6月19日(月) 19:30開演

Théâtre des Champs-Elysées 


テアトロシャンゼリゼのオペラ(この劇場お得意の演奏会形式ではなく今回は舞台装置や衣装付きの)を見て来ました。


行こうと思い立った理由は2つです。


①もっか私がハマっているコメディ・フランセーズのメンバーで演出家でもあるÉric Ruf (エリック・リュフ)さんがこのオペラを演出する。(一番直近では彼が演出し且つ自らリシュリュー枢機卿を演じた映画《三銃士・ミレディ》を見ました)。


②Cristian Lacroix (クリスチャン・ラクロア)さんが衣装を担当する。




最初から緞帳は上がっていました。

気がついたらいつの間にか(指揮者が登場する前に) 舞台上にはロドルフォとマルチェッロがいました。


さて出かけた劇場で

思いがけず凄い声のテノールを発見しました。

サモア人のテノール歌手 Pene Pati (ペネ・パティと読むので合ってるかな〜🤔サモア人のお名前が随分と欧米風の名前なのにまずびっくりです、知識不足でごめんなさい🙇‍♀️)さん。

どうやら巷ではパヴァロッティの再来と言われて評判らしいです。

カーテンコールの写真しかありませんがお見事な体躯です。

ただ.....決して人種差別的発言ではなく純粋に....

彼の舞台での動きを見ているとニュージーランドのラグビー🏉チーム・オールブラックスがオーバーラップ。名物《ハカ》を思い出していた私です😅


さて肝心のお目当ての2項目についての感想ですが。


ラクロアさんの衣装は色が派手でウキウキするのが特徴ですが、このオペラではそもそもそういう場面が少ない。なので充分に彼の良さは発揮されていませんでした。

唯一それが発揮出来るのはムゼッタの衣装ですが、今回のムゼッタさんではそれも無理でした。

ムゼッタを演じるソプラノに求められるのはびっくりするような声でもなく(ムゼッタの歌う場面はオケがとても薄いので特に大きな声でなくても一番後ろまで届くし)とにかく舞台に出て来た瞬間に全ての人の目を一身に集められるようなキラキラオーラを纏った《華》です。

残念ながらそういう華はゼロ0️⃣でした⤵️😢


ではエリックリュフさんの演出は?

まあオーソドックスと言える演出で、文句なく見終わるのかと思っていたのですが、最後に落とし穴がありました。


最終幕、ロドルフォのそばで死にたいというミミが彼らの屋根裏部屋に連れてこられるのですが.....


通常ですと低い高さのでベッド🛌が舞台にあってミミはそこに寝かされます。

しかし今回の演出では

物を書くテーブルの上に板を置いてにわか造りのベッドが用意されるのですが、踏み台🪜を2、3段登らないとこのベッドに横たわれないのです。


あと数分後に死ぬという人がこのベッドに上がったことも驚きなら、みんなが気を利かせてロドルフォと2人きりで残された時、なんとそのベッドからミミが降りてきて歌いそしてまた踏み台を登ってベッドに上がるという離れ技を見せてくれました。


私は未だ死んだ経験はありませんが、死にそうなほど身体が辛かったことは何度かあり、その経験から身体が辛い時はなんでも良いから一番手っ取り早いところに身を置きたい、というのが本音であんな高いところに登るなんて無理🙅‍♀️もうその辺の床でも良いからとにかく直ぐに横にならせてくれ、という感じだと思うのです。

多分エリック・リュフさんはお身体がめちゃくちゃ丈夫で身体が辛いという経験がないのかも🤭


舞台や映画にリアリティを求めてはいけないという人もいますが、私はあまりにも非現実的な描写には即拒否反応🙅‍♀️。


例えば最近また思わぬ事で話題になってしまったジェームス・キャメロン監督の映画《タイタニック》も当時大ヒットの映画でしたが私は全然好きではありませんでした。

氷点下の海水が浸水している船の中でペラペラの薄いドレスを着て恋人救出のために動き回るなんて非現実的すぎて白けてしまった私🙄。


でもまあお客様の多くは大満足だったようです🥰



指揮者さん

いま風に言えばスパッツ?でも私の世代は男性のこういうのを見ると《モモヒキ》という言葉が直ぐに浮かんでしまって(笑)

テレワークの時に上だけ👔で下はパジャマのズボンというのが流行ったからその名残?😆


向かって左から2人目、コリーネを演じた Guilhem Worms さん

最終幕彼の歌う『外套の歌』では不覚にもズズズーッと泣いてしまい、隣の女性が思わず私の事を見ていました。


まあ最後に素敵なコリーネを見られたから感謝🩷