペレット

ペレットとは樹脂成形する時の材料となる樹脂のツブツブのことで

着色ペレット=着ペレとは、初めから完成色に着色したペレットで成形することで、後工程での着色塗装をしないことを意味します

 

つまり、このサイドカバーは表面を削って内側の材料の色を出せば元々の外装色の色がそのまま出てきて新品のときに近い色に戻る、ハズです

 

 

そんなわけで、このカバーを磨いてどこまで表面のヒビ割れを消すことが出来るのか?

 

このような樹脂成形部品は

特にこのサイドカバーのようなPP(ポリプロピレン)材は塗装と違ってなかなか磨けないし(だから外装に使った時にタフ)、自分自身PPのミガキなどやったこともなかったのですが

 

今回はとにかく挑戦!

 

 

最初は無用な傷を入れたくなかったので水研ぎで始めたのですが

やはりなかなか削れていかないアセアセ

 

仕方ないので

つーか、

時間ばっかりかかるので

 

サンダーで削ってやりましたてへぺろ

 

一応ひと皮は剥けたけど

と、同時にサンダー目も一緒に入ってしまうので、あまり追い込んでもイタチごっこ状態になることが判明ガーン

 

仕方なくサンダーでの皮むきはこれくらいにしておいて、

ここから研磨パットの番手を少しずつ上げて磨いていったけど

 

やはり水研ぎで削っていっただけではヒビ割れは消しきれない

 

 

あまり片側だけ追い込んでいても時間ばかり掛かってしまうので

とりあえずもう片側も同じように

 

サンダーで荒削りして

 

600番

 

1000番

 

3000番

 

と、ここまで磨いても

こちら側もやはり表面状態は芳しくなく

 

ほんとはもっと表面の劣化ヒビ割れが無くなるまで磨けるのなら、ここからさらに仕上げのミガキに移るのだけど

 

 

どうにもミガキきれないショボーンもやもや

 

 

やはりただでさえPP材は表面ミガキが入りづらい上に

あまりにも深い層まで紫外線でヒビ割れが進行していて

 

実はここまで磨くのに丸一日タラーチーン

 

 

・・・ここまでやって、ようやく決断しました

 

このサイドカバーは塗装します!

 

ということは、それなりにキレイな仕上がりになってくるので

この段階でようやく全体の仕上がりイメージを固めることが出来ました

 

 

サイドカバーのように目立つ車体色のパーツを塗装でそこそこキレイにするのであれば

車体全体もバランスを考えた塗装仕上げをする

 

もちろんヤレ感的なイメージは残したいのでツヤありではなく全体にマットな仕上げにするものの、くたびれ感ではないそこそこにキレイな外観を目指す上差し

 

そうしないと塗装するサイドカバーが浮いてしまうので

 

・・・というような全体イメージを、

ここまでサイドカバーを磨いてみてようやく決心しました

 

 

 

次に磨くのは、やはり着ペレのPP材で出来たフロントフェンダーです

 

これも表面劣化で表面がガサガサになってましたが

サイドカバーほどひどくはありませんでした

 

なのでこちらはサンダーでの荒削りはせずに水研ぎだけで磨いていって

 

途中経過で、ミガキ番手違いによる表面状態のチェック中

 白く変色してる部分はどう磨いても変わらず、

この部分は組むと完全に見えなくなる部位なので無視することにしました

 

そこはともかく

これもPPなので中々削れていかなくて、ここまで優に2時間以上はミガキ続けてましたが

それでもサイドカバーとは違って表面の紫外線劣化層はある程度削り落とせました

 

 

サイドカバーのときと同様に研磨パットは#3000まで磨いて

 

仕上げはコンパウンドで

 

ちょっと気まぐれで通常の塗装用コンパウンドではなく

樹脂用ということでヘッドライトの黄ばみ落とし用コンパウンドを試してみました

 

気まぐれで使ってみた割にはかなりいい感じにツヤが出てくれて

 

これが着ペレ部品の特徴ですね

この色こそが、新車の時の元の色だったはずです

 

写真では思いっ切りツヤが出て新品のような輝きに見えますが

近くで見ると新品のように表面が真っ平らでつるつるというわけでもなく

 

例えるとちょっとツヤが落ちてきた古い樹脂部品を樹脂クリーナーで磨いたような感じ

 

なので、これはもちろん塗装無しでこのままで組んでも良しとしました

 

 

 

次はフロントフェンダーの上に付くフロントフォークカバー

 

この部分の部品です

 

これは表面は少しガサついているだけで軽微なダメージだったので

同じように磨いてもさほど手間は掛からずこのレベルに

 

フロントフェンダーと接して組み付ける部品なので、

外観のバランス的にもフロントフェンダーと同じような仕上がりになって、これでバッチリです

 

 

 

次の樹脂パーツはフロントトップカバー

 

この部分に付く、地味な形だけど顔の一部になる大事な部品

 

これは白いので写真ではわかりづらいですがひどいガサガサで、

かつ無数に紫外線劣化のヒビ割れが走ってます

 

とりあえず磨くにも、エンブレムを外さないと磨けないので

 

エンブレムのプッシュナットを、エンブレムのボスを折らないように慎重に外して

・・・本当はこのプッシュナットは非分解タイプなので、外すとエンブレム側のボスが削れて本来は交換が必要になります

 

が、

交換するにも部品がないので、なんとか再利用するために極力ボスにダメージを与えないよう慎重に外してます

 

 

ということで外して

 

 

これも着ペレのパーツなので、とにかく表面の劣化層を削って磨いていきます

 

表面の劣化が激しいからか

研いでいくと削りカスがボロボロ出てくる

 

で、

表面の劣化は激しかったものの、この部品は比較的素直にミガキが入っていって

 

最終的にはそのまま塗装しないで使えるレベルまでキレイに磨けました

 

 

一方、外したエンブレムも樹脂メッキ表面に激しくブツブツが浮いてきていて

 

このエンブレム

元のカブは50ccなのに、他のカブから移植してつけたのか70用が付いていたけど

 

エンブレムのデザイン自体は86年式のもので

しかも今回載せ替えるエンジンは75ccキット仕様なのでw

 

偶然だけどちょうどバッチリのエンブレムですOK

 

ということで大切に再利用しないとウインク

 

 

メッキ表面のブツブツは鉄メッキならボンスターで削り落とすようにミガくけど

樹脂メッキだとそうもいかないので

 

今回はクレンザーのジフを試してみました

 

これが驚きのミガキ効果で、あっという間にピッカピカキラキラ

いや、写真ではブツブツが消えてるように見えるけど

ブツブツが消えるわけではありません

 

ブツブツの一つ一つの汚れみたいなのが落ちる感じでブツブツの見え方が小さくなって目立たなくなってるような感じ

 

 

とにかくメッキ面がマシになったので気を良くして(笑)

 

外周の黒い枠が部分的にハガレているので、外周だけ塗り直しておくことに

 

 

外周の黒塗装部分を全部研ぎ落としてから

 

メッキ面への塗装なので、まずミッチャクロンを塗布

 

次にプラサフで表面を整えて

 

最後にツヤ消し黒で塗装

 

完成

外周の黒い部分が全周キレイになるだけで、少しだけ全体が締まって見える感じになりましたグッ

 

 

エンブレムも仕上げが出来たので、キレイにしたトップカバーに取り付け戻します

 

問題のプッシュナットは芯径が少しすぼまるように曲げ直してから

ボスに押し込んで

 

復帰完成

 きれいになりましたウインク

 

 

 

最後にウインカーレンズ

 

ウインカーレンズは全体にくもった感じで、透明感が無くなってます

 

 

このレベルなら他の樹脂部品のように表面を削り落とすことまでは必要なさそうだし

 

このような樹脂レンズの透明度復活こそヘッドライトコンパウンドの出番なので

いきなりコンパウンドから磨いてみると

 

右はミガキ前、

左がヘッドライトコンパウンドで磨き後

これだけでかなり透明度が復活しました

 

で、どうせなら透明度だけでなく表面のツヤも出したくなって

 

塗装用のコンパウンドで磨いた上に

さらにプラモ用の仕上げコンパウンドで磨いて

 

もう完全に新品のようなツヤっツヤに仕上げたグッ

 

 

これだけ簡単に結果が出ればミガキも楽しいけれどニヤリ

 

今回の樹脂ミガキの大半は苦行でしかなかったっすからねえ。。。もやもや

 

PP素材の外装樹脂パーツをミガキだけで外観再生するのは

ある程度予想してた通り、やっぱとてつもなく大変で時間の掛かる作業でしたタラー

 

 

 

 

さて

樹脂パーツのミガキもこれで終わって

 

樹脂パーツの外観に合わせた塗装の仕上げイメージも固まってきたので

 

いよいよ最終段階

 

次は塗装の準備に入っていきます

 

 

続きます

 

 

 

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