パリでは昨年の夏、床ジラミ被害が大変大きな問題になりました。

映画館が一番危ないと言うような情報もあってそれに振り回された私は、床ジラミ騒動以前は月に何度も通っていた映画館通いからすっかり足が遠退いてしまいました。


しばしば通っている時は予告編でまた直ぐに見たい映画が見つかるのですが、一旦離れると情報量も減ってしまい、そうこうする内に寒くなり→出不精に拍車がかかり😅前回映画見たのはいつだったっけ?と言うような日々でした。


そんな私に友人から、最近ひとつのメッセージが届きました。


以前のブログでも書きましたがその友人とは俳優カトウシンスケさんのお母様です。

ONODAと言う映画にそのカトウさんが出演なさっていたのです。

このブログ

https://ameblo.jp/suizi/entry-12692801738.html


さて、そのメッセージとは「ある男(フランスでは A Man と言うタイトル)に息子が出ているので良かったら見てやってください」と言うものでした。


これを機会にまた映画三昧の生活に戻るチャンスを頂戴した感じ、本当に感謝です❤️


そこで早速見に行ってきました。





前のブログでも書いたように、異国で日本の映画を見る時に私が一番気になるのは、日本のどう言う部分に光が当てられているのか、外国人に誤解を与えるような描かれ方はしていないだろうか、などなどです。まあこれも一種の愛国心なのだと思いますが。

だからいつでも見に行く前はちょっとドキドキするのです。


映画館に着いて、まず気になる客入りですが(私が気にする必要もないのに😆、自分の舞台でもやはり気になるのは客席が埋まっているかどうか、なので他人事ではないのです)客席はまあまあ埋まっていて良い感じ🙆


富士山に『松竹』の文字が出てくるだけでなんだか嬉しい☺️


ネタバレになってもいけないので是非ご自分でご覧になってください、としか書けませんが.....とても良い映画でした。見る価値大いに有りでした。


友人の息子さんだからと言う贔屓目抜きで、自分でもびっくりしたことをひとつだけ書きます。


カトシン(と仲間内では呼ばれているようなので)さんが最後の方でその男(映画ではX氏)が自殺だったのか?と聞くシーンがあります。

主人公の弁護士が『いいえ、そうではないと聞いています』と答えた後にカトシンさんが見せるホッとした表情に思わずなぜか急に涙が溢れたのです。


こう言うのを【演技力】と言うのでしょうか?

それともカトシンさんの天性の何かが私のこう言う反応を引き出したのか.....


理由は分かりませんが、突然こみあげた涙に自分でも驚いたのでした。


そして映画は非常に謎めいた終わり方をするのですが、果たして私の前々列で見ていた高齢の女性が終わった途端に後ろを振り返って私の前列に座っていた赤の他人である親子連れ(パパとティーンエイジャーの娘さんと息子さん)を捕まえて、その最後についてあれはどう言う意味だと思うか?と根掘り葉掘り聞いていました。

フランス人🇫🇷あるあるだなあ!と。


ちょっとこの会話の行き着く先を聞いていたい気持ちもありましたが、トイレにも行きたいし....で先に出てきてしまいました😅


それにしても100%理解できるってやっぱり良いなあ〜😊👍

フランス語で見る映画は肝心なひと言がわからなかったりするので😓


良い映画を見られたこと、再び映画通いの生活に戻る機会を得たこと←本当に友人に感謝です🥰


追伸:映画の中で死刑についての講演会のシーンがあるのですが、フランスでミッテラン大統領の時に【死刑廃止】を決めた人物、ロベール・バダンテール氏がつい最近95歳(誕生日を迎えていれば96歳)で亡くなったばかりで、連日話題にのぼっていたので、偶然とはいえこの映画がフランスで上映されているタイミングも非常にピッタリだったと言う印象を持ちました。