普段はアニメ関連の記事ばかりだけど、1年に1~2回だけ不定期でテーマに取り上げるクルマ・バイクの整備記録コーナークラッカー w

 

今回のお題は、ヤマハXSR900の足付き改善

→ ローダウンリンクの取付です

 

 

自分が今乗っているヤマハのXSR900というバイク

 

日本人の体形にはシート高が高くて足付き性がとっても良くないことは有名です

 

XSR900は同じヤマハのMT-09の派生機種ですが、そのMT-09も同じみたいで

 

私は身長172cmだけど、このバイクにまたがると短足も災いして両足を着こうとするとつま先チョンチョン(笑)

 

 

XSR900にしてもMT-09にしても大型バイクとしては軽量な200kg前後の車重だけど、さすがにつま先チョンチョンはバイクに乗り慣れてるつもりでも結構地味に気を使います

 

赤信号停止はあまり問題ないけど、変な勾配のある場所での一時停止とかノロノロ渋滞路とかね

(ヤマハさんはきっと日本人の顧客のことは微塵も考えていらっしゃらないのでしょうね。このバイクに乗ってるとシート高だけでなくあらゆる操作系が欧米人向けに思えるので)

 

 

で、そういうバイクなので

シート高を下げるためのカスタマイズパーツが市販されてます

 

それがローダウンリンク

 

 

こんな鉄板2枚で定価5,000円!ガーン

たっか!!ムカムカ

ボッタクリだよなプンプン

自分の短足を恨むしかないけど(-_-;)

 

 

このプレートをノーマルの物と交換することで車高が15mm下がります

という謳い文句の商品

 

まあ本当に15mm下がるのかは眉につば塗ったくっちゃうけどw

 

それに操安に影響がほとんどない とは言われてるものの、実際のところどうなのかは乗ってみなけりゃわかんないし

 

ま、ダメなら元に戻せばいいや とてへぺろ

 

 

で、今回この記事を書こうと思ったのは

 

この商品を購入するかどうかネットのレビューを調べていたら、交換作業にかなり苦労した人もいるようなので、これから自分で交換作業してみようと考えている人の、少しは参考になれば という動機です

 

というわけで

 

今回の記事はなるべくすべての工程を写真入りで解説していきます

 

なおこの記事ではXSR900で説明してますが、多分MT-09もほぼ同様のはずです

 

 

 

それでは作業に入ります

 

・・・とは言うものの、

こういう部品交換の場合はすぐに分解に入るのではなく、作業に取り掛かる前にノーマル状態のデータを記録しておきましょう

 

なにしろサスペンションのジオメトリーをいじる作業になるので

 

 

自分の場合は車高と車体前後方向の傾き角度を計測しておきました

 

とは言っても難しいことはやってないです

部品装着後の数値と比較するための元となる数値を計っておくだけ

 

ただし作業前と作業後の条件(計測場所)はまったく同一にしておくこと

それがずれてしまうと計測した数値は何の意味もありませんので

 

まず車高

 

またがる座面に近い場所で、かつ計測する度にズレが生じないポイントで

自分の場合は写真の位置のボルト頭を基準ポイントとしました

 

およそ743mmくらい

 

部品取り付け後に同じ場所で計測するので、誤差の生じないポイントであればどこでも良いです

ただしシート高を下げるためのカスタマイズなのでシートからあまり離れた場所だと効果がわかりづらいでしょう

 

 

次に車体前後方向の傾きを計測しました

 

なぜこの計測が必要なのかというと、今回のローダウンリンクはリアサス側の車高だけを下げるので、そのままでは後ろ下がりになってしまうためです

 

ノーマル状態の傾き角を計測しておけば、ローダウンリンクに換装したことでどれくらい後ろ下がりになったのかが把握出来ます

 

 

ということで、ビフォーアフターで比較出来れば良いだけなので、簡単にタンクの上にスマホを置いてアプリの水平器で

 

数値的には1.8°(yの数値)でした

 

この数値そのものには意味はありません

部品装着後の数値と比較するためだけなので

 

取付作業が終わったらこちらもまったく同一条件で測定できればOKです

 

 

 

さて前準備が長くなりましたが、いよいよ分解作業に入っていきます

 

まず、安全に作業するためには車体を立てておくスタンドが必要ですが

 

リアメンテナンススタンドは今回の作業では使えません

こういうやつ

肝心のリンクプレートを脱着するときにリアサスの荷重を抜く必要があるためです

 

ガッシリしたフレームスタンドを使ってベルトでリアを吊り上げるのが一番良いのでしょうが

自分はこれは持ってないので

 

フロントホイールクランプで車体を固定して作業を進めました

前輪をくわえてる青いやつ

 

・・・

「バイクのサイドスタンドで作業出来るっしょ」 って言われれば

まあ、リアの荷重を抜く工程のときにバイクを倒さない自信があればそれでもいいんだけど

 

万一バイクが倒れてきて圧死するのはイヤだし(笑)

 

なにより真っ直ぐバイクを立てておかないと肝心の車高変化の測定が出来ないので

自分の場合は今回はフロントホイールクランプを使いました

 

ちなみに説明が前後してますが、上の車高測定のときにはすでにこの状態でバイクを真っ直ぐに立てて測定してます

 

 

 

さて、それでは分解作業に入ります

 

ローダウンリンクと交換するリアサスのリンク部分を外すには、安全確実に作業するためにはマフラーを外す必要があるので、まずはマフラーを外していきます

 

 

まず始めにマフラーのO2センサーのカプラー結合を外します

 

この位置のO2センサーカプラーを外すのですが

ステーで固定されていて、ロックを外してもステーからカプラーを上側に引き抜くクリアランスが無さそうで

 

面倒なので

ステーを止めてるクラッチケースカバーのボルト2本を外してステーごと外してから、カプラーを外しました

 

 

自分は作業中に下手に壊したくないのでマフラー本体からO2センサー自体も外しましたが

 

O2センサーを外さなくてもマフラーを外すことは可能です

 

 

次にマフラーの、まずエキパイ側のフランジ固定12MMナット 2個×3気筒分 6箇所を外します

このバイクは前側からエキパイ部のナットは丸見えなので簡単に外せます

 

ナットを外してフランジをすべてスタッドボルトから外したら

 

 

マフラー本体のマウントボルト2本を外します

 

これは右側

自分の場合はバックステップのステーが邪魔になって、写真のようにユニバーサルレンチでなければ工具が入りませんでした

ノーマルステップだったらそのままTレンチで横から工具が入るのかな??

 

これは左側

こんな位置にあります

 

 

マフラー本体のマウントボルト2本を外すと、マフラーASSYを外すことが出来ます

 

 

マフラーが外れると真下からリアサスのリンク部分が丸見えになります

 

この写真は真下からカメラを上に向けて撮ってます

 

 

まずはリンクの14MMナット 2個を外します

 

この状態でリンクプレートが簡単に外れそうに見えますが

 

・・・このままでは外れません

 

リアサスに荷重が掛かってるからです

 

もちろん無理矢理ハンマーで叩けば外すことは出来たとしても

今度は二度と嵌らなくなるし

 

なによりプレートのボルトが外れた途端にリアの支えが無くなるので、

バイクのリアが落っこちてきて200kgの重さに押しつぶされることでしょう((チーン))

 

 

ということで、このプレートを外すためにリアサスに掛かってる荷重をゼロにする必要があります

 

「ゼロに」 というのは、単に後輪を浮かすことではありません

後輪が浮いている状態は後輪とスイングアーム その他の自重がリアサスに掛かってる状態だからです

 

なのでジャッキでリアを持ち上げながら微調整して、荷重がゼロになるようにします

 

 

ジャッキはオイルパン位置にかけると前後バランスの関係でリアが上がる前にフロントが浮いてしまうので、写真のようにミッションケースの後ろ辺りの位置を持ち上げます

 

 

車体を立てておくのにフロントホイールクランプを使ったのは、このジャッキアップでもバイクが安定して立ってるようにするためでもあります

 

 

そしてジャッキの微調整でピンポイントでリアサスの荷重がゼロになるポイントが探れれば

 

リンクプレートとボルトは難なく手でスルスルと外すことが出来ます

 

 

 

これでようやくノーマルのリンクプレートが外れました

 

ボルトは再使用します

 

 

外したノーマルとローダウンリンクを比べてみると

 

長さはローダウンが5mmほど短いようです

 

 

あとはこのローダウンリンクを取り付けるだけです

 

ただし、リンクの長さがノーマルより短いので、ボルトが指で簡単に挿入できるポイントを再びジャッキで微調整して、プレート2枚(左右両側)とボルトを取り付けます

 

 

このリアサス荷重抜きをきちんとやらないで無理矢理ナットを締めた場合、ナットをきちんと締めたつもりでも最悪の場合後々にトルクダウンする可能性があるので、取り付けの時にボルトが指で簡単に差し込める状態にジャッキで調整する作業はとても重要です

 

 

リンクを取り付けたら、外したマフラーを元に戻せばローダウンリンク周りの作業は完了です

 

・・・が、まだすべての作業が終わったわけではありません

 

この状態ではリアだけが下がった状態になっていて、例えばフロントキャスターがノーマルよりも若干寝た状態になってるからです

 

 

そこで車体前後方向の傾斜角を作業前と同じ条件で測定してみると

 

ローダウン前は1.8°に対して3.1°

1.3°ほど後ろ下がり=前上がり になりました

 

そこでフロントフォークの調整です

 

XSR900(MT-09も) は、トップブリッジからのフロントフォークの突き出し量を変えることが出来ます

 

と言っても

一定以上突き出させると倒立フォークのケースのトップブリッジ部分が一段細い部分にかかってしまうので(写真)

 

限界まで突き出して15mmでした

 

 

何mm突き出すにしても、左右は必ず同寸法になるように調整します

 

 

この状態

つまりフロントフォークを構造上の限界まで突き出して

= フロントヘッド高さを下げて

先ほどと同様に前後傾斜角を測定してみると

 

2.4°でした

 

フロントフォーク調整前よりは0.7°戻ったとはいえ、ノーマルのときの1.8°までには戻らず

 

うーんもやもや

これ以上フロントフォークを突き出させることは出来ないので諦めるしかない(~_~;)

 

 

で、肝心の車高のほうは?

 

 

あらら?

最初の測定時の写真と並べてみると

 

左がビフォー、 右がアフター

 

10mmしか下がってないねショボーンもやもや

 

メーカーの「15mmダウン」という謳い文句はどこで測定しての数値だろうか??

 

でもまたがってみると

おっ、確かに足付きは良くはなってる

 

10mmダウンでも違うものですねびっくり

 

(外観的には何も変わってないけど  笑)

 

 

早速試しに走ってみたら

 

うん、普通の交差点であれば片足のかかとまで着くようになった

 

さすがに両足かかとまでベッタリとは自分の短足では届かないけど 草

 

今までよりも取り回しに気を使わなくて済むようになりました

 

 

レビューでよく言われてる「リアサスが柔らかくなる」というのも

 

確かに柔らかくなったけど、ノーマルのXSRが自分にはプリロード最弱でも固く感じてたので

 

逆に自分にはちょうどいい感じ…かな?

(ノーマルがすでに柔らかいMT-09ではどうなんでしょうね?)

 

 

リアが下がった分を完全には補正出来ていないのだけど

走ってみた感じでは影響は感じられない

 

まあ、0コンマの微妙なアライメント変化を感じ取れるほどの腕前が自分には無いからだというのもあるでしょうてへぺろ

 

 

あとは車高が下がった分理屈ではバンク角が浅くなってるはずだけど

そこはまあレースするわけじゃないから気にしない w

 

 

 

ということで、一応足付き性の改善は少しは出来たみたいで

 

これ以上良くしようとするとシートのアンコ抜きになるけど

 

とりあえずはこの状態でしばらく使ってみますチョキ

 

 

 

 

すっかり春めいてきて桜

いよいよバイクシーズン到来ですからね

早くツーリングに行きたいぞニコニコ

 

 

 

【追記】

この記事ではローダウンのみ行ってサイドスタンドはノーマルのままで、以降しばらく走っていましたが、やはりサイドスタンドがノーマルの長さのままだと駐車場所の地面の状態によっては車体が右側に倒れてしまいそうな危険なシチュエーションが度々あったことから、思い切ってサイドスタンドを短く加工するDIYをしてみました。

その記事をアップしましたので、ご興味があれば以下のリンクの記事もご覧ください。