さて、コンサートもだんだんと近づいた1月末頃、東京音大の先輩・釘本涼子さんから《日本シャミナード協会》会長の広瀬百合子様を紹介していただきました。

 

広瀬さんは私がシャミナードの歌曲を歌うことをすごく喜んでくださって、当協会の例会で私のコンサートのフライヤーを配ってくださるなど色々ご親切にしてくださいました。感謝❣️

 

そして広瀬さんから驚くべき情報も!

 

なんとポーリーヌ・ヴィアルドのことをご本に書かれた方がいらっしゃると!

 

そのご本のタイトルは『ポリーヌに魅せられて』

著者は国立音楽大学名誉教授の小林緑女史(「先生」と呼ばれるのはご本人がお嫌いと伺っているので女史とさせていただきます)。

 

実は、昨年9月にヴィアルド邸を訪問した折にツルゲーネフ美術館の前で売られていたヴィアルドに関する本を買ってきたものの、結局そのまま読みもせずに放置してあった私としてはこれはしめた!日本語で彼女に関する知識を深められるわい😁と早速パリから日本のアマゾンでそのご本を買いました。日本に帰ってコンサートの前は無理としてもコンサートが済んだら読もう!

(結局日本ではコンサートの後も読む時間がなく、その後パリに持ち帰ってからもまだ手付かずですが・・・内容が大変濃いので元気いっぱいの時に読もうと思います)

 


これがツルゲーネフ美術館で買った本

 

 

さて、ここで話は少し飛びますが・・・・

 

私の姉が参加している《ヨーロッパ史研究会(通称ヨー研)》という勉強会があるのですが、その主催者の氏家さんという方から今回コンサートの数日後、ぜひ我らが会の打ち上げ会にお越しくださいというお話がありました。

なにしろ団塊世代が中心のお勉強会ですからきっと鋭いご意見が飛び交うのだろうな〜私などが行っていったい何をお話しすれば良いのかしら?と思いましたが、ヨー研の多くの方がコンサートにお越しくださったので、ともあれ感謝の気持ちだけでもお伝えしようと思っていました。

 


ヨー研の皆様

私の向かい側のシルバーヘアの男性が氏家さん。

団塊世代ばかりではなくお若い方も数名いらっしゃいます。


この氏家さん、実はこの《ヨー研》の他にも色々なお勉強会を主催なさっていらして、その中のひとつに《クラシック音楽サロン(通称CMサロン)》という会もあるのだそう、そして偶然にも6月からの講師としてその会がお招きしているのがなんと小林緑女史。

 

そこで小林緑女史と思いがけずこの会で直接お会いするチャンスに恵まれました。

 


ちょっと目が泳いでいる私😅

ご本の帯にも『著者はジェンダー・平等の視点からの音楽史の書替を問い続けている』とあるように生粋のウーマンリブ活動家でいらっしゃるようです。

 

なので登場の仕方から既に芯の強い女性という第一印象。

 

そして「〇〇は間違いですから△△に改めてください」と氏家さん相手に先生モード全開でいきなりパンチ一発🤜

団塊世代の皆さまも少々タジタジ、隅の方で早くもフェイドアウトなさってる方を私も目の端で捉えたり・・・・😂

 

女史はその場の空気感よりも何よりも、フランス語の人名や曲名のカタカナ表記に大変こだわりをお持ちのご様子です。

 


お断りしますがここからは私の独り言、決して反論ましてや批判などではありませんので、そのおつもりで読んでいただきたいのですが。

 

 

私の持論では・・・・

 

日本語のカタカナは一見とても便利なように見えて、多くの日本人が外国に行った時に「行きたい場所の地名、建物の名前を言ったのに通じなかった」とか「注文したものとまるで違うものが出てきた」ということの原因になっていると思っています。

 

元々カタカナというのは母音が5個しか存在しない日本で生まれたものです。

たくさんの複雑な母音や、唇、歯、舌や顎を総動員しなくてはならない子音を持つ日本以外のほとんどの国の外国語を正確にカタカナで表記するのはそもそも無理な相談というもの。

 

カタカナで書かれた外国語は耳から聞こえてくるその国の言葉とは似てはいるけれど全く非なるもの。

 

私は「ポーリーヌではなくポリーヌに改めてください」という女史のお言葉に反論するつもりは毛頭ありません。それはそれでひとつの聞こえ方でしょうから。

だからと言って改めるつもりも全くありません。

 

確かにPau(ポー)の後にLine(リーヌ)という言葉が続くので、この場合は通常の「AU」より少し短くなるのは正しいと思います。

 

しかし、だからと言って「ポリーヌ」と発音すると本来AUという母音の持っている「暗い閉口母音のオ」ではなくなり、明るい「開口母音のオ」になってしまうと感じるので、あえて「ポー」と書きました。

素早く動かない日本人の唇で短時間にこの「暗いオ」からすぐに「リーヌ」に飛ぶのは難しいからです。少し時間をかけることで暗いオを正しく言える、とこれはフランス語で歌う時の苦労から得た秘策です。そしておそらく私独自のものに過ぎないかもしれません.....日本人の中にだって唇が自由自在に素早く動かせる人だってたくさん存在するわけですし......要は人それぞれ、これでなくてはダメなどと決めつけるのはナンセンス。

 

他にもいくつかご指摘いただきましたが、もう敢えてここでは書きません。外国語に纏わる《カタカナ論争》は時間の無駄ですからね😉

 

ひとつ確かに言えることは、「日本ではこれが正しい」ということに拘る方達と同じ土俵上に居続けるのは窮屈かな〜と😅💦

 

うっかり地雷を踏む前に退散退散。

 という事で日本での次回(・・・があればですが)のコンサートではヴィアルドの歌を歌うのは避けようと思った次第です。

特に大好きな曲ですが日本では論争を引き起こしそうな《 Haï Luli 》は!😣

 

つづく・・・・