おはようございます。
コミュニケーション・ドクター 須海 二郎(すかい じろう)です。

昨日は『上司チェンジに挑んだ結果』をお届けしましたが、本日のテーマは『トップに守ってもらえる会社』です。

 

ここ最近テレビやネットで吉本の闇営業問題を目にしない日はないというくらい、報道が過熱していますが、当事者となってしまったタレントの発言が当初と今で食い違っていたり、公の場に姿を見せて謝罪しないことが、より問題をヒートアップさせる一因となっています。

こんな時、当事者の方もさることながら、同様に会社のトップも間違いなく頭を抱えているはずです。6,000人のタレントを抱える大会社が存亡の危機に直面した時に、トップが何を語るのか。その一挙手一投足に、世の中の視線が注がれる瞬間です。

こちらのビジネスインサイダーさんのリンク先に大﨑会長へのインタビュー記事が掲載されていますが、まず読ませて頂いて感じたのは、「軸がブレず一貫している」ということです。会社としての理念・方針に従い、タレントをいたずらにかばうことなく、

 

「芸人という立場にかかわらず、人として、お年寄りをだましたおカネの分け前をもらっていたというのは、まったくだめだ」

 

というスタンスを明確に表明しています。その上で、当事者のタレントが発言した内容に批判が集まったことに対して、
 

個人がそれぞれ自由に発信するのが、芸人のそのものです。そこを制約するのは、吉本らしくない。コントロールするのは、逆に問題があるのではと思っています。もちろん前提となる理解が間違っている芸人のコメントについて、どこまで修正していくかという問題はあるけれど、ぼくは基本的には個人の責任で、堂々と発言すればいいと思っています。そのぐらいの信頼関係はマネージャーや会社と芸人の間にはあると思っています。

 

慎重に言葉を選びながら、会社と個人の責任分解点を明示されているように感じました。

このインタビューを誰が読むのか、ということを考えると、もちろん世の中のHOT度が高まっている出来事なので、この問題に関心のあるたくさんの世間一般の皆さんがまず最初に思い浮かびます。ですが一方で、吉本に所属する6,000人のタレントの皆さん、社員の皆さんも高い確率で目にされることでしょう。そのステークホルダーの皆さんが、
 

リスクは大きいのかもしれないが、6000人と一緒に居場所を探すのが、吉本らしい。

芸人のあり方も日々刻々と変わっていく。事件があって、猛烈に反省しつつ、時代の中で生き残っていくしかない。

 

というコメントを目にしたらどう感じるでしょうか?私が吉本の社員だったとしたら、「ああ、この会社に入って良かった」と心から思います。

「不祥事から逃げることなく全力で受け止めた上で、当事者の猛省を促しながら、それを当事者だけに押し付けることなく、会社として前を向いてまた今後生き残りをかけて精進していこう。誰一人置いていかないから安心して付いてこい。もし何かが起こったとしても俺が全力で矢面に立つから心配するな。」私にはそんな風に読み取れました。

 

本日のコミュニケーション処方箋:問題が起こった時に軸をぶらさず、自ら矢面に立つトップがいる会社は強い

 

今日はこのへんで失礼いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。