おはようございます。
コミュニケーション・ドクター 須海 二郎(すかい じろう)です。

昨日は『結果で伝えるコミュニケーション』をお届けしましたが、本日のテーマは『人に厳しいコミュニケーション』です。

これも私が関連会社に出向していた時の話なのですが、とにかく「人に厳しい」印象を与える同僚が出向先の部署にいました。その人は営業で、当時私はその彼から依頼を受けて制作を進める、Webディレクターのような立ち位置でした。こういう人にはえてしてありがちですが、クライアントに対する対応はとても良く、評判も悪くなかったと思います。

 

一方で私を含むWebディレクターや企画を担当するスタッフの印象は、正直あまり良くありませんでした。毎回提案に向けてものすごく高いハードルを設定するため、それに付いていくのに大変な労力を要するからです。

 

他社との競合コンペなど、肝となる提案タイミングに力を入れるのはもちろん理解できます。ですがこの人は毎回全力以上のものを要求してくるので、しまいにはこの人からの仕事の依頼は受けたくないと、ほとんどのスタッフから距離を置かれるようになってしまいました。

ある日、この「人に厳しい同僚」の振る舞いがあまりにも目に余る状況だったため、別の部署にいた先輩に半ば愚痴のような形で話を聞いてもらっていたところ、意外なエピソードを聞くことができました。

 

「アイツは確かに人に厳しい。でも、その分努力しているところもあるんだ。以前クライアントへの提案の時に、自分がそんなに詳しくない領域の内容を出さざるを得ない状況になった。俺に対応を依頼してきたが、その時は時間もなかったので対応できないと断った。そうしたらアイツは、分からないなりに自分の力だけで一生懸命調べて、時間のない中何とか形にして提案できるところまで持っていったんだよ」

この話を聞いてから、私のその人を見る目が変わりました。ただ人に厳しいだけではなく、自分にも厳しい人だったんだ、と。人と接する時のトーンや「圧」が強かったため、相手に厳しい印象を与えてしまっていた面は否めないですが、純粋に提案のクオリティを上げようという気持ちで取り組んでいたことは、別で受け取らなければいけなかったと今は思います。

 

本日のコミュニケーション処方箋:「厳しい人」と接する時は、その「厳しさの先にあるもの」を探してみよう(ただし厳しさが行き過ぎていると感じたら、周りの人に助けを求める)



今日はこのへんで失礼いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。