鮭とイクラと明太子の他人丼 | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『いつも月夜に米の飯』

(2018 日本)



母親より女が勝ってしまう人。

子どもを産めばもう

寂しくないと思ってたのに

やっぱり男に縋ってしまう。

だからといって

子どもを愛してないわけではないが

自分の中の女は止められない…


幼い頃からそんな母・麗子を

見て育った千代里は

麗子を憎み

故郷の新潟を離れ

東京で一人暮らしながら高校へ通っていた。


ある日、千代里の元に連絡が入った。

麗子が失踪したという。


新潟に駆けつけてみると

麗子が経営する居酒屋は

料理人のアサダが一人で切り盛りしていた。



麗子も新潟も嫌いな千代里だったが

アサダや常連客から可愛がられ

少しづつ店を手伝うようになっていった。


(このままアサダと二人きりで

この店をやっていくのもいいな)


そう思い始めたのも束の間

突然母が男と別れて帰ってきた。


アサダはそんな身勝手な母の帰りを

手放しで喜んでいた。


何事もなかったように

店に立つ二人を見て

敗北感と嫉妬に駆られる千代里。


久方ぶりの母娘の再開は

女同士の愛憎劇へと変わっていくのだった…



幸せが身近になると

居心地が悪くなってしまう麗子。

だからわざと幸せを遠ざける。

今までそうしてやってきた。

だけどアサダは待っていた。


アサダはアサダで

自分のためより相手のためという人。



「毎日同じもの食べて同じ空気吸って

私達の身体はもう同じもので

出来ているんだよね」

そう言った千代里にアサダは

「家族も同然だな」と答えた。

家族かぁ…千代里かわいそう。


千代里の想いに

気づいていなかったはずはない。

真っ直ぐな想いにアサダの心が

全く揺らがなかったとは思えない。

だけど千代里は麗子の娘


男気やお人好しだけでなく

アサダもまた

幸せが居心地悪い人に見えた。

もしかすると麗子が戻ってきて

ホッとした部分もあったんじゃない?


自分にはちょっと不幸なくらいが

ちょうどいい。

麗子ぐらいがちょうどいいと

自分でも気づかないところで

思っていたのかも。


アサダの口から度々出る

「家族」という言葉も気になった。

アサダ自身「家族」に

恵まれなかった人なのかも知れない。



まぁ、千代里みたいな若い娘が

ちょっと影のある無口な中年男に

惚れてしまうのは分からんでもない。

なにせ和田聰宏だしね(笑)


お洒落でもなんでもない

ああいう風情の居酒屋で

アサダが作る料理をツマミに

新潟の地酒を呑みながら

どうでもいいつまんない話を

静かに笑って聴いてもらいたいよ

私も(笑)


前半結構面白かったのに途中から

あれれ?どこ行っちゃうの?

って思ったけど、回り回って最後は

上手く落ち着いたねって感じなので

特段おススメする作品でもないから

和田聰宏いいよね

ってただ言いたいだけだったりして(笑)



あ、でも千代里を演じた

山田愛奈もなかなかいい感じでしたよ。