アメリカ人の子供が一般的にそうなのか、これはヒューストン特有、あるいは南部特有なのか、ちょっと分からないのですが、私はヒューストンに来て初めて教えた9歳の女の子に初めて抱きつかれた時は正直非常にびっくりしてひっくり返りそうになりました。私は3歳の頃から日本人の先生にピアノのレッスンを教えてもらってここまで来ましたが、どんなに小さな時でも先生に抱きつこうと思ったことはありません。先生のことはとても好きだったけれど、「先生」と言うのはお母さんとは違う、と言うことをとても強く意識していましたから親に教えられていつもお辞儀をして挨拶をしていたと思います。抱きついたことは絶対無いと思います。

その私に飛びつくようにして抱きついてくれた9歳の女の子は2年教えたあと、お父さんのお仕事の関係で引っ越して行ってしまいましたが、今年から教えている7歳の女の子は抱きついてくれるだけでは在りません。レッスンが行われている教室にある黒板にいつも一番最初に走っていって、落書きをします。その落書きはいつも「I Love You, Makiko」、「I Love Your Music, Makiko」と、お花やハートや色々なサインと一緒に黒板いっぱい書いてくれて、それからレッスンが始まります。こんなに褒められると私はもう嬉しくて嬉しくて、その落書きはそのままレッスンが終わった後もいつまでも残しておきたい気持ちです。

「Love」と言う言葉の安売り、と言うのを云々と哲学的に協議して十代の頃はもうずっと昔。いつでも、毎日でも、言ってくれたらとっても嬉しい!毎週のレッスンが楽しみです。