これを愛と呼ばずして何と呼ぶか。 | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

大好きな映画の感想をメインに、読書感想や日常の出来事などなど…のんびりゆるゆる綴った日記です

『ソウルメイト

七月と安生』

(2016年 中国・香港)


STORY
ある日、安生(アンシェン)の元に映画会社から連絡が届く。彼らは、人気ネット小説『七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』を映像化したいのだという。作者は七月(チーユエ)という名の女性だが、所在は不明。物語は幼馴染の女性2人の友情を描いたもので、作者の自伝的な要素が強いという話だった。そこで彼らは、もう一人の主人公のモデルを探し、アンシェンに連絡をしてきたというわけだ。だがアンシェンは「チーユエなんて人は知らない」と彼らに嘘をつく。チーユエ・・・彼女はアンシェンにとって特別な存在だった。何よりも大切な親友、そして誰よりも激しくぶつかりあった戦友、互いに魂の奥深いところでつながっていたはずの2人。それなのに、彼女たちの間に一体何があったのか?恋を知り世界を知り、移ろいゆく時代の中で、彼女たちは何を選び取り、何を捨てたのか?小説に描かれた2人の物語に秘められた驚きの真実が、今明かされようとしていた。
(公式サイトより転載)


ずっと観たかった作品が

アマプラに入ってた。

久々の中国映画。


本作のレビュー

女性の友情物語と

書かれているものがほとんど。

私は愛情物語だと思ったけどな。



保守的な七月と奔放な安生は

一見正反対なように見えるけど

本質的な部分はとてもよく似ている。


性格の分かれ目は

家庭環境の影響も大きい。


その人が本当は何を求めているかなんて

見た目では分からない。



大好きで大嫌いで

羨ましくて妬ましい

拒絶しても求め合う

これを愛と呼ばずして何と呼ぶか。


二人の複雑な心が繊細に描かれていた。



人生のパートナーというと

恋愛関係とか婚姻関係とかが

やっぱり一般的なんだろうけど

簡単に名前がつけられないような関係も

私はあると思うけどな。


恋愛やセックスを介さずとも

お互いを尊重し合える人と

人生を共にしたいと思うのは

私が53歳だからなのかも知れないけど。



七月が母親から言われた

「女は行くところなんてない。

家から家へ移るだけ」って言葉

あれは呪いの言葉だよな。


女は男の家に嫁ぎ

子を産み母になる。

家は繋がりの安定・強固を意味するが

反面、それは「軛」という意味も持つ。


奔放な生き方も選べるはずなのに

繰り返しそういう言葉を聞かされれば

自分には選ぶ道など無いと

はなから諦めてしまうだろう。


安生は

心では安らげる場所を求めていながら

それとは反対の行動をしていた。

男に翻弄され生き場所を転々と。

彼女の笑顔が時折泣き顔に見えた…



ミステリーっぽい要素があるんで

詳しくは書かないけど

よくある男女の三角関係とは

一線を画すような

魂の救済、再生に心震えた。


素晴らしい物語と美しい映像。

本当に佳い映画だった。



チョウ・ドンユィが魅力的で

目が離せなかった。


マー・スーチュンもそうだけど

七月と安生という女性二人の

実在感が半端ない。



安生をキム・ダミが演じる

韓国リメイク版もあるらしいから

いつかそれも観れるといいなぁ。


フェミニズム的な側面が強いので

女性には特に特に

猛烈におすすめしたいな飛び出すハート