今日3/4(日)は、立川シネマシティで行われている片渕監督特集の第2週目、
「マイマイ新子と千年の魔法」の上映後に監督の舞台挨拶
その上映が15:25からなので、せっかくだからマイマイが始まる前に何か観ておこうと
シネマシティの上映スケジュールを見てみると、11:20~13:20の時間で先週から公開されている「さよならの朝に約束の花をかざろう」があったので、じゃあそれを入れておいて♪
それらの予約をいれておいたら、木曜日のYahoo!ニュースにこんな記事が
→片渕須直が“兄弟“「ぼくの名前はズッキーニ」監督を語る、高畑勲の話題も
片渕監督のコメントを引用すると
「作品としての高まりをここまで持っている長編の人形アニメーションを、ほかではほとんど観たことがない」と称賛を続ける片渕は、「心が震えるような感情を抱いた。自分にまだそんなものが残っていることに気が付かせてもらえた」と語る。最後に片渕は「もっとたくさんの方にこの映画の存在に気付いてほしい。この作品がたくさんの方に評価されたら、もっと多彩な作品に出会う機会が生まれるはず。この先にあるさまざまな作品に触れるための道ができたらと願っています」
(映画ナタリー記事より一部引用)
これは観ておいた方が良いな、ということで上映館を探すと
2/28にトークイベントの行われた新宿ピカデリーで8:20からの回があって
・・・ということは、新宿でズッキーニを観てから立川に移動して、シネマシティのシティ2でさよ朝、その後シティ1に移動してマイマイと舞台挨拶 のハシゴが可能だな
という、またまた詰め込みスケジュールになるけどピカデリーでズッキーニの予約も入れて
すると、こうなりました(汗)
映画館のハシゴ自体は楽しんでやっていることなので問題無しなんだけど
なにせ新宿で8:20始まりの映画を観るというのがツライ
夜明け前に自宅を出発するというのが![]()
そういうわけで、本日1本目は
「ぼくの名前はズッキーニ」
新宿ピカデリーで一番大きなスクリーン1です
ここのスクリーン、以前は「デカっ!」って思っていたんだけど、
幕張新都心とかシアタス調布などのイオンシネマのULTIRAスクリーンを見た後では
「あれ?それほどバカでかいわけでもないな」 という(汗)
もちろん大きければ良いということを言うつもりは全く無くて
色々な劇場を体験してみることが大事だなって思いました
で、「ズッキーニ」
うーん、考えさせられるテーマでした
自分の場合は涙を流すとかではなく、ずーっと考え込んでいた感じ
公式ページのイントロ&ストーリーのページ
http://boku-zucchini.jp/intro_story.html
身寄りの無くなった少年イカールが孤児院へ送られ、同じように様々な境遇で孤児院で暮している同世代の少年少女の心の傷、そういう子供たちが心を通わせていく過程
そして、人は誰かに愛されていたい という普遍的テーマ
少年の本名はイカールだけど、母親から呼ばれていた「ズッキーニ」が自分の名前だと主張して、皆からはズッキーニと呼ばせている
この母親、映画の冒頭のほうだけで少しだけ出てくるけど、決してイカールのことを可愛がって育てていたようには見えない
むしろその逆で、虐待が常態化していたのではないかと思える描写もある
それなのにイカールは「ママが呼んでいたズッキーニという名前でぼくのことを呼んで」と言う
小さな子供の心の傷とポッカリと開いてしまった穴の大きさ
それは紛れもなくその子供にとっての母親の存在の大きさそのもの
だから題名 「ぼくの名前はズッキーニ」なのかな?と...
ラストは少しだけほっとする終わり方をするけれど
現実世界でこのような境遇の子供たちが多くいることを考えてしまうと、
決して明るい笑顔で映画館を後にすることは出来ない、重たいテーマ
エンディング曲の歌がフランス語?(多分)なのがまた物悲しさを誘うというか
そういう後味を抱えたまま中央線に乗って、新宿から立川に向かいました
本日の2本目は、先週2/24から公開されている
「さよならの朝に約束の花をかざろう」
長いので略して「さよ朝」 (笑
シネマシティのシティ2のほう、dスタジオです
このスクリーンはaスタジオと同じ超高級スクリーンに交換されたもの
さて「さよ朝」
正直言って自分的にはまったく期待していませんでした
予告編はバンバン流れていて、絵はとってもきれいだなあ とは思っていたけど、
歳をとらない一族の少女が普通の人間の男を愛してしまって、結局愛した彼氏は年をとって死んでいく みたいなストーリーか? なんて勝手に(悪い方に)想像していたので
監督の名前も知らないし
ところがこの作品、観てみたら全然そんな安い話しなんかではなくて
これは凄い!!
心震わせる名作だよ、これ![]()
ああ…落ち着いて
まずは予告編のご紹介から
この予告編が映画館でずっと流れていたので、上に書いたような誤解をしていたんです
これ、予告編がイカンだろう (って他責にしちゃったり 汗)
次にあげる予告編の方がこの物語のテーマをきちんと表現してくれてます
こちらの予告編だったら変な誤解しなかったのに
ちょっと見ていただければ理解いただけるかと
ああ、ダメだ
この予告編見てるだけで涙が止まらなくなる...・°・(ノД`)・°・
公式ページのストーリーから一部引用すると
人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。
10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。
両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。
そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。
マキアはなんとか逃げ出したが、仲間も帰る場所も失ってしまう……。
虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。
少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。
簡単にまとめると
主人公の少女マキアは10代半ばの外見のまま成長が止まって数百年生きる
そのマキアがふとしたことから両親が死んでしまった人間の赤ん坊を助け出し、その赤ん坊の母親の代わりとなってエリアルという名を付け育てて成長を見守っていくことになる
エリアルはやがて少年から立派な青年に成長していくが、エリアルよりも若い姿のままの母親マキア・・・という流れ
母の子に対する愛とは
子にとっての母とは
そして出会いと別れ
そういう普遍的なテーマを、「こういう見せ方で来たか」という
途中、出産シーンもあって、そこで本当の母と子の絆の深さを対比させたり
それでも、生みの親でなくとも子に注ぐ愛情の深さは変わらないマキアを見せられて
自分の場合はズッキーニで悪い母親物語を観てきたあとだったので余計に
ズッキーニで心が萎えていたところをさよ朝は見事に修復してくれて
そして余りあるほどの、震えるほどの感動をもたらしてくれました
この映画のラストでマキアがそれまでのエリアルとの生活を回想するシーンがあって、
ここでは映画館の5.1chサラウンドの機能をフル活用で
フロント左右、リア左右それぞれからひとつひとつ声が聞こえてくるという音響演出
これはだから映画館でなければ体感出来ません
そしてこのラストシーン
ここで貴方は嗚咽を漏らさずに耐え抜くことが出来ますか?と問いたい(笑)
涙がとめどなく溢れるのは当たり前として
このラストシーンで嗚咽を漏らさずに観ていられるか?
それほど心を震わせるラストです
物語の展開、ビジュアル、音響演出、
そのすべてが心の奥底に情け容赦なく切り込んでくる感じ
見事な演出のラストシーンだと思いました
ビジュアルで言えば、これはアニメだからこそ表現できる抜群の美しさですね
近年のアニメ映画の中でも群を抜く美しさです
制作の年代的にいえば、絵の美しさが評判になった「君の名は。」は当然見たうえで、それを意識したかどうかはわからないけれど
もうこのような作品を見せつけられると、日本映画の主流は完全にアニメ映画だなと感じてしまう、、、
絵で描いているからこそ、ここまで心の奥底にストレートにメッセージが突き抜けてくる
だからこれは実写映画では、ここまでの感動は得られないだろうなと私は感じてしまいます
それほどにインパクトのある作品でした
これはまた観に行こう
さて、本日のメインイベントの片渕監督トークショー付き「マイマイ新子と千年の魔法」上映
監督のお話しをまとめるのに少し時間がかかりますので、こちらの様子はまた後日にアップしたいと思います。






