おはようございます。
コミュニケーション・ドクター 須海 二郎(すかい じろう)です。

昨日は『言われたことだけをやらない新人』をお届けしましたが、本日のテーマは『意図的に怒るコミュニケーション』です。

皆さんの周りに「威圧的な人」はいますでしょうか?以前私の先輩でそういう人がいたのですが、見た目も強面、ダブルのスーツを好んで着用していて体格も良く、怖そう、話しかけづらいな、と思わせる雰囲気を醸し出していました。

ですが実際に話してみるととても気さくな良い人で、私が転職した直後にジョインすることになったプロジェクトで一緒に仕事させてもらっていた時も、要領を得ていなかった私に会社のことやプロジェクトの今まで進んできた経緯、部署で求められる仕事内容まで丁寧に教えてくれました。

見た目は怖そうだけど中身は良い人なんだと、一度は自分の認識を改めたのですが、ある日そのプロジェクトの打合せをしていた時に事件が起こりました。先輩と私が所属していた部署がいわゆる「スタッフ部門」で、担当していたプロジェクトのクライアント窓口の役割を担う「営業」と打合せをしていたのですが、営業の発した言葉に腹を立てた先輩が、打合せ中に突然激高しだしたのです。

その打合せには社内の人だけではなく、プロジェクトを一緒に推進していた協力会社の人たちも参加していたのですが、そんなことはお構いなしに、恫喝と言っても差し支えないほどの剣幕でまくしたて、ホワイトボードをバンバン手で叩いていました。

先輩の怒りは、営業が泣きながら謝罪するまで収まりませんでした。

この直後には、先輩は感情に任せて怒りをぶつけたのだと思ったのですが、今振り返ってみると、「あれは意図的だったのではないか」という別の考えが出てきました。自分の思う通りにプロジェクトを推進したかった先輩が、意図通りにならなそうだと感じ、わざと激高したふりをして自分の考えを押し通そうとしたのではないか、と。

先輩なりに仕事への情熱が行き過ぎた顛末だったのかもしれませんが、もちろんパワハラに対する世間の目が厳しくなってきている今であれば、しかるべきところに報告が上がったら一発で懲戒ものの出来事だったのは間違いありません。

当たり前の話ですが、職場において、怒りをコミュニケーションに持ち込んで得をする人は誰もいません。たとえその場で臨む結果を得られたとしても、後になって人からの信用を失ったり、避けられてしまうのがオチです。長く仕事をしていると、一瞬感情が高まってしまう時はどうしても出てくると思いますが、そんな時は深呼吸をする、話題を変える等、自分なりの解決方法を持っておくと良いと思います。落ち着いた後にもどうしても引っかかるものが残るのであれば、冷静な状態になってから相手に伝えることを心がけてください。

 

本日のコミュニケーション処方箋:怒りに任せたコミュニケーションは、マイナスしか生まない

 

今日はこのへんで失礼いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。