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電通が2015年に発表した「2014年日本の広告費」によれば、同年の日本の総広告費は6兆1,522億円となっている。

消費税率の引き上げなどの影響を受けながらも緩やかに成長を続け、通期では3期連続で昨年実績を上回るとともに、6年ぶりの6兆円越えの市場規模となった。

近年の傾向としては、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの媒体が超低落傾向にあるといえる。

テレビは2007年に2兆円の大台を割り込んで以降、直近では回復傾向にはあるもののいまだ停滞感は否めない。

新聞や雑誌は総広告費の構成比を年々落としており、特に新聞は06年に1兆円を割り込むと、ついに09年にはインターネットに抜かれてしまった。

13年の新聞広告費は6170億円で、00年(1兆2474億円)の半分にも満たなくなっている。

その中でも成長著しいのはやはりインターネットなどのモバイル広告である。
04年にはラジオ、06年には雑誌を抜いて以降ますます拡大を続け、2013年には全体の15.7%を占め、テレビに次ぐメディアとなっている。



現在の広告業界では、電通、博報堂、アサツーディーケイ(ADK)の上位3社が総広告費のおよそ50%を占めるという寡占状態にある。

こうした寡占状態が生まれる原因として、公正取引委員会は「広告業界の取引調査に関する調査報告書」において下記の3点を指摘している。

①有力広告会社がCM枠の大部分を確保するため、他の広告会社の参入を阻害してしまう。
②既存の広告主が優先される。
③テレビ局による情報開示が少ないため、中小規模の広告会社は取引の情報に接する機会が少ない。

寡占化に拍車をかけている要因として、最近これまで複数の広告会社を利用していた広告主が広告会社を1社に集中させるという流れも強まっている。


また、日本における広告業界最大の特徴は、マルチクライアント制度である。

日本では、ひとつの広告会社がある特定の業種の複数のクライアントを抱えるという形が一般的だ。

例えば、電通がトヨタやホンダや日産の広告活動を同時に担うのだ。

一方で、欧米では企業秘密の保持の観点から1業種1社制度が原則となっている。

実際に広告活動を行う企業をアドバータイジング・エージェント、媒体サイドにたって広告枠の販売を行うのをメディア・レイアップとして明確に区別しているのである。

日本はまさにこのメディア・レイアップが広告会社の起源であるため、マルチクライアント制度が採用されているのである。

『メディアとジャーナリズム』山本泰夫  参照