11月30日(水曜日) 20時



アテネ劇場に行きました。

この劇場の正式な名称は、Athénée Théâtre Louis- Jouvet です。


Luois -Jouvet ルイ・ジュヴェとは、フランスの男優、演出家の名前です。

多分皆さまもご存知の『北ホテル』Hôtel du Nord で主役を演じた俳優と言えば嗚呼〜と思い出されるのではないでしょうか?

この他にも 『旅路の果て』La fin du jour とか『舞踏会の手帖』Un carnet de bal などにも出演しています。

これらの映画は亡き母の大のお気に入りでした。


さて当日、19:30に到着しましたがロビーで待たされる間に壁にこんなものを見つけました。


1951年の8月16日になんと!この劇場で亡くなっているようです。

まだ63歳だったみたいですが、愛する劇場で亡くなったのなら本望だったのではないでしょうか......


さてこの日ここに来た目的は.....

10月30日のブログで書きましたが

https://ameblo.jp/suizi/entry-12772055251.html

ガリバー旅行記で初めて訪れてその美しさに魅せられた劇場をもう一回今度は別の席から鑑賞することでした。


カリバー旅行記を見終わって帰宅後直ぐにネットで何を見ようかな〜と探して辿り着いたのがこのマルグリット・デュラスの《苦悩》La Douleur でした。


前回は平土間(orchestre) の前から2列目の真ん中だったので今回はCorbeille と呼ばれる平土間と一階(日本的には2階)バルコニー席の間の中二階のような席の一番前のちょうど曲がり角の端(舞台正面から上手側に曲がる直前)に当たる席を選びました。


さて、普通なら開演30分前には席に案内されるものだと思うのですが、この日15分前になってようやく席に案内されました。



この日は最初から緞帳が上がっています。


前回遠かった天井がだいぶ近くに見える。


天井の照明はこんな感じです。実際にはもっと綺麗なのですが私の古いiPhoneではこれが限界。

私の側から斜め方向に見える様子。






舞台上手にお人形?動かないから多分お人形さんね.....


さて客電が落ちて始まり〜〜と思ったらなんとその《お人形》と思っていた人物が動き出しました。

開始時間はだいたいの場合開演予定時刻より少し遅れますからなんと20分以上マンジリともせずに座っていた事になります。


その人こそ今日の主役にして唯一人の出演者の Dominique Blanc ドミニク・ブロンさんです。

コメディ・フランスの正団員、たくさんの映画にも重要な脇役で出演しています。

私がよく記憶しているのはイザベル・アジャーニ主演の映画《王妃マルゴ》に出演していたこの人、マルゴに忠実なお付きの女性を演じていました。


今回は劇場を見るのが主な目的でしたが、やはりどうせ見るならコメディ・フランセーズの本格派の演技を見たいと思ったのと、マルグリット・デュラスの《苦悩》は2019年の帰国時に日本の文化村シネマで映画を見ていたのでまあわかるかな〜と思って選んだのですが......


《一人芝居》は正直に告白するとちょっとハードルが高かったです🤣

登場人物がいっぱい居て物語が進んで行く場合には一つ一つの言葉を全部聞き取れなくても状況判断でほぼ理解できますが、一人芝居はね.....😅


でも負け惜しみではありませんが、ところどころよく分からなくても美しい劇場の座席で美しいフランス語を音楽のように聞いてそれなりにとっても幸せでした。🥰






みんな惜しみない拍手を送ります👏👏👏👏👏


歴史を感じられる舞台はそこに居るだけでなんとも満ち足りた気分になります。身近にそう言うものが溢れているパリの生活に感謝です❤️