奪われたものを取り戻すために走る | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『ボストン1947』

(2023年 韓国)



※内容に触れているので

未見の方は要注意⚠️⚠️⚠️




STORY
1936年、ベルリンオリンピックのマラソン競技において、日本は世界新記録を樹立、金メダルと銅メダルを獲得し、国民は歓喜に沸いた。しかし、その2個のメダルには秘められた想いがあった。日本代表としてメダルを獲得したソン・ギジョンとナム・スンニョンが、日本名の孫基禎と南昇竜として表彰式に立ったのだ。第2次世界大戦の終結と共に、彼らの祖国は日本から解放されたが、メダルの記録は日本のままだった。1947年、ボストンマラソン。その二人がチームを組み、才能あふれる若きマラソン選手を歴史あるボストンマラソンに出場させる。<祖国の記録>を取り戻すために—。
(公式サイトより転載)


実話ベースの物語。

戦争が終わり

ようやく日本の統治から解放されたのに

今度はソ連と対立する

米国に統治されてしまった韓国。

独立国になったはずなのに…


日本代表選手として

ベルリン五輪に出場したギジョン。

マラソンで金メダルを獲得したが

日章旗が掲げられた表彰台に登ると

君が代が流れる中

日本語表記の名前で読み上げられた。


それに対して

壇上で抵抗を示したギジョンに

後日、日本政府は制裁を加えた。

それはランナーである彼を

抹殺する行為だった。


金メダルの記録は大日本帝国の名誉であり

個人、ましてや

朝鮮人の名誉などであるわけがないと

思い知らせるための制裁だったのだろう。


記録も誇りも根こそぎ奪われた

ギジョンにとっての忌まわしい記憶。



戦争が終わっても

ギジョンの金メダルは

日本の記録となっており

変更を訴え出ても

協会は規則だから変えられないの一点張り。


「人」あっての規則ではなく

規則が全てということなのだ。



生きるために「金」は不可欠。

それは確かにそうだけど

その前に

「人」としての尊厳が

護られていることが前提のはず。

「人」あっての「金」ではなかったのか?


本来「金」は目的を達成するための

手段だったはずなのだが

往々にして

手段と目的とが逆転してしまう。


否、逆転どころか

全てが「金」で計られてしまう。

「人」が「金」に支配されるということだ。



戦時中

同じように辛酸を舐めたはずの

同胞同志でも

「金」によって作られた立場で

分断が起きてしまうのは

あまりにも悲しい。


しかし

米軍政府が

韓国のボストンマラソン出場を拒んだ時

一般大衆は怒りを露わにし

祖国の名誉回復のためにと

貧しい暮らしの中から

惜しまずに「金」を出した。

飛行機の経由地

ハワイ在住の朝鮮人たちも同じだった。


国内外に暮らす朝鮮人たちの願いはひとつ。

それが彼らに託されたのだ。



ボストンマラソンも最初

韓国代表としての出場が認められず

独立国であるにも関わらず

難民国扱いだった。

だからユニフォームには星条旗が。


またしても

朝鮮人の存在が認められないのか。

憤った彼らの必死の抗議を

今度は主催者側が受け入れた。


それには

アメリカを代表するマラソンランナー

ジョン・ケリーを始めとする陸上関係者が

彼らの味方になってくれたことも大きい。


彼らの名誉回復を願っていたのは

なにも朝鮮人だけではなかった。


真摯に競技に打ち込んできた

同じランナーだからこそ

等しく競い合いたいという気持ちが

働いたのだと思う。



ユンボクは

貧しくてろくに食べるものがなく

病気で寝たきりの母親と二人暮らしだった。

子どもの頃から

山頂にある祠から盗んだお供物を

母親と分け合っていた。


彼の潜在能力もあっただろうが

まさかその経験がマラソンに役立つとは

彼自身も思わなかっただろう。




「金」のため…

祖国の名誉回復のため…

同胞たちの願い…

走り始めたばかりの頃は

それが彼の原動力だった。


だけど

レース終盤の直線コース。

1VS1

最後のデットヒート。


その時のユンボクに

何かを背負っているような気概は

感じなかった。

正に鳥が羽ばたくが如く。

ただ走るためだけに

そこに居るように見えた。

(あー、上手く言えなくてもどかしい!)


そんな彼の姿に感動してしまって

涙が止まらなかった。

もちろん勝ったことも嬉しかったが

全てを超えたありのままの彼を

そこに見た気がして心が震えた。


ベテラン俳優たちの

安定した演技も良かったが

ユンボク役のイム・シワンの演技が

瑞々しく素晴らしかった。


ラストのボストンマラソンの競技シーンには

純粋に心が熱くなったおねがい



ベルリン五輪でのマラソン金メダルは

いまも日本の公式記録として残さている。

これもまた日本の負の歴史。


変更できないのが規則だとはいえ

恥ずかしくて申し訳ない気持ちになる。


🏃‍♂️🏃‍♀️🏃🏼‪   🏃‍♂️🏃‍♀️🏃🏼‪   🏃‍♂️🏃‍♀️🏃🏼‪   🏃‍♂️🏃‍♀️🏃🏼‪


本当は昨日は

『ソウルの春』を観るつもりだったのに

事前に行った次男の定期通院の付き添いが

長引いてしまい

(二週続けて月曜日が休日だったからかな?)

上映時間に間に合わなかった悲しい


時間がちょうど合うのが

この作品だけだったので

事前情報とか無しに鑑賞。


ポスターとタイトルから

昔のボストンマラソンの話だとは

分かっていたけど

また一つ知らなかった史実を

知ることができて良かった。


 孫基禎さんについて書かれた明治大学のサイト


今日から10月。

明日から次男が2泊3日の修学旅行で

北海道に行く。

友だち一人もいないけど。

でも先生とはコミュニケーションが

取れているらしい(本人曰く)


だけど

掛かってきた電話には出られないし

自分からも掛けられない。

万が一の連絡は

SMSでやり取りするらしい。

念の為

わたしと次男のスマホにGPSアプリ入れて

居場所確認することにした。


社会不安障害で薬を飲み始めてから

安定した状態がだいぶ続いていて

「修学旅行にも参加してみよう」

という気になったみたい。


一年前だったら

直前で「やっぱ無理魂」って

キャンセルになってたと思う。

ま、当日キャンセルという最悪の事態も

まだまだ覚悟してるけどね。


「不安を持ってても大丈夫」って思える経験を

いま正に積み重ねてる最中。


わたしもなるべく

心配し過ぎないようにしてはいるけど

否、それにしても

今回の経験はちとデカいって指差し

北海道って本州じゃないんだからね。


中2から一人で東京行ってた長男とは違って

市外にも一人で出たことない次男が

いきなり北海道って。


とにかく

これまで自分から

何かをしたいとか言ったことない次男が

初めて行きたいって言ったんだから

母は君の希望を全力で応援したい。

フレー、フレー、次男‼️


もし迎えに来て欲しいって呼ばれたとしても

ま、それはまたそれとして🦀🍦🍜

まだ秋服準備してないけど

ま、いっかーみたいな笑


冗談はさておき

最初で最後の修学旅行だから

きっと思い出に残るんだろうなー


🍁🍂🍠🌰   🍁🍂🍠🌰   🍁🍂🍠🌰


長ーい投稿になってしまいましたが

最後までお読みくださったみなさん

ありがとうございましたおねがい


朝晩めっきり涼しくなったと思ったら

今年も残り正味三ヶ月びっくり


日々、気圧と女性ホルモンに

翻弄されてばかりのわたしの自律神経

おつかれさま愛


みなさまも

どうか体調にはお気つけくださいね流れ星