おはようございます。
コミュニケーション・ドクター 須海 二郎(すかい じろう)です。
昨日は『些細なことをオーバーリアクションで返す』をお届けしましたが、本日のテーマは『自分をさらけ出すコミュニケーション』です。
以前私の上司だった人の話なのですが、その人は女性で、競争の激しい会社の中で出世街道を邁進していました。その上司の管轄部署に異動が決まった後、挨拶に行った時に初めて会話したのですが、話を聞いて想像していた印象とはまったく違う、分け隔てのない態度で接してくれるとても優しい人でした。
昔を知る人から話を聞くと、以前はかなり恐ろしかったらしく、周りに対して当たり散らすようなタイプの人だったようです。その人がなぜ優しい人に変わったのか、そのきっかけを聞くことはできませんでしたが、そこまで会話量が多くなかった私の印象に今でも強く残っているのは、「自分をさらけ出すタイプの人だった」ということです。
その人と話しているととても明朗快活で、かつ裏表のない印象を受けました。「ああ、この人は嘘をつくような人ではないな」ということが話していて伝わってきますし、話している間に不思議とこちらも元気をもらえるような気がしてきます。以前本ブログで取り上げた下記
のように、何度か接した後、「バイアス」の段階でそういう感情を持つようになりました。
「さらけ出す」という言葉は色々な意味に解釈できますが、サラリーマン生活においてすべて自分が思っていること、感じていることをそのまま口に出して上手くいっている人というのを、私はあまり見たことがありません。幼少期の原体験、学生生活、それまでに歩んできたキャリア、それらがすべて合わさり、まずその人の「視覚情報」として相手に伝わります。2回目以降は入口が「バイアス」に変わり、その次に視覚情報、の順番に変わります。
視覚から伝わってくる情報に、その人のそれまでに歩んできた人生が凝縮されているのだということを、改めて思い知らされます。私は比較的言語情報として「さらけ出す」ことをしてしまうタイプだったのですが、まず視覚情報として相手にどう伝わっているか、ということの重要性について考えるきっかけを頂けた出会いだったように思います。
本日のコミュニケーション処方箋:言葉だけでなく、見た目から「さらけ出る」ものがある。
今日はこのへんで失礼いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。